【後編】創業1772年の酒蔵が、お客さんを呼び戻そうと行った「取り組み」をご紹介|岐阜県美濃市

前略
ミネラル豊富な水と、甘く香りのいい日本酒が飲みたいあなたへ

創業1772年。岐阜県にある美濃の市街地で唯一、日本国指定重要文化財にも指定されている酒蔵「小坂酒造場」。今回は小坂酒造場の12代目を務める小坂善紀さんにお話をお伺いしました。

前編では、246年の歴史を持つ小坂酒造場を受け継ぐ小坂さんが日本酒づくりにおいて大切にしていることや、拘り抜いて作り上げた日本酒が「嫌われ者」だった過去についてご紹介しました。後編では「嫌われ者」の日本酒に再びお客さんを呼び込み、売り上げを伸ばした「ある取り組み」と、小坂酒造場の「新たな挑戦」をお届けします。(前編はこちら

「嫌われ者」から売り上げ130%増の「人気者」にした方法

日本酒が「嫌われ者」になってしまってから(前編記載:こちら)、小坂酒造場は「蔵開き」と「梅酒づくり」のイベントを開催します。

小坂さん:2004年から毎年イベントを行っているので、もう14回目の開催になりますね。当時蔵開きを行っている酒蔵さんはほとんどなくて、お客様が来てくださいました。持って回ってもなかなか相手にされなかった日本酒が、蔵開きに来てくれるお客様にはすごく喜んでもらえて、笑顔でお礼を言って帰って行かれる姿が印象的でした。

蔵開きと同じ年に始めた梅酒づくりも開催して14回目になるが、未だに人気は衰えず、むしろ毎年応募が増えているという。

小坂さん:お客様の中には「梅酒をつくりに来ました」ではなく「皆さんに会いに来ました」と言ってくださる方も多いんです。10年間通い続けてくださって、10年分の梅酒がそのままお家に貯まっているというお客様もいるんですよ。

こういった経験からも「人との繋がり」を大切にしている小坂さんは、極力お客様の前に立ち、お客様一人一人とコミュニケーションを丁寧に取ることを大切にしています。

小坂さん:お客様の笑顔を見ると私たちは社会的に必要とされているものを作っているんだという実感が湧きます。特に初めてイベントを開催した頃は、お客様以上に社員が喜んでいたんです。私たちはいつもお客様から元気をもらっているんですよね。イベントは毎年開催していて、もう14回目になりますが、一向に客足は落ちません。むしろ売り上げとともに伸びていっているくらいです。

2011年に東日本大震災の影響を受けながらも、お客様との繋がりを大切にし続けることは変えなかったといいます。その後2013年に和食が「ユネスコ無形文化遺産」に登録されたことをきっかけに、和食に合う日本酒が海外で評価され、逆輸入という形で遂に日本でも日本酒ブームが巻き起るようになります。

田んぼから見えるお酒づくり

現在では日本酒も多様化し、より広い世代から男女問わず支持され始めた日本酒。246年の長い歴史を持つ小坂酒造場で、今後新たな取り組みを始めたいと小坂さんが意気込みを語ってくれました。

小坂さん:「田んぼから見えるお酒づくり」をしたいんです。お米づくりから会社が関わることで、つくっている人の顔が見える状態で、お客様により安心して日本酒を飲んでもらえたらいいなと思っています。お米は無農薬で育て他ものをお酒に変えていきたいですね」

実は小坂酒造場は、農薬・化学肥料を使わないで栽培したお米「みのにしき」を使って地酒をつくっている、さんやほうサポータークラブに協力し、毎年純米酒「さんやほう」をつくっています。

小坂さん:さんやほうサポータークラブでは、除草剤の代わりに土に米の糠を巻くんです。そうすることで糠が太陽の光を遮断して、雑草が生えないようになるんですよ。

夏になると、地元の子どもたちが田んぼにいる生き物を見にやってきて、ここでしか見れないような生物に出くわしていきます。

小坂さん:無農薬でお米をつくって、お米からお酒までつくった人の顔が見える状態で、お客様にお酒が届けられたらいいなと思っています。


山あり谷ありの中で、お客様や社員、資源を大切にしながら一歩ずつ前に進んでいく小坂酒造場の次なる挑戦に乞うご期待。

草々

Writer:高山奈々

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