サーファー必見!19歳でプロサーファーになった彼の新たな職業は「サーファーマー」?|愛知県田原市

前略
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1985年、愛知県田原市生まれの32歳。農家を営んでいる彼の父は昔から大のサーフィン好き。そんな父に影響を受け、気づいたらサーフィンばかりやっていたという彼は、19歳で市内初のプロサーファーになる。

その後、サーファーとファーマー(農家)を掛け合わせた新たな職業「サーファーマー」を確立させ、現在は「サーフィンと観光」「サーフィンと農業」を掛け合わせた取り組みを行っている。今回はそんな彼のサーファーマーとしての生き方に迫ります。

彼こと、杉原康幸さん
彼こと、杉原康幸さん

プロフィール
杉原康幸(Yasuyuki Sugihara)
サーファーマー
農家に生まれ、19歳の時に市内初のプロサーファーとなる。サーフィンにもっと親しんで欲しいと伊良湖サーフスクールで講師を務める傍ら、農業も行っている。現在は「サーファーマー」としてサーフィンと観光、サーフィンと農業を融合させた今までにない取り組みを発信、展開している。

農業を見直したきっかけは東日本大震災

物心がついた時からいつも家のすぐ側には畑があった。お米やキャベツ、ブロッコリーにとうもろこし、ビーツ、パクチー、毎日畑仕事をする両親。農業があまりに近くにありすぎたからなのだろうか、「田舎で農業はかっこ悪い」ずっとそう思っていた。

農業に可能性を感じたのは、東日本大震災がきっかけだった。お金を持ってコンビニに行っても、モノがない状況に立たされた時、あなたはモノや水を求めてどこに行くだろうか?

彼は水を求めるなら川、食べ物を求めるなら山に行く。どこの水やどんな水なら飲めるのか、どんな植物や動物なら食べられるのかを田舎で生まれ暮らしている彼はごく自然に知っているからだ。

街で生まれた人はどうだろう。お金があるのに食べ物がない状況に、中にはパニックになってしまう人もいるかもしれない。

田舎の農家に生まれたからこそ自分には生きる力を身につけることができた。このことに気づいた瞬間、農業の可能性を大きく感じたのだ。

自分の当たり前が崩れる瞬間

農業の可能性に気づき、誇りを持って仕事をする一方で、大好きなサーフィンももちろん続けていた。朝から自然の中で農作業をし、仕事を終えた達成感に包まれながら夕方は海に入って波に乗る。朝から晩まで自然に触れ、エネルギーを感じる毎日は本当に楽しい。

「サーファーマー」は、そんなサーフィンと農業の生活を続けていた彼を見て彼の友人がつけた職業。サーファーマーとして自分に何ができるのかを考えた時、子どもたちにもっとサーフィンや農業を親しんで欲しいと思って、伊良湖サーフスクールを始めた。

伊良湖サーフスクールでは、サーフィンを教えることはもちろん、希望者には実家の畑を使って田植えや収穫体験ができるようにしている。

子どもたちと一緒に畑仕事をすると、自分にとっての当たり前が当たり前ではないことに気づかされる。キャベツが土の上にできることを彼は幼い頃から、当たり前のように知っている。でもキャベツが土の上にできるのか、下にできるのか。はたまた木になるのか、ならないのかを知らない子どもたちは多くいる。

誰がどれだけの時間をかけて、どうやってお米をつくっているのかを彼は幼い頃から、当たり前のように知っている。でもそれを知らない子どもたちがたくさんいた。

農家で育ってきたからこそ、自分の身体に入れる食材が誰にどうやってつくられているのかを、当たり前のように知っている幸せに気づいた瞬間だった。

サーファーと地域の人の架け橋になりたい

これからは地域全体として、サーフィンと農業を繋げていきたいと思っている。

田原市はサーフィンの世界大会が開催されるほど、サーフィンを楽しめる場所として有名な地域。だからこそ、毎週末にはサーファーがこぞって訪れる。けれどサーファーはあくまでサーフィンをしに来るだけで、地域の人との関わりはほとんどない。朝波に乗れば、お昼頃には帰ってしまう人も多くいる。

以前、午前中にサーフィンを教えた女の子たちが、午後田植え体験をしに彼の実家の畑にきてくれたことがあった。この時、彼のおじいさんがいきなり先陣を切って、女の子たちに田植えを教え始めたから驚いた。本当に楽しそうに、彼も知らなかった田植えのコツを教えているおじいさんの顔は今でも忘れない。

農家が忙しい時には、朝サーフィンを楽しんだサーファーが畑仕事を一緒に手伝う。手伝ってくれたお礼に農家で作ったお米や野菜を少しもらって家に帰る。こんなサーファーと農家の関わり方が増えたら、きっと地域はもっと活気に溢れると思うから。

常に感謝を忘れずに、お金のためではなく「自分のやりたいこと」を大切にしているという彼。サーフィンや農業、お客さんや地域の人に切実に向き合う彼の活躍に今後ますます目が離せない。

草々

Writer:高山奈々


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