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LOCAL LETTER

子育てを考え四万十川源流で自然有機農業を始めた、お父さんのさらなる挑戦

AUG. 02

Nakatosa, KOCHI

前略
将来田舎で暮らすことに、興味を持ちはじめたあなたへ

パワフルなおじぃの川島会長から元気をもらい、地元の方が本気でオススメする久礼大正町市場の田中鮮魚店で美味しい魚を食べた後は、高知県中土佐町大野見で自然有機農業を営んでいるという下村農園へ訪れることにした。

賑わいをみせる久礼大正町市場を名残惜しみながら、私を助手席に乗せた車は山へと向かう。車の窓から見えるのは田んぼ、田んぼ、田んぼ。気づくとすでに私たちは下村農園のある、高知県中土佐町大野見に入っていたらしい。大野見は別名「四万十川源流の里」と呼ばれる場所。とにかく水が美味しいから、お米も美味しく育つ。道の途中にあった湧き水を地域のおじぃがポリタンクで汲んでいる日常が、私にとっての非日常でなんだかワクワクした。

そろそろ下村農園にも着くかなとより心を弾ませていたが、これがなかなか着かない。それどころか車はグングンと山道を登っていく。弾んでいた心が、だんだんと不安に変わっていく。どれぐらい進んだのだろう、ウネウネした山道をただひたすら進んだ先に家らしきものを発見。まさかここに農園!?きっと誰もが思うに違いない。その “まさか” がここにはあった。

「母の実家が大野見なんです。若い時は田んぼが身近にありすぎて、将来農業がやりたいなんて思ってもみませんでした。子どもが生まれて子育ての環境や、将来子どもに何を残したいかなと考えた時、子どもが食べていけるものを残したいと思いました」と話すのは、下村農園のオーナー下村具裕ともひろさん。

農業を始めた当初は週末に、知り合いから分けてもらったブルーベリーの苗を育てるため大野見の畑に一人で通っていたが、6年前の2012年に家族を連れて大野見に移住をした。現在は、10.5坪の畑でブルーベリーをはじめ、生姜、季節の野菜を育てているほか、最近六次産業化にも挑戦し、去年はジャム、今年はジンジャーシロップ作りに挑戦している。

以前まで内装業を営んでいた下村さんは、森の崖を切り開いて今の家を建てた思い切る一面も。「この場所に一目惚れしてしまったんです。とにかく涼しくて、一年に5回くらいしかエアコン欲しいなと思わないですもん」そういう下村さんの家は、とっても開放的で部屋の中にはドラムやギターをはじめ、お洒落なバーカウンター、そこにづらりと並ぶお酒たちに、ビールサーバーまで。まるで「大人の秘密基地」のようだった。

「今や田舎にいても欲しいものはネットで注文して、翌日には手元に届く時代。そう考えると田舎にいた方ができることの幅が広がるんじゃないかと思っているんだよね。農業は大変だけど、僕は日常で好きなことをやっているよ」自分の好きなことを追求する下村さんが育てた果物や野菜は、とにかく美味しいと評判が高い。

移住者だからこそ、地域の人との繋がりも人一倍大切にしている下村さんは、地元の方との交流を図るためにご自身も大好きな音楽や映画を掛け合わせたイベントの開催も行っている。「いきなり知らない人が地域にやってきて、活動するのは地域の人からしたら抵抗があると思うので、まずは信頼してもらうことが大切だと思っています」と語る下村さん。ただ農作物を作り育てるのでなく “大野見という地域が活性化することも目標のひとつ” だと考え、今後じゃブルベリーの摘み取りやジャム作り体験などを行う「観光農園」をしたいと教えてくれた。

別れ際に下村さんからもらったジンジャーシロップを自宅に帰ってから炭酸水で割って、ジンジャエールを作ってみた。下村さんお手製のシロップは、想像していたよりも甘くまろやかな口当たり、かと思えば後からピリッとくる辛さが口の中をさっぱりとさせる、飽きのこない味だった。

下村農園のHPはこちら

 

草々

高知県中土佐町

これからも高知県中土佐町の応援をお願いします。

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