IBARAKI
茨城県
一緒に茨城に行って現地を見てまわり、
そこでどんな働き方ができるのか
参加者全員でワークショップ形式で考えるというこのツアー。
向かったのは茨城の奥座敷、茨城県常陸太田市と、
前回の滞在時に訪れた久慈郡大子町。
東京から2時間と少しで行けるのに、
どこも自然豊かで、里山アクティビティが豊富。
おいしいお米や果物の栽培も盛んな地域だった。
ツアーの内容は、
町の視察とグループでのワークショップがセットになっている。
1日目は、茨城県常陸太田市の「里山ホテル ときわ路」にて
2日目は、先月1週間滞在した大子町にて
視察とグループワークを行った。
ワークショップは、
10人を5名ずつのグループに2つに分け
「その場所に、月1回以上自分が訪れるために、」
と言う問いを元にメンバーでアイディアを出し合い
最終的には、その場所の関係者の前で
5分ほどのプレゼンテーションをする。
観光と言うより、タイトルにある「視察」という言葉が
本当にしっくり来る。内容である。
もちろん観光要素も多くあったが
ただ見るのではなく、
見る行為の先にはしっかりと目的がある。
だから「視察」という言葉が合う。
その目的は、いつもとは違う確度で
町を見るきっかけとなった。
参加者も、東京からの10名の参加者のみではなく
県・町・商店街・まちおこし隊
いろいろな人達が参加してくださった。
そんな現地のみなさんと
会話を重ねることで見えてくる
その街の魅力と浮かび上がる現状・課題。
そこに生きる人のリアルな声が
私たち参加者を「ここで生きる為に」というゴールに
一気に本気にさせてくれた。
このツアーをファシリテーションしてくれたのは
株式会社シゴトヒト 代表取締役ナカムラケンタさん。
ケンタさんがワークショップの際に
話してくれた言葉が私はとても印象的だった。
「議論する時に、誰か・ターゲットではなく
“私は”それがあれば来るのか?という基準で考えてほしい。
結局誰か、という視点は弱くて、意味がないから。」
本当にそうだと思った。
ついつい議論をしていると
自分たちではない誰かの仮想の話をしてしまう。
それは、考えるビジネスモデルや仕組みの
現実性を弱くするだけではなく
私達の「働き方を考える思考」も弱くする。
このツアーで考えるべきは、
誰かの働き方ではなく
“私の”働き方なのだ。
働くママ、単身者、若い人は、
主語がどんどん広がっていってしまう。
その分、自分と働き方の間に距離感ができる。
「自分」という最小の主語で考えるから
働き方・場所・自分が一直線に繋げられるのだと
1回目のプレゼンテーションを実際にしてみて思った。
ビジネスモデルや仕組みを作ることが
ついついゴールになりがちなワークショップ。
「そのビジネスや仕組みがあったら
自分たちの働き方はどう変わるのか?」
が本質的な問いである。
そんなメッセージをその言葉から受け取りながら
ワークショップは進んでいった。
大変楽しく議論し
結構ガツガツ意見やアイディアを出し
何でも全力でしないと気がすまないので笑
かなり真剣に考えさせてもらいました!
その中で、私は大きな課題に直面もしました。
それは、私がかなり自由に働いている分
一般的な会社での実現の難しさが、
正直わからない!ということ。
実際もうすでに2拠点生活を
会社にいながらあっさり叶えてしまっているし
実現に至る障壁も一切なかった。
みんなに、「すごい!」「いい会社だね!」と言われるが
自分の会社(株式会社CRAZY)では、
自分の働き方を自分でデザインし、
会社に提案することは当たり前でピンとこない。
私は5年前の創業前からこの会社にいて
新卒として入社しているため
他の会社と比べることもなく
私のスタンダードは今の会社の基準そのもの。
でも、こうして多くの人話してみると
私のスタンダーは、みんなのスタンダードじゃない。
そんなことがたくさんあった。
会社の規則を変えることがいかにハードルが高いのか
「じゃあ、やったらいいじゃん!やっちゃおうぜ!」と
言う言葉に返ってくる
みんなの絶妙な表情から読み取れた。
町の努力以上に、会社の努力が進むかが
2拠点や移住の推進、
ひいては地方の活性化の肝になると感じた。
では、私達の会社(株式会社CRAZY)はどのように
働き方をデザインしているのか?
子育てをしながらも働きたいママは、
週3日在宅勤務・1日出社というスタイルを提案し
今もそのように働いている。
子供と一緒にはたらきたいというママの為に
ベビーシッターを会社で雇い
託児所まで創ってしまったり。
そんな意思決定が、
たった1週間ほどのスピード感で決まっていく。
他にも
・子供送り迎え
・両親の介護
・自分の病気と上手に付き合うために
みんなが提案をし、働き方を自分でデザインしている。
規則/ルールと自由のバランス。
きっとどの企業も悩むポイントではないでしょうか?
ルールは、もちろん大切。
でも、「人生で大切なものを大切にして生きること」以上に
重要な規則なんてないと、私は個人的に思うのです。
規則を固く決めてしまうから
「会社のせいでできない」が生まれる。
でも、ルールが変化できることを
社員がちゃんと理解していたら、
「今はできないけどできるように提案しよう。」という思考になる。
大切なものを大切に生きるためには、
ルールは一生「仮」のままがいいと個人的には思うのです。
固く決めてはいけないとすら思います。
「今」に合わせて、「人」に合わせて
ルールだって変化し続ける。
そして、変化できることを社員に伝え続ける。
企業としてその努力が大事だと思っています。
私は、会社の組織文化を担当していて
上の文章で言う「伝え続ける」という部分を担当しています。
この会社の考え方・経営哲学を
社員が100人になっても、どうしたらみんなが持ち続けられるのか?
自分の人生を手放さない働き方ができるのか?を
日々考え研修を考案したり、
全社総会を企画設計したりしながら
この大きな考え方をあの手この手でメンバーに発信しています。
だからこそ、会社の柔軟性に対する違いは
大変興味深かった。
何が良くて、何が悪いという話ではなく
地域の復興・移住・2拠点生活の促進という側面だけを捉えると
そういった会社の柔軟性が最大の障壁となると感じたからです。
素直に、それを飛び越えるために
会社が「変化」を選んでいけると
いいなと思うのです。
2拠点生活は実際に挑戦してみて
ツールが進化した今、遠隔での支障は殆ど無い。
こうして場所を変えることで思考が開け
集中できるなど、企業側のメリットもたくさん感じます。
場所を変えることで、生産性が向上するだけではなく
この仕事はどこでやるのが良いのか?
そう考え仕事を綿密にプランニングすることで
成果を出すための環境を自分で整えることができる。
プランニングの質が、時間という軸と
場所という軸の2つができ
より精度が上がる、そんな感覚です。
また、仕事も、今の仕事プラスαで
地域の仕事ができるイメージも
このツアーで湧きました。
職場という、コンフォートゾーンを抜け出して
新しいアウトプットの場所を持つこと。
東京では出せない力を、
2拠点生活の場所で試してみる。
そんな挑戦体験を積むことは
今の仕事でもコンフォートゾーンを抜けて挑戦する
足がかりにもなると思う。
東京で始めるよりも金銭的にも、サポートの充実度的にも
ハードルが低く、企業や副業を考えている若い人にお勧めしたいし
私自身何かこの地域と面白いことができたらなと
関わり方を模索中でもあります!
今回の2日目のプレゼンテーション内容は、
現実性が高いので選択肢の一つとして
今後さらに突き詰めて考えてみたいと思います♫
このツアーに参加しながら
町や地域がどんなに環境を整えることに本気で取り組む中
東京の会社自体が変化しないと
きっと人は入ってこなくて
その努力が報われることはない。
そんなことを思い、
今回は「会社を動かすこと」という切り口で地域を考えました。
また別の切り口でもこのツアーに関しては
記事を書きたいな。
お世話になったみなさんありがとうございました!^^
YUKIKO KOMORI
小守 由希子