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LOCAL LETTER

「どうすれば地域で職人として働けますか?」京都の仕事探しのプロに聞いてきた

JAN. 24

KYOTO

「働く@京都の田舎」は、京都から仕事を見つけるプロと、仕事をつくるプロの方をお迎えして、京都で働くということについて伺いました。今回は「仕事を見つける」という観点から京都ジョブパーク UIJターンコーナーで、相談員兼コーディネーターを勤めていらっしゃる岡田さんから伺ったお話をご紹介します。

【イベント概要】
働く@京都の田舎 〜仕事探しのプロが教える。京都での仕事の「見つけ方!」〜
日時:2017年11月22日(火)18:45-20:30
会場:ふるさと回帰センター

やりたいと思っている仕事がそこにありますか?

UIJターン相談員の岡田さんによると、京都に移住を検討している方によく質問をされるのが「仕事はありますか?」というものだそうです。

特に、仕事が多いのは京都市内くらいだと思われる方が多いので、京都の北部と南部に住む方はより心配をされがちのようです。そこで見せていただいたのが、京都府内地域別の事業者数の表。やはり、圧倒的に多いのが事業所数は京都市内にある企業です。

残念ながら、多くの方のイメージの通り、企業は圧倒的に京都市内に多いことがわかります。しかしそれでも北部には17,528、南部にも23,443の事業者数があります。これをどう捉えるかは人それぞれですが、仕事自体はあるのです。

多くの人がする「仕事はありますか?」という質問の本質は、“私がやりたいと思っている仕事がそこにありますか?”ということだと岡田さんは言います。

その場合、仕事を見つける。もしくは、つくるしかありません。ご自身がやりたいことはどちらであるか、見極めをすることに繋がってきます。

あなたにとって大切なのは、仕事ですか?暮らしですか?

移住を希望している方は「ここに住みたい」もしくは「こういった仕事がしたい」など、それぞれの想いがあるものです。そんな中で、移住希望者が最も苦戦する“地域での仕事探しのポイント”を教えていただきました。

下の図は、仕事に「出会う(であう)」までのステップを表しています。

例えば、一口に「仕事を見つける」と言っても、一般企業や公務員、伝統工芸の職人、個人事業主など、数多くの仕事があります。しかし、いずれの仕事に就くとしても「であい」が必要です。

どういう仕事との出会いを欲しいと思っているのかで、情報収集に力を入れるのか、行動することに力を入れるのかなどの行動が異なってくるのです。

一般企業への就職を考えている場合は、求人情報の情報収集が特に大切になります。対して、特殊な専門職は、ご自身で職人さんに会いに行くなどの行動がとても大切です。

京都のイメージらしい、伝統工芸に携わるためのお話を中心にご紹介しました。職人の世界は一般企業で働いていても見えてこないものです。そんな時は専門の方に相談することで、今後必要な活動がクリアになっていきますよ。

伝統文化を受け継ぐということ

では、地域で職人として働きたい、という場合にはどうすれば良いのでしょうか。

いわゆる「職人」と呼ばれている職業は、実務経験の有無が大きな差になってきます。実務経験は就業して積むものだけではなく、専門の学校に通っていたり、趣味としてつくった作品があったりするのも十分な経験として評価されます。

とは言え、実務経験のない方が初めから報酬をもらって仕事をするのは難しいそうです。職人は何かしらのモノを生み出さない限り、お金をもらうことはできない、という厳しい世界なのです。

そして、やる気と根性が一番に求められるので、「ここに骨を埋めます」と言えるくらいの覚悟が必要です。やってみないとわからないこともあるのですが「これをやりたいんだ」と、胸を張って言えなければ、職人の世界に入れたとしても自分自身が辛くなるでしょう。

伝統文化に関わる就職活動で大切なのは、自分で直接職人の方へアプローチすることです。先ほど、出会うステップとして「行動することが大切」という話をしましたが、気になる職人さんに会いに行ったり、工場を見学させていただいたりなど 、実際に職人として従事されている方にお会いして話をすることは必須だそうです。

なぜなら職人の世界は、一般企業とは違って少し特殊な働き方になるからです。「上司」というより「師匠」、「同僚」というより「仲間」、もしくは「兄弟」と考えている職人も多くいらっしゃいます。そのため、職場が合うか合わないかは、非常に大きく働き方に影響していくので、事前にしっかりとコミュニケーションを取っておくことが重要です。

すぐに職人に挑戦するというのも一つの選択肢ですが、まずは職人ではなく、その業界の別の職種から始めるということもできます。

例えば、西陣織などのお仕事で製造工場に真っ先に入るのはハードルが高いので、営業や、販売の仕事など。まずは業界を学び、関係性を構築した上で、職人へ挑戦する意思表示をすると、快くその意思を受け入れてくださることもあります。

(END)

京都のイメージらしい、伝統工芸に携わるためのお話を中心にご紹介しました。職人の世界は一般企業で働いていても見えてこないものです。そんな時は専門の方に相談することで、今後必要な活動がクリアになっていきますよ。

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