協力隊
地域課題を解決する糸口になるアイデアがほしい!そんなアナタにお届けしたいのが、山梨県が主催したセミナー『KENPOKU PROJECT E 公開作戦会議#4』の様子。
『KENPOKU PROJECT E』とは、茨城県北地域をフィールドに起業型地域おこし協力隊として、持続可能なビジネスに取り組むプロジェクトで、現在20名の地域おこし協力隊員(Eメンバー)が独立に向けて活動をしております。
今回、前後編に分けて合計4名の地域おこし協力隊(Eメンバー)によるピッチを実施!
前編では「アボカド」「移動販売」のアイデアを共有いただきましたが、後編では「ローカルメディア」「マッチングプラットフォーム」についてのアイデアや、アイディアが生まれた地域課題をお聞きします。
永松:2022年5月に、起業型地域おこし協力隊として日立市に移住した永松です。「ローカルメディアの力で県北地域の社会課題解決へ!」というコンセプトの元、クリエイティブオフィス『monotalk studio』の運営をし、主に行政のPRや企業ブランディングの事業に取り組んでいます。
永松:一番最初にピッチを行った赤羽(前編記事:起業型地域おこし協力隊の事業案を紹介!地域課題を解決する起業とは)とは楽天時代の同期でして、「地域おこし協力隊になるのはちょっと勇気がいる…」と思われている方は、会社の同期を巻き込んで、一緒に挑戦するのも一つの方法かもしれません(笑)。
永松:クリエイティブディレクターの仕事を一言で表すと「感情を動かすことによって課題を解決する仕事」だと思っています。
茨城県常陸太田市から「魅力が伝わるPR動画をつくってほしい」と依頼を受けたことがあるんですが、ただ単にPR動画をつくっても大した効果はないと思い、相手の話をよくよく聞いていくと、「旅行会社の目に留まるような動画をつくって、たくさんの人に来てもらいたい」という本質に行き着いたんです。
永松:当初はよくあるPR動画の依頼でしたが、旅行会社の目に留まる動画にするなら、もっとぶっ飛んだ作品がいいんじゃないかと企画作成したのが「市長をバンジーからふっ飛ばす」という動画。1週間で合計1.4万回再生にもなり、とても素晴らしいPRになったと自負しています。
永松:今まさに「地域をもっと面白く」をキーワードに活動している最中ですが、今年から挑戦することになっているのが、ラグビーチームの運営。
永松:平均年齢24歳というすごい若いチームですが、日立市とホームタウン協定を結びました。
「ちびっこたちにもラグビーに触れてもらいたい」という想いがあったのですが、そもそもラグビー環境がないということで、クラウドファンディングを行い、2024年6月ごろにラグビーグラウンドか完成する予定です。市民の憩いの場として、日立を盛り上げるプロジェクトを進めています。
三牧:2022年12月から『KENPOKU PROJECT E』に参加した三牧です。他のメンバーよりも参加が遅いのですが、プロジェクトに参加した同月に株式会社シンカゼを立ち上げました。
三牧:今日はアイデアピッチなのですが、会社を立ち上げたばかりで実績がまだないため、「なぜ会社を立ち上げようと思ったのか」「何をしようとしているのか」に重点を置き、お話したいと思います。
三牧:まず、地方創生に興味をもったきっかけは、僕自身が “とある数字” に危機感を覚えたことからはじまります。その数字は、2045年に秋田県の65歳以上の人口比率が50%を超えるというもの。
都道府県単位で半数以上が65歳以上になる国を想像をすることができず、危機感から地方創生についてインプットするようになりました。
三牧:もちろん少子高齢化については国がいろんな施策を出してはいますが、やはり自分で体感してみないと実態がわからないと思い、地方のリアルを知るために副業を試みました。
ここで驚いたのが、副業の案件の少なさ。ITやクリエイティブに関する副業はたくさんあるのですが、マーケティングや営業といったビジネス系の案件が非常に少ない。その結果、副業求人に応募が殺到してる状況が生まれていました。
さらに気づいたのが、報酬0円の求人にも応募が殺到していたこと。ここからお金という成果ではなく、地方のために貢献したいというニーズがあると気づきました。
三牧:その後、ご縁があってとある地域企業と一緒に仕事をすることになったのですが、経営者の方々の頭の中には「こんなことがしたい」「これに困ってます」といった課題や要望は持ってはいるものの、経営者の頭の中だけに課題を抱えており、オープンにされていないということに気がつきました。
三牧:さらに、ニュースで読んだ事例なのですが、地方資材のメーカー社長が、閑散期に「仕事がないのでどなたか知恵を集約できないでしょうか」とTwitterでつぶやいたところ、国内外からアイディアが集まり、5ヶ月後に新商品が生まれたとのこと。
「悩みを発信をすることでアイデアが集まる」つまりは、課題はオープンにしないと周りに伝わらないということも知りました。
三牧:これらから「僕が社会のために出来ることは何か」を考え発案したのが、企業の困りごとと支援者をマッチングさせる「Otanomi(オタノミ)」というサービス。
三牧:「新規事業の立ち上げをしたいけど、何から始めたらいいかわからない」ということを『Otanomi』に提示をいただき、それを見た支援者がアイデアを持って応募をいただく。従来のように企業が人を探すのではなくて、支援者が課題を探すサイトを考えています。
三牧:このプロジェクトを通して成し遂げたいことの一つ目は、関係人口の創出です。『Otanomi』を活用していただくことで、日立市との関係人口を増やしたいと考えています。
成し遂げたいことの二つ目は、課題のオープン化を当たり前にする社会の実現。そして三つ目が、誰もが気軽に挑戦できる場の提供です。今後、実用に向けて始動する予定なので僕のアイデアで地域の課題解決に貢献したいです。
Editor's Note
「こんなことを解決したい!」。その想いからアイデア化された地域おこし協力隊のビジネスプラン。実装される日が待ち遠しいです!
YURIKA YOSHIMURA
芳村 百里香