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コラボしたいクリエイター募集!偶然の出会いから6年もの推し活へ「宣伝職人」が語る、鋳造の町・高岡の魅力

SEP. 20

拝啓、「高岡?え、飛騨高山?」と一瞬思ってしまった、富山県高岡市の若手職人チームをまだ知らないアナタへ

※本記事は「だれでも送れるレター」の企画を通じて、読者の皆さまから投稿いただいた記事となります。

銅器づくりで国内シェアの90%以上を占める、“ 鋳造(いもの)の町 ”として江戸時代から発展してきたまち、富山県高岡市

身近なところでいえば、小学校によくある「二宮金次郎像」や、新年に響く「除夜の鐘」。その多くが「高岡銅器」でつくられているんです!また、富山県高岡市といえば「高岡漆器」も有名で、これらの技術は国が指定している「伝統的工芸品」でもあります。

そんな富山県高岡市を拠点に1973年から続く『高岡伝統産業青年会』(通称:伝産)。

80代でも現役!といわれる職人界で、まだまだ若手とされる “39歳以下の職人や問屋” が集い、まるで部活動のような熱量と活動量で “高岡の職人や技術を宣伝する部隊” として、企画展やイベントを開催しています。

“伝統やしきたり” を “新しいチャレンジ” で表現したユーモア溢れる企画で、伝統産業とまちを盛り上げる『伝産』

そんな彼らの、ハマると抜け出せない(!?)魅力と、挑戦を楽しみ尽くすユニークな企画の数々の源に、6年ハマり続けている『伝産』の広報マン・五来未佑さんが迫りました。

一人旅中にたまたま訪れた “人たらし”なまち・高岡のファンに。6年間通いつめ、ついには、高岡伝統産業青年会の宣伝職人へ!

就職活動をはじめ、人生における大事な決断のときにはいつも「誰とやるか」が判断軸だった私。そんな中、富山の知り合いを訪ねる一人旅中に途中下車し、たまたま訪れたのが高岡でした。偶然の出会いが旅の醍醐味だと思っていた私は、泊まるところも、何も決めずに町を散策。そんな状況を聞いて宿を探してくれたり、地元の人を繋いでくれたのが、当時の伝産メンバーだったんです。

それをきっかけに、次々に出会う職人たちの人柄に惚れ込み、気づけば6年間 “ただの高岡ファン” として、イベントや飲み会に参加するために高岡に通うほど。いつ行っても「おかえり」と、ファンが一番言ってほしい言葉をかけてくれる、いい意味での “人たらし感” が高岡にはありますね

また、飲み会やイベントでは、周りを巻き込みドッと盛り上げる話術があり賑やかなのですが、昼間の工場・工房を訪ねると、うって変わって真剣な表情ですごくかっこいい仕事をしている彼ら。そのギャップに完全にノックアウトされました。今思うと、完全に推し活です(笑)。

職人といえば無骨な雰囲気があったり、口下手だったりするけど腕は確か……という勝手なイメージがあったのですが、高岡の職人たちは、とにかく話上手。その理由の一つに、都市部での大学や就職生活を経て、Uターンで家業を継ぐ人が多いこともあると思います。

職人さんたちに前職を尋ねると、ITエンジニア、テレビ制作ディレクター、はたまたホスト経営者など(!)大胆な転身を経て、職人として生きている人が多いことも、彼らの職人としての深みや面白さの背景にあるはずです。

職人インターンシップや、工場見学YouTube、ブランドコラボまで。 “伝統やしきたり” を “新しいチャレンジ” で表現。

『伝産』の活動では、主に高岡の伝統技術を外に向けて発信する場や機会づくりを毎年何本か行っています。過去には海外での技術展や講演会、映画製作、BEAMS等ブランドとのグッズ・展示のコラボレーションなども実施。対外的な発信だけでなく後継者を育てる企画として、美大生を対象にした職人インターンシップの実施や、職人同士の技術勉強会なども行いました。

コロナ禍では職人たちがカメラを担ぎ、編集技術を習得してオンラインツールを活用した伝統工芸品のセミオーダー企画や、YouTube番組での工場見学、職人ドキュメンタリーの製作なども実施。伝統技術や職人を1人でも多くの人に知ってもらうための活動をしています。

これらの活動は、伝産メンバーの自由な発想や表現から生まれてくるのですが、“伝統やしきたり” を“新しいチャレンジ” で表現していくプロセスでは、応援しながらも心配してくださる地元の方からのご意見やお言葉をいただくこともしばしば。

その都度「自分達が本当に伝えたいことは何か?」「どう表現するのが誰も傷つけないのか」と想像以上に丁寧にメンバーで話し合い、模索しながら表現を続けています。

ご先祖様や先輩職人たちが磨き上げてきた伝統技術への敬意は大前提としつつ、どうしたらより多くの人に伝わるのかを考えていくことが難しさでもあり、面白さでもあると、みんなで日々張り切っています。

長引くコロナ禍で工場見学バスツアーがストップされ、多くの出会いの機会が失われてしまったことを背景に生まれた “動画見学バスツアー” 。仏具のまちだけに「冥土のおみやげ」と題し、「あの世までもっていきたくなる宝物」や「一生モノを超える逸品」を作ってきた富山県高岡市の職人たちを紹介するという、ユニークな企画。

販売額は縮小。衰退を嘆くのではなく、面白さや驚きに焦点を当てる “茶目っ気とユーモア” こそが、高岡の職人たちの魅力。

高岡の伝統産業の主力である「高岡銅器」の2020年度の販売額は、約95億9千万円。高岡市が販売額調査を始めて以来、初めての100億円割れとなり、業界にとって大きな節目を迎えています。『伝産』の会員数も現在は40名弱ですが、2年以内に約半数になる見込み。こうした事実からは、伝統産業が衰退の一途をたどっているように見えますが、落ち込んでいるばかりではないんです。

『伝産』の面白いところは「業界が縮小しているから」という課題を伝えるのではなく、「とにかく、こんなことしたら面白くない?もっと沢山の人に届くんじゃない?」という発想を中心に “スーパーポジティブ” に企画を作っていくところ。

課題に共感してもらうのではなく、面白さや驚きに心を動かしてほしいという、ちょっとした茶目っ気とユーモア、そして気概が職人たちにあるからこその表現方法だな、といつも感心してしまいます

『伝産』のメンバーをみていると、なぜだかこちらも釣られてワクワクしてくるのは、高岡にファンが多い理由の1つかもしれません。『伝産』の活動をみて「伝統産業ってこんなに自由で、面白くて、可能性があるんだ!」と思ってもらえたら最高ですね。

伝統産業とクリエイターが出会い生まれる “化学反応” と “挑戦” を楽しむ、「伝産デザインマッチング」が今年も開催!

そんな『伝産』が昨年取り組んだのが、デザイナーや作家のデザインと高岡の伝統技術をマッチングし、新商品開発をするプロジェクト「伝産デザインマッチング」。

昨年本プロジェクトを通じて生まれたのは、6つもの新商品のプロトタイプ。デザイナーさんの「こんなものを作ってみたいんだけど、できますか?」というアイデアを元に、オンラインや現地での打ち合わせを経て、数ヶ月をかけて開発していく企画です。

2021年の「伝産デザインマッチング」を通じてうまれた新商品たち。

『伝達』では、昨年に続き今年も、9月頃を目処に「伝産デザインマッチング」の公募を開始する予定。

「これまでアイディアはあったけれど、実現する方法や工場が分からなかった」というデザイナー・作家・企業の方はもちろん、「ものづくりだけでなく、こんなプロジェクトを一緒にやってみたい!」というアイディアも大歓迎です。

多少チャレンジングなことでも面白がって、一緒にものづくりに取り組む職人チームが、高岡にて皆さんをお待ちしています!(県内外からの『伝産』会員も募集しています!)

<この記事を投稿してくれた人>

株式会社worg
五来 未佑さん

“会社が育つ広報を”をコンセプトとして企業や個人、地域と伴走する株式会社worgの創業メンバー。1990年埼玉生まれ。バックグラウンドに東京海洋大学での研究経験あり。大学卒業後、新卒一期生として株式会社CRAZYに入社。ライフワーク(推し活)として富山県高岡市のまちのクラフトイベントや伝統産業の広報を担う。2021年より若手職人チーム、高岡伝統産業青年会にて宣伝職人として活動中。お酒も、飲み会も好き。

ひょんな出会いからまちのファンとなり、6年間もの “推し活” を通じ、ついには『伝産』の宣伝職人となった五来さんから届いたレター。

彼女の熱い思いと、職人たちの気概が重なりあい、生まれる企画が今後も楽しみです!

「伝統産業」という技術だけでなく、挑戦を楽しみ尽くす『伝産』の “思い” とコラボしたい方は、ぜひこちらまで。

 

素敵な商品やプロジェクトが生まれることを編集部一同たのしみにしております!

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