MIYAGI
宮城
自分のことなのに、話しているとなぜか自信がなくなってしまう。
自分のことなのに、相手に伝わらないと思うとどんどん考えが変わってしまう。
自分のことを話しているだけなのに、なぜか涙が出てしまう。
そんな風に、自分にイマイチ自信を持てない、そんなことはありませんか。
これは全て最近の自分のこと。人と比べてしまうが故に、人の反応を伺ってしまうが故に、自分のことを認めることができない。そして、自分は何者でもない、と焦ってしまうのです。こうした気持ちに少しでも共感してくれる人はいるのではないでしょうか。大学4年生の夏を迎え、株式会社WHERE*で採用インターンをしたこの1ヶ月。
*株式会社WHERE…「誰もが心に豊かさを持つ世界を」とビジョンに掲げ、ローカルで活きるスキルを身に着ける各種講座の開講や、本メディア「LOCAL LETTER」を運用している。
「他の人と違う何者かにならないといけない」と焦り続けた私が、ちょっとでも似た境遇にいるアナタに、このインターン期間にもらった言葉や経験をお伝えします。
私のように息苦しく過ごしてしまうアナタがここで息をついて、よし、歩き出そう、と思えますように。
アナタも、そして私も、もっと自分を認めることができますように。
大学4年生までの21年間、私は大きな挫折を経験したことがありませんでした。勉強も部活動も大きな結果を残す事はできなかったけど、大きな失敗をすることもなかった。
そんな私が人生で初めて挫折したのが就職活動でした。頑張れば結果がでる勉強や部活動と違って、就職活動はそう簡単に結果が出るものではありませんでした。
大学生活では、祭りの実行委員を担うほか、観光施設で1年以上のインターンシップにも参加。大学3年生の春は、都内で行われた「SHARE by WHERE」にプロボノスタッフとして参加するなど、どちらかというと学外での活動をしてきた方なのに。
なぜ私の就職活動が上手く行かなかったのか。
それは、私のしてきた活動の目的が「行動すること」になっていたからだと思います。
行動することがゴールになっていたため、何か活動をしていても「自分が本当にしたいことは何なのか」を見つけることができませんでした。それが就職活動では簡単に見透かされました。
なんとなく行動に意味を付けて、「やりたいこと」と言ってしまう。
そんな面接での受け答えを繰り返す中で、「それは本当のあなたじゃない」と面接官に言われたこともあります。
確かに、私は昔から自分のことがよく分かっていなかった。でも、就職活動を通してさらに、「私は自分のことを理解していないのだ」という確信を強めていきました。
次第に、人に自分のことを話すことが苦しくなっていきました。
そのような状態での就職活動はもちろん上手く行きません。
「私は社会から必要とされていないのかもしれない」
負の気持ちばかりが、私の中に増えていきました。
WHEREでインターンをするきっかけになったのは、2024年7月19日に開催された「SHARE by WHERE in 東海」。SHARE by WHEREとは、全国各地から地域プレイヤーが集まるカンファレンスイベントです。
まさに就職活動に悩んでいた時期に、このイベントに誘ってもらいました。
しかし、会場は愛知県名古屋市。そして、お誘いが来たのは開催の1週間前。宮城県に住む私にとって「行く」と答えることは簡単な返事ではありませんでした。
ですがその時の私は、自分から「行動すること」を取ったらいよいよ自分を嫌いになってしまうと思ったのか、このマイナスな気持ちでいることが正解ではないと思ったのか、迷うことなく行くことを決意しました。
名古屋ではその決意に応えてくれる人がたくさんいました。WHEREに関わる方々は、私の悩みを親身に聞いてくれて、私の良いところを見つけてくれて、そして一緒に答えを探そうとしてくれました。
WHEREに集まる人は私にとって、いつも良い機会をくれる人たちです。
「ここでなら、私はいい機会と、良い人に恵まれた働き方ができるのではないか」。そして、「自分もそんな人になれるかもしれない」と思いました。
そう思った私は、「WHEREに入りたいです!WHEREの選考に挑戦させてください!」とイベントの次の日に連絡。そんな経緯で、1ヶ月間のインターンが始まりました。
WHEREでのインターンが始まってからは、毎日が本当に新鮮でした。
働くって、1日が、1週間がこんなにあっという間に過ぎていくんだと思いました。
1ヶ月という期限付きのインターンシップ。
この中で私はWHEREでの日々の業務の他に、「最終日に“人生プレゼン”をする」という課題を与えられました。
自分が何をしたい人で、何を目指している人なのか。
そして、WHEREにどう貢献できる人かを伝えられるようにならないと。
そんな風に早速気負ってしまった私は、自分の人生を語れる、大事な軸を持っている周りの人に圧倒されてしまいました。そんな人達と比べて、軸の定まっていない自分を恥ずかしく思いました。
仕事はとても楽しいのに、自分のことを聞かれるのは凄く苦しいと感じてしまいました。
毎週1回、社内メンバーとのメンタリングをしては、ご飯に連れて行ってもらっては、泣きながら自分のことを探す毎日を過ごしました。
大好きな人達にもっと自分のことを知ってもらいたいのに、自分のことを伝えたいのに、どうしても自信をもてない、そんな毎日でした。
ですが、そんな私にWHEREで関わる人はたくさんの声を掛けてくれました。
「何か1つのことで1番になるのは難しいかもしれない。でも掛け合わせていくと何かの1番になれるかもね」
という言葉を聞いて、大事なのは持っている自分の要素をどう活かせるか、なのかもしれないと思いました。
「やりたいことを持つことだけが正解じゃなくて、誰とやるかを重要視している人もいるよね」
という言葉を聞いて、私はやりたいことを無理やり見つける必要なんてないんだと思いました。
「WHEREでインターンをするということは誰にでもできることじゃない」
という言葉を聞いて、私がこれまで続けてきたことも間違いではなかったのだと思いました。
たくさん、泣きながら、苦しみながら。
全力で私の言葉と行動に向き合ってくれたWHEREに関わる全ての人たちのおかげで、この1ヶ月の間、私自身も全力で自分と向き合うことができたと思います。
私にとって、この1ヶ月間は間違いなく私の人生に必要なものになったと感じています。
来年の2025年4月に大学を卒業し、社会人になる私は、4月からどんな仕事をしているかまだ分かりません。でもどこに行っても、私は自分のことをどんどん表現していきたいなと思います。
行動することでしか自分を表現できなかった私が、これからは言葉で自分を表現できるようになりたいと思っています。
*追記…2025年4月からWHEREに入社することが決まりました。ぜひ今後のWHEREでの活動も応援いただけると嬉しいです。
私は、この1ヶ月間を通して「自分がしてもらったことを返すこと」が自分の幸せだと定義しました。
この1ヶ月もらってきた言葉や経験を、今度は誰かに与えることで、私が感じた幸せを他の人にも感じてもらいたい。
そんな私が今できることは、私の言葉や行動に全力で向き合ってくれた人達のように、誰かの人生により長く、寄り添える人になることだと思っています。
これまでは自信のなかった自分のことですが、今はちょっとだけ自信を持って話すことが出来そうな気がしています。それはきっと行動をするという選択をし続けられた過去の自分と、苦しくても口に出し続けたこの1ヶ月の自分がいたからだと思います。
自分のことを否定されるのは誰だって怖いし、必要とされないことも怖い。
でも、私は私の言葉で、私を認めてくれる人や、私を必要としてくれる人と出会えるように、せめて自分にだけは自信を持って生きていこうと思います。
Editor's Note
これから就職活動だけど何したらいいか分からない、そんな人にはぜひ「口に出す事」を頑張ってほしいです。
もっと就職活動でいろんな人に自分のことを話せていたらこうはならなかったんだろうなと思いますが、そのおかげで今私はこんな素敵な経験が出来てるんですよね。
苦しんだ人は強くなる!私も!みんなも!!
Minami Shitaya
下谷 みなみ