町の危機に一人で挑んだ公務員。住民を巻き込み、成功した「まちづくり」とは・・・

拝啓
大好きな地域を「盛り上げてほしい」と思っているあなたへ

大尊敬しているんです

「嬉しさ」と「誇らしさ」が入り交ざったような笑顔で、そう語るのは、有田川町役場の上野山友之さん。上野山さんは、和歌山県にある有田川町役場で、環境衛生課の主事を勤め、「持続可能なまちづくり」を目指している。

そんな彼が「大尊敬」している人物こそが今回の物語の主人公、三木敏男さん。

 

住民が主体の「持続可能でエコなまちづくり」


三木さんの物語を始めるには、有田川町の紹介が欠かせない。

「有田川町」ではなく「有田みかん」と言った方が、ピンとくる人は多いかもしれない。「有田みかん」の生産地で知られる有田川町は、25年も前から、住民が主体となって「持続可能でエコなまちづくり」を行っている地域。

この「持続可能でエコなまちづくり」をたった一人で始めたのが、今回の主人公で、当時、公務員を勤めていた三木敏男さん。現在、有田川町の自給エネルギーは、約23%にまで及ぶ。

「公助」として行われることの多い「まちづくり」を自らが始め、日本全体の自給エネルギーが8%*1 であることを考えると、三木さんの功績の偉大さが、おわかりいただけるだろう。

 

プロジェクトの発端は「ゴミの大量発生」


プロジェクトのきっかけは、町の焼却場に分別されていない大量のゴミが運び込まれるようになったこと。この状況に危機を感じた三木さんは、ゴミを資源として再利用することに着目し、自治会や住民と何度も話し合いを重ねていった。プロジェクト開始当初は、住民の意識も低く、多くの苦労があったという。

その他にも「ゴミ」のイメージを一新するため、「ゴミ置き場」や「ゴミ収集車」のイメージアップや、小学生向けの特別事業を開講するなど、活動の幅を徐々に広げ、現在では住民一人一人が徹底したゴミの分別を行っている。

 

求められているのは「公助」から「共助」への移行


各地域で行われている「まちづくり」。その中でも、特に注目を集めているのは、「住民主体のまちづくり」。有田川町では、すでにみかん農家がソーラーシェアリング*2 を行ったり、町民が市民発電所建設を目指したりなど、自らが立ち上がることで、町の未来に貢献していく動きの活発化が始まっている。

「公助」に頼らずとも、住民がお互いに助け合う「共助」で、実現できることは、私たちの想像以上にたくさんあるのかもしれません。「公助」から「共助」へ、移行の先駆けである有田川町に今後も目が離せませんね。

*1 日本の自給エネルギー8%
経済産業省資源エネルギー庁より(2018年2月時点)
*2 ソーラーシェアリング
農地に支柱を立てて上部空間に太陽光発電設備等の発電設備を設置し、農業と発電事業を同時に行うこと

敬具


この手紙を受け取ったあなたへ
手紙をシェアして、次の人へ贈りませんか?