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LOCAL LETTER

まちをつくるのはだれか?地域活性を仕事にする・したい200名が繋がる「ローカルしごとフェス」

APR. 07

ZENKOKU

拝啓、地域でのキャリアの描き方のヒントを見つけたいアナタへ

地域に貢献できる仕事をしたい。でも――

「自分のスキルがローカルで活かせるのか不安」
「都内にいながら、どうやって地域の求人を見つけられるの?」
「興味はあるけど、何から行動を起こせばいいのか分からない」

そんなモヤモヤに応えるために。

地域にも、ローカルで働きたい人にも“おせっかい”な株式会社WHEREが主催し、2025年3月2日(日)第1回目となるローカルしごとフェスを東京ミッドタウン八重洲のPOTLUCK YAESU(ポットラック ヤエス)にて開催いたしました。

春の訪れを感じるような暖かい日差しが、壁一面の窓から差し込む日曜日の午後。開催告知からわずか1カ月での開催にもかかわらず、全国から約170名もの方にご来場いただきました。

出展者やスタッフも含め200名にものぼる方々が集まり、会場は熱気と期待感に溢れていました。なんと参加者満足度は95.6%、出展した企業・自治体満足度は100%(イベント後アンケートより)と、多くのみなさんにお楽しみいただける結果となりました。

本記事では、記念すべき第1回目の「ローカルしごとフェス」会場の様子や、参加者のお声をふまえ、活気あふれるイベント会場の熱気をそのままにイベントレポートをお届けします。

第1回「ローカルしごとフェス」イベント概要

◉イベント名
「ローカルしごとフェス」
https://share.whereinc.co.jp/localworkfestival


◉会期
2025年3月2日(日)
1部12:00〜17:00:出展ブース・ステージコンテンツ
2部17:30〜19:30:招待制懇親会

◉タイムテーブル
12:00 オープニング
12:10 Opening Talk
12:25 Local Presentation(業種:地域商社・マーケティング)
13:00 Talk Session① 観光まちづくり最前線
14:10 Local Presentation(業種:教育・人材開発)
15:00 Talk Session② ローカル資本を価値に変える哲学
16:10 Local Presentation(観光・まちづくり)
16:55 Closing Talk
17:00 クローズ
17:30-19:30 招待制懇親会

◉会場
POTLUCK YAESU(ポットラック ヤエス)
東京都中央区八重洲2丁目2-1 東京ミッドタウン八重洲 5F

◉協賛
三井不動産株式会社

◉主催
株式会社WHERE

◉参加費
1,100円 ※ワンドリンク付き

「夢見るヘンタイ」たちが東京に集結!アツい想いが広がる空間がここにあり

オープニングでは株式会社WHERE代表 平林和樹氏より、「ローカルしごとフェス」の開催の想いが話されました。ことの発端は、とある大学生の言葉でした。

まちづくりを仕事にしたいけど、新卒ではどこも採用してくれない

こうした学生の声のように、ローカルにかける熱い想いがあっても、なかなかキャリアにつなげられない現実。そして、地域側も仲間を求めているのに、その情報が必要とする人に届いていないむず痒さ。

くやしい

これまでWHEREやLOCAL LETTERの活動を通して、たくさんのローカルの企業や自治体に出会い、素晴らしい取り組みの存在を知っているのにーー。「まちづくりを仕事にしたい」という大学生のような想いを持った人に、情報が届いていない状況に、居ても立っても居られなかったと、当時のくやしさを振り返ります。

その想いが原動力となり、第1回目となる本イベントの開催が実現しました。
年間150を超える地域・事業者と出会う株式会社WHEREが満を持してオススメする、ローカルの企業や自治体のみなさんの協力のもと実施されました。

この日集まった出展事業者には、「ある共通点がある」と平林氏は言います。
それは「夢見るヘンタイ」!?

「尊敬の意を込めて、『夢見るヘンタイ』と呼んでいます」と語る平林氏。

全国各地の地域に、様々な方法で一石を投じている「夢見るヘンタイ」たち。

そんなかれらが集まり、現実をどう変えてきたのか、そして、これからどんな未来を描いていくのか。その過程や展望を、リアルな言葉で聞くことができる貴重な機会となりました。

「この場は採用マッチングではなく、挑戦者が出会う場です。出展事業者、参加者のみなさんも全員が挑戦者です!このイベントがみなさんにとって、貴重な出会いに繋がることを願っています」(平林氏)

オープニングの最後、平林氏は会場にいる人たちの心に「挑戦するぞ!」という意欲の火を灯し、イベントが始まりました。

カラフルなタペストリーが天井からゆらめき、メインステージには市松模様のバックパネルが設置された会場。

今回の会場装飾やチラシのデザインは、多彩な点と点が線になり、自由につながり、流れが生まれるそんな様子を表現しました。フェスの明るく楽しい雰囲気の中で、多種多様な人たちが集まり、そして、つながっていくことをイメージしています。

運営スタッフもまた全国各地から集結。色とりどりの服を着用し、みんなが並ぶとカラフルになる仕掛け。

活気あふれるステージとブース、挑戦者たちが地域の魅力に迫る!

出展事業者一覧

本イベントには、北海道から瀬戸内海に浮かぶ島まで、ローカルの最前線で活躍する日本各地17の地域の企業・自治体が東京に集結しました。WHEREイチオシの自治体・事業者が集うと、「全部気になるけどすべてのブースを回る時間がない」のが悩みどころです。

そこで、メインステージでは、出展事業者が「地域商社・マーケティング」「教育・人材開発」「観光・まちづくり」の3つのグループに分かれて、5分間で事業内容や事例、創業の想いなどを紹介するローカルプレゼンテーションが設けられました。

「何もないけど何でもある」をモットーに、キャンプ事業や宿泊事業を展開するVILLAGE INC.のプレゼン。

地域の資本や課題に合わせてユニークな事業を展開する事業や地域の魅力を、たった5分で語るのは至難の業。出展事業者が各々に想いを込めたアツいプレゼンに、参加者は真剣な眼差しで、時には深く頷きながら聞き入っていました。

全国各地の地域活性に関わる事業を、一気に知ることができる充実の時間に。

ネット検索でも一挙には見つけづらい、アツいローカル企業や自治体に情報に出会える、ローカルプレゼンテーションはまさにこのイベントならではの価値となりました。

メディアやホテルを手がける株式会社自遊人も出展し、新メンバー募集を呼びかけた。イベント内で、20名以上の参加者とのカジュアル面談が実現したという。
飛騨の食材に特化した通販サイトの運営、商品プロデュースなどを行う株式会社ヒダカラ。代表自ら、参加者と面談している様子。

会場には、気になる出展者に積極的に話しかける参加者の姿、そして机を挟み、5分間のプレゼンでは語り切れなかった地域の魅力を、目一杯伝える出展事業者の姿も見受けられました。会場にいる挑戦者たちのエネルギーが満ち溢れ、活気ある空間が生まれていました。

株式会社HONEのブースには「代表と10分間お話できます」というパネルが提示され、オフラインイベントならではの特典に参加者が集まった。
長野県根羽村のブースは、事業に関連する森林をイメージした装飾が施された。木々とともに、車で5時間かけて東京まで運転されたそうだ。
「あなたがローカルでやってみたいことは?」をテーマに自身の想いを付箋に書くワークショップ。ローカルで実現したい夢、ローカルにかける願いが集まった。

「一緒に食べて飲む!」それがローカルに関わるはじめの一歩に

トークセッションの中では、出展事業者のみなさんから共感を得たローカルでは一緒に食べて飲んで仲良くなって物事が上手く動く」というキーワードが出ました。そんなセッションの1時間後、まさしく実践の場となる懇親会が用意されていました。※トークセッションにつきましては、別途レポート記事を掲載予定です。

懇親会会場の真ん中には「チカバキッチン東京八重洲」による、食とのセレンディピティー(素敵な出会い)を演出する地域産品を使った10品の料理のほか、全国各地の果物を使ったドリンクも並んだ。

つい先ほどまでは、ブースの机越しに出展事業者と話していた参加者も、ドリンク片手に肩を並べて語り合います。今日この場で繋がった出展事業者・参加者同士がフラットに話をする様子が伺えました。

ここでの出会いをどう繋げるかは、アナタ次第
そんな言葉で場は締めくくられ、それぞれが熱い想いを胸に会場を後にしました。

地域で働くことの新たな視点や考えを知った、参加者のビフォーアフター

最後に、「ローカルしごとフェス」に参加していた3名の方にインタビューを行い、参加の経緯やローカルで関わる想いや展望を伺いました。

まずお話をお聞きしたのは、インタビューライターとしてローカルでキャリアを歩みたいと思い、勉強中だという小野寺真理子さん。

小野寺真理子さん / 東京都出身。WHEREが開催するインタビューライター講座の7期生として現在受講中(受講期間:2024年12月20日〜2025年4月29日)。

小野寺さんがローカルと関わりたいと思ったきっかけは、父の実家がある山形県の田舎まちに訪れたことでした。夏休みに遊びに行く際、過疎化が進むまちの様子を目の当たりにして、山形県に貢献したいという想いが強くなったと言います。

これまで広報・マーケティング職に従事してライティングの業務を行ったことから、 今までのスキルを活かし、インタビューライターとしての道を志しました。

「今回のイベントに参加して、移住に限らず、東京にいながらも地域のためにできる仕事もあるかもしれないと感じましたローカル企業の方に事業の仕組みや雇用形態を直接話を聞くことで、多様な関わり方があることに気づき視野が広がりました。

また、出展事業者さんが『ローカルで仕事をするうえで大切なのは、目の前のことをやり続けることだ』と言っていたのが印象的でした。今、インタビューライター養成講座を受講していますが、受講するうえでインタビューライティングのスキルを身に付けるだけでなく、失敗を恐れずに取り組み続ける姿勢を持ちたいです」(小野寺さん)

小野寺さんのように地域との関わり方の視野を広げる機会となった参加者のほか、地域で新たな事業を立ち上げようと奮闘する挑戦者も多く参加していました。

本イベントに能登から足を運んだという笠原さん。

2024年の夏に震災ボランティアで能登を訪れたことをきっかけに、現在は石川県珠洲市を拠点に合同会社を立ち上げました。

「地域のキーパーソンはどんな風に地域を活性させ、どんな思いで盛り上げていこうと思っているのか、とても興味がありました。共感できる部分だけでなく、新しい事も知りたいと思い、本日参加しました(笠原さん)

笠原 美怜さん / 福井県出身。大学を休学し、現在は石川県珠洲市で合同会社焼塩エイミーを立ち上げ、能登を拠点に事業を展開している。

続けて、地域にある価値や自身の活動を金銭的な価値に変えるために、情報収集をしているという島貫さん。「ローカルしごとフェス」の開催情報は、LOCAL LETTERのメルマガで知ったと言います。

島貫陽平さん / 生まれ故郷の山形県飯豊(いいで)町の活性化に向けて、昨年愛知県からUターン。現在は、全国各地でプロボノスタッフとして関わる。

「今はプロボノとして地域に関わっています。これまで、地域の教育やコミュニティなどのプロジェクトに参画しました。コミュニティや人などに価値を感じていますが、一方でお金が回らない領域だと感じています」(島貫さん)

価値ある取り組みを、持続可能な事業へ繋げるための手がかりを得るために参加した島貫さん。イベントを通し、ある変化が生まれたと言います。

「出展事業者の方の話を聞き、やれることはとりあえずやってみようと強く思いました。自分の大事にしたいことを忘れずに行動し、振り返ってみる。そうすると自分の成し遂げたいことが形になるのではないかと、勇気をもらいました。

できることはやってみようという気持ちで行動して、経験を積んでいきたいと強く思います。まずは、自分のふるさとにある価値をお金に変えていけるような事業を作っていきたいです」(島貫さん)

また、笠原さんは自身が珠洲市で活動するうえで大切にしているものに、改めて気付くことができたと言います。

「出展事業者の方々との話の中で、自身の事業の悩みや課題を共有できただけでなく、アプローチ方法もたくさんあることを学びました東京に来たから分かる地域にいると見えないこと、そして移住したから分かる地域にいないと見えないこと、どちらの視点も大事にしたいです。

珠洲市に移住するきっかけを与えてくれたのは、人であったことを絶対忘れたくないですし、これからも珠洲市の人たちが笑顔になれるように、事業を通して貢献していきたいです」(笠原さん)

おせっかいものとして、ローカルと人材を繋いでいく

株式会社WHEREでは、地域活性に特化したキャリア開発アカデミーを開講しています。1年間で350人以上の受講生を迎え、47都道府県で卒業生が活躍中です。

今増えつつある、地域活性を仕事にしたいビジネスパーソンたち。そして、地域に根ざし、社会性と経済性の両輪を回す成長企業・変革していく地方自治体

「ローカルしごとフェス」は、この両者が出会い、繋がり、新たな一歩を後押しする場となりました。

引き続き、地域とローカルで働くことに興味のある人たちを応援し、ご縁を作り出せるように第2回目の「ローカルしごとフェス」開催を予定しております。

WHEREと一緒に、日本を、ローカルを盛り上げてくださる挑戦者のみなさんを心よりお待ちしております!

Editor's Note

編集後記

スタッフとして参加した「ローカルしごとフェス」は、終始、熱気に満ちていました!どの出展事業者さんも魅力的で、全ブースを回ってお話を聞きたかったです。この日、新たに知った地域が多く、訪れたいまちが増えたため、まさに「セレンディピティ」を体験した一日でした。今後、地域を訪れる際には、地元の方と地場グルメや地酒を楽しみながら交流し、ローカルの魅力を発見したいです。

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