地域創生
※本レポートはPOTLUCK YAESU様、株式会社SHIFT PLUS様のスポンサードによって行われた、地域経済活性化カンファレンス『SHARE by WHERE』の1コンテンツ・ローカルプレイヤーセッションを記事にしています。
一躍ブームとなったクラフトビール。その土地でしか味わえない感動に「旅行や出張の楽しみ!」という方も多いのではないでしょうか。
そんな中で今回お届けするのは、ビールづくりをアイデアに地域課題に向き合った濱田祐太さんの事業アイデア。
「地域に戻ってきたくなる仕事づくりを!」と走る濱田さんの本気の想いとはーー。
濱田:僕は京都府与謝野町で生まれ育った26歳です。大学生で起業をし、地域活性化に取り組んでいます。活動を始めたきっかけは高校時代の地域活動。地域に飛び出してみることで、地域の課題や魅力を知り「この地域の活性化に貢献していきたい」と思ったことが今の事業に繋がります。
濱田:大学時代では政治家の事務所で働いたり、市長の鞄持ちを通じて全国各地の視察に行きました。そこで感じたのは「政治や行政の力も大事だけど、ビジネスが地域を変えていくんじゃないか」ということ。
濱田:「ビジネスが重要」と感じる一方で、ぶち当たったのが「地元に仕事がない」という問題でした。「地元で働く」といえば、思い当たるのは公務員か銀行員ぐらいという状況に、だったら「自分たちが旗振り役となって、働きたいと思えるような仕事を地元につくろう」という思いで、ローカルフラッグという会社を立ち上げました。
濱田:会社立ち上げ当初は、行政や金融機関と一緒に研修事業を行ったり、(与謝野町が西日本随一のホップ産地ということから)ホップの収穫体験プログラムを開催したりと、地域コーディネーターとしての活動をしてきました。しかしながら「自分たちで仕事をつくることが大事」という課題意識を持ち始め、クラフトビール事業をスタートしました。
濱田:地元で生産されているホップをつかったクラフトビールづくりの過程で、地域の環境課題になっている「牡蠣の殻」を活用できないかと、牡蠣の殻をクラフトビールの醸造に使用する『ASOBI』をまずつくりました。
濱田:最初はクラウドファンディングで小ロットの販売からスタートしましたが、今では缶ビールとして首都圏・関西圏のスーパーなどで取り扱いを開始しており、全国100ヶ所以上で販売。今後はナチュラルローソンでの採用も決定しています。1年目は年間3,000リッターの製造でしたが、3年目には約30,000リッター(缶ビールで10万本ほど)の出荷量となっています。
濱田:出荷数が増えてきたことで「一緒に働きたい」とお声掛けいただいたり、「応援したい」と出資をいただいたりするまでに成長しました。
その一方で僕らはクラフトビールづくりだけではなく、自分たちでの仕事づくりと地域づくりの両方の取り組みが大事だと考えているため、クラフトビールづくりをしながら、地域コーディネートができる会社でありたいと考えています。
濱田:私たちの今後の展望ですが、私たちの町・与謝野町に一つしかない「与謝野駅」をまちの玄関口として、地域再生に貢献したいと思っています。現在駅から徒歩10秒のところに土地を買い、自社ブリュワリーを建築中。新商品の小ロット開発やビールの試飲体験、地域コミュニティになるような場所づくりを実施しようと考えています。
濱田:今後、仲間を集めたいのが、ローカル線の成功事例として一緒に与謝野駅を盛り上げませんかということ。与謝野駅は京都から特急で1本なのですが、空き家が多いため、一緒に盛り上げてくださる方を募集しています。
「ホップの町からビールの町へ!地域に戻ってきたくなるような仕事づくりを」という想いをリアルに実現させている濵田さん。
その想いは自社だけに完結せず、「町づくり」として一緒に与謝野駅の開発をしてくださる方や、出資してくれる方を募集しているのだとか。
人々を巻き込みながら、地域の旗振り役として邁進し続ける濵田さんの活動に注目が集まっています。
Editor's Note
地域に戻ってきたくなるような町づくりをキーワードに実際に人を集め続けている濵田さん。ホップづくりからビールづくりへと展開されたことで、より一層他地域との繋がりが多くなったようです。これからも濵田さんの活動に興味津々です!
YURIKA YOSHIMURA
芳村 百里香