秩父の山をカエデで守れ!山の木を伐ることなく森林を継続的に活用できる方法で地域を元気に。

メープルシロップ生産量世界一を誇るカナダ。そして、カナダのメープルシロップ輸出先第3位にランクインするのは、日本なんです。そんなメープルシロップ好きの日本。実は、国内でもメープルシロップの生産を始めているのをご存知でしょうか?

独自で独創的なアイデアを活かして山を守り、地域活性化に活かしている地域の一つである、埼玉県秩父。この地域で地域活性化の主役となるのは、メープルシロップの原料となる「カエデ」です。秩父には、日本全国で28種類あるカエデの75%が自生しています。

 

秩父では以前からカエデの樹液やメープルシロップなどを使った商品が生み出されていて、主に地元で消費されていました。その後、このカエデを使った商品を全国に発信することで、地域活性化に役立てると同時に、山の持ち主とNPO法人などが連携して、スギやヒノキの「伐る林業」とカエデの樹液を採るための「伐らない林業」の複合化を目指した取り組みが開始されました。

現在では、NPO法人秩父百年の森などのいくつかの団体が中心となり、森林整備活動、森とまちをつなぐ交流活動、森に学ぶ環境教育支援活動、カエデ樹液プロジェクトなど地域活性化事業などに力を注いでいます。なお、この活動の担当者は、次のように語っています。

『人が1回関わった森は関わり続けないとダメになる』といいます。秩父でも、道から近く木を伐り出しやすい場所にはだいたいスギやヒノキが植えられています。

しかし、そのスギやヒノキをどうやって収益に結び付けるかが大変で、道をつくり木を伐りだしても、様々な手数料などを引かれると地権者にはスギの木1本あたり1000円未満のお金しか入りません。

しかもねじれたり曲がっていたりしたらマイナスになってしまう状況では、木を伐って出すという大変な作業をしたがらないのは当然といえるかもしれません。

2012年から、カエデの樹液生産が始まり、5種類のカエデから樹液を採取し「秘蜜」というハチミツを作成。この「秘蜜」は、本場カナダのメープルシロップにも劣らない風味を持つだけでなく、カナダ産にはないカリウムやカルシウムといったミネラルを多く含んでいるのが特徴です。

ただ樹液を採取するだけでなく、1本ずつカエデの木の樹液量や成分分析、エリアごとの気温などのデータを記録することで、森づくりにも活かしています。そして、現在では、スギやヒノキと違いカエデの樹液事業は「伐らない林業のモデル」として全国から注目も集まっています。

事業に取り組めばいいというものではなく、続けていけることが大事だと思います。田舎なのでリスクは多いものの、その反面やれることも多く、可能性はあると信じています。

政府が新税の導入を検討するほど、日本各地に荒れた森林が増える中、カエデを活かした「伐らない林業」、カエデを使ったPRによる集客など、秩父が今後どのような発展を見せるのかを楽しみです。秩父に行った際にはぜひ「秘蜜」を味わってみてくださいね。

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