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LOCAL LETTER

元受講生であり、運営側になった私が明かす「地域バイヤープログラム」

APR. 19

JAPAN

拝啓、いきなりローカルで活躍するにはちょっと不安なアナタへ

ローカルでも役立つスキルがほしい…
単発のセミナー受講では物足りない…
全国の刺激しあえる仲間がほしい…

好きな地域で活動する時に、こうした思いを抱くことはないですか?
これらは全て、地域おこし協力隊であった私自身が感じていたことです。

約1年前、地方からのキャリア開拓に挑んでいた私は、WHEREが提供するローカルライター養成講座を受講。その後、LOCAL LETTERで編集の機会をいただくようになり、いつしか地域バイヤープログラムでは運営事務局として受講生を迎える側に

講座受講をきっかけに、自分でも驚くほどにキャリアの選択肢が広がっていきました。

本記事では、元受講生としての視点(別講座ではありますが)と、運営事務局の目線も含めて地域バイヤープログラムの内容を赤裸々にお伝えします。

地域での活躍を目指すアナタにとって、新たな可能性を見つける一助になると願っています。

確実に「ヒント」を手にする。学びを無駄にしない方法

WHEREが提供する各種講座の大きな強みは「実践」

座学で完結するプログラムとは異なり、経験に基づく実践知の習得が期待されます。

第2期地域バイヤープログラムでは、オンライン講義に加えて、現地に赴くフィールドワークが含まれており、参加者は自ら商品を発掘。その後、チームで商品を選別しポップアップで販売するという、一連の流れを実践する機会を用意していました。

約3ヶ月間のプログラムを通じて、バイヤーとしての活動を現場で体験することができます。講座の目標は、好きな地域や事業者を応援する力を身につけることです。

ポップアップでの接客の様子
ポップアップでの接客の様子
第3回講義「惹きつける企画のつくり方」より抜粋
第3回講義「惹きつける企画のつくり方」より抜粋

参加者は25名。みなさんそれぞれが思い思いの目標を胸にし、全国各地からお集まりいただきました。

人や地域と繋がりを持って何かをしたいけれど、どうしたら良いのか分からなかった時に公開講座を知りました。やりたいことを実現するヒントを得られると思い飛び込んでみました」

「ゆくゆく副業に挑戦したく、興味のあるテーマで経験を積みたい

「日本の地域活性化の鍵は地方の食にあると考えています。地域に埋もれている逸品のファンを創出することによって持続可能なビジネスが可能だと考えているので、講座を通じてそのヒントをつかみたい」(受講生アンケートより抜粋)

目指す形は異なっていても、「この場を通して何かを得よう」という強い意欲がみなさんから感じられます。

ただ、実践をベースにしたカリキュラムだからこそ、受け身でいるだけでは道は拓けません。理論や先進事例を知識として持ちたいだけの方は、受講するより本を読んでいる方が効率的でしょう。

経験を自分のものにしようとする貪欲さが、学びの充実と直結する、そんな講義だと実感しています。批評家になった瞬間に学びは終わってしまうのです。

旅行では得られない?フィールドワークで見る地域は一味違う

とはいえ、大人になってから新たな学びの場に足を運んだり、ましてや知らない分野を学び始めたりする時、多くの方は戸惑いや不安を感じるはずです。

しかしWHEREの講座は「100点を取る」ための学びではなく、五感を使って習得する学び。誰1人、気負う必要はありません。

みんなで一つの正解を追求する分野ではないので、まずは1人ひとりが素直な気持ちで地域や人と向き合う姿勢が、受講において最も大切になると私は考えています。

講座への参加動機は崇高なものである必要はありません。ちょっとの好奇心があれば、必ず実を結ぶ機会になるはずです。

どうかここからは「この講座、難しそう」よりも「楽しそう」という気持ちが読者のみなさんに芽生えることを祈って、プログラムの内容を振り返ります。

受講生アンケートで最も満足度が高かったのは、一泊二日の現地フィールドワーク

今回は静岡県三島市と岐阜県高山市のいずれかを選び、現地に訪れて商品発掘を実践できるプログラムとなっていました。現地コーディネーターが選出した5事業者を回り、生産者の生の声を聞きながら全身全霊で商品と向き合います。

ゆかりのない地域で新たな事業者さんと出会い、ここまで丁寧に解説をしてもらう機会は個人ではつくり難いものでしょう。旅行よりももっと深く地域と関わる経験が盛り込まれています。

「普段聞けない事業者さんの思いをその地で直接聞く経験は貴重でした。実際のその地域の空気感や環境、人の温かさ、商品に触れながら、聞いたことでより商品への興味、この商品をたくさんの方に届けたい、この地域のことを知ってほしい!と思えました」(受講生アンケートより抜粋)

オンラインでは伝わらない熱量を感じる。現場ならではの体験に満足感が高まったようです。

チームプレーを制した者が学びを制す。アナタの気づきは、誰かの成長に

また、WHEREの講座の特徴として黙々と作業するシーンは少ないという点も挙げられます。

講義内では必ずシェアタイムが設けられており、参加者間での交流や、気づきの共有が図られています。そこで他地域の事例を知ったり、新たな視点を手に入れたりすることができるのです。

また、誰かと比較することで自分の得意や苦手が浮き彫りになるなど、1人では得難い発見が手に入ると考えています。

今期のバイヤープログラムでは5人ずつのチームに分かれ、商品の選別からポップアップの準備まで、みっちりとチームプレーを実践する機会がありました。

「1人でやったほうが効率的じゃないか」、実はそんな声も挙がっていました。

しかし、私は地域おこし協力隊として活動してきた上で、ローカルで働く上で最も重要なのはコミュニケーションスキルなのではと感じています。だからこそ、ここでのチーム連携も多様な人間関係のなかで協働していくスキル、協働力向上の場です。

数ヶ月間でどこまで信頼関係を構築し、連携のスピードを上げられるか。どう相手の意図を汲み取るか。「同じ企業の仲間」とは違う、それぞれの方向性がある関係だからこその新鮮な気づき。これを楽しめた人が講座マスターなのではないでしょうか。

チームで考案した「レシピくじ」。お客さんが思わず足を止める仕掛けとなった
チームで考案した「レシピくじ」。お客さんが思わず足を止める仕掛けとなった

現場は思い通りには行かない。鍛えるべきは柔軟性

「刺さる情報発信のデザイン」
「バイヤー仕事術 発掘仕入&コミュニケーション」
「伝わる店舗ディスプレイ&ポップデザイン」

いくつもの講義を終え、商品を選び、仕入れ数を決め、情報発信をし、ポップやディスプレイを考え…

そして、本講義での集大成となるのは都内での販売体験です。

会場は「NEWoMan新宿」にある「AKOMEYA TOKYO」。新宿駅直結で1日に数千人が来店するこの場所で、2日間のポップアップイベントを開催しました

商品に興味がありそうな方に声をかけたり、試食を勧めたり、みなさんそれぞれの戦略で商品の魅力を伝えていました。

本気で商品に愛を持って、熱い気持ちでポップアップストアに臨むことができました
(受講生アンケートより抜粋)という前向きな声の反面、

「お客様1人1人興味が異なるため、限られた時間でどのポイントを伝えたら刺さるのかがつかめなかった。想いを伝えるところまでたどり着けなかった」(受講生アンケートより抜粋)という課題感も。

事前に綿密に考えていたことも、現場では机上の空論となってしまうことがあるのだなと痛感します。

しかし、幅広い層のお客さんが絶え間なく来るこの場所で販売実践ができるということは、数時間でも効果検証が行えるということ。

ディスプレイを調整したり、声かけを変えたり、いかに柔軟に対応して素早く改善できるかで、「現場力」の差を浮き彫りにしていたと感じます。

2日目にディスプレイを更新し、1日目に売れなかった商品を完売に導いた事例も
2日目にディスプレイを更新し、1日目に売れなかった商品を完売に導いた事例も

9割が「今後もバイヤーとして活動したい」と回答。講座で得られるものとは

約3ヶ月の受講期間を終え、実施した受講生アンケートでは76.9%が本講座に対し満足と回答。69.2%の方が「より一層学びの意識が強くなった」と、学びに積極的に向き合い続けています。

満足度の背景には、プログラム内容だけではなく、

「講師・事務局・受講生とリアルに交流しながら実践まで体験でき、今後に活きる繋がりができた」(受講生アンケートより抜粋)

など、新たな繋がり創出に対する嬉しい声が多く含まれていました。

なんと講座終了からわずか1ヶ月、受講生同士でイベントを開催するといった、次のステップへ挑戦する方々も出てきています。

また「今後も地域バイヤーとしての活動をしたい」と回答したのは100%。

その中には「自分でも何か地域活動の役に立てるのかもしれないと気づかせてもらったことが最大の学びです」(受講生アンケートより抜粋)

と、地域での活動に手応えを覚える声もありました。

ローカルと関わる一歩目として、本講座は知識を得るだけでなく、実績・繋がり・自信を生み出す手助けをしています。もし今挙げた全てをすでに手に入れているのであれば、本講座を受けるメリットは少ないかもしれません。

バイヤーという分野では初心者であった私からすると、非常に学び甲斐のある3ヶ月間を過ごさせてもらいました。

ここでの学びを一過性のものにしない。そのためにも運営事務局は受講後の機会提供にも力を入れながら、より良い講座づくりに取り組んでいるところです。

本記事を読み、好奇心が踊ったアナタ。今後、一緒に学べることを楽しみしています。

Editor's Note

編集後記

事務局となり、「学びとは?」と改めて向き合うこととなりました。

本講座の対極にあるのが、黙々と教材を読むといった勉強スタイル。
どちらが良い悪いということではありませんが、誰かと共に学ぶ、そして誰かから学ぶスタイルが楽しめる方はきっとこの講座を機に、1回りも2回りも成長できるはずです。

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