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LOCAL LETTER

共通点はビジネスデブ!?「丸の内朝大学」&「こんまり」プロデューサーが語る、ゆるくて曖昧なプロデュース術

JUN. 03

拝啓、「プロデュースする力」をつけたいと思っているアナタへ

2022年5月末、北海道札幌市に全国各地からローカルプレイヤーたちが集まる祭典『EZO SUMMIT』が密かに開催を遂げていた。

主催したのは、北海道を本気で盛り上げようと立ち上がった、北海道経済コミュニティ『一般財団法人えぞ財団』。業界・エリアを超えて活躍する参加者が交わることで、新たな「うねり」を生み出そうと始まった本サミット。

今回はサミット本番当日に巻き起こった「うねり」によって、急遽開催が決まった、日本を代表する「プロデューサー」のスペシャルトークセッションの様子をお届けする。

『丸の内朝大学』や『UDON HOUSE』、『URASHIMA VILLAGE』など数多くの地域プロデュース・企業ブランディングを手がける古田秘馬さんと、世界一有名な日本人『こんまり』こと、近藤麻理恵さんをプロデュースしてきた夫の川原卓巳さんが語った、「プロデューサーに必要な力」とはーー。

プレイヤーとしては続かない自分が中途半端に思えた。意図せずしてなった「プロデューサー」という職業

「プレイヤーとしてやりたいと思う自分もいたけれど、でも続かないんだよね。いろんなことをやりたくなっちゃう。当時はプロデューサーというポジションは知らないし、教えられたこともなかったから、全てが中途半端だとも感じていた」そう、語ってくれた秘馬さん。

「周りから知らぬ間に “プロデューサー” と呼ばれるようになっていた」というおふたりは、自分自身で中途半端さを感じながらも、プロデュース力を磨けた背景には、どんなものがあったのだろうか。

秘馬さん「父親は北海道、母親は九州の出身だったんだけど、どちらも東京に出てきた後アメリカへ渡っていたので、僕には日本の田舎はなかった。地域に関わりたいという気持ちは漠然と持っていた感覚。その後、一時期、ミュージシャンをやっていた時に、長野県の八ヶ岳でコンサートをやる機会があって。とっても素敵な場所なのに、販売しているものはどこでも買えるようなホットドックとか。“もったいない” と思って、こんなのいいんじゃないか?と勝手に提案してやっているうちに、全体の企画も任されるようになったんだよね」

当時の八ヶ岳はペンションブームが終わり、八ヶ岳の魅力は「アート」「自然」「別荘」など、地元でも人によって様々な推しポイントがある状態だった。そんな時、秘馬さんが目をつけたのが “朝” だったという。

古田 秘馬(Hima Furuta)さんプロジェクトデザイナー、株式会社umari代表 / 東京都生まれ。慶應義塾大学中退。東京・丸の内「丸の内朝大学」などの数多くの地域プロデュース・企業ブランディングなどを手がける。農業実験レストラン「六本木農園」や和食を世界に繋げる「Peace Kitchenプロジェクト」、讃岐うどん文化を伝える宿「UDON HOUSE」など都市と地域、日本と海外を繋ぐ仕組みづくりを行う。現在は地域や社会的変革の起業に投資をしたり、レストランバスなどを手掛ける高速バスWILLER株式会社やクラウドファンディングサービスCAMPFIRE、再生エネルギーの自然電力株式会社・顧問、医療法人の理事などを兼任。
古田 秘馬(Hima Furuta)さんプロジェクトデザイナー、株式会社umari代表 / 東京都生まれ。慶應義塾大学中退。東京・丸の内「丸の内朝大学」などの数多くの地域プロデュース・企業ブランディングなどを手がける。農業実験レストラン「六本木農園」や和食を世界に繋げる「Peace Kitchenプロジェクト」、讃岐うどん文化を伝える宿「UDON HOUSE」など都市と地域、日本と海外を繋ぐ仕組みづくりを行う。現在は地域や社会的変革の起業に投資をしたり、レストランバスなどを手掛ける高速バスWILLER株式会社やクラウドファンディングサービスCAMPFIRE、再生エネルギーの自然電力株式会社・顧問、医療法人の理事などを兼任。

秘馬さん「八ヶ岳のね、朝がめちゃくちゃ良かったんだよ。地元の人にいうと、みんな口を揃えて “そうなんだよ、朝がいいんだよ!” ってそこは、こぞって共感をしてくれた。よくよく調べたら、そりゃそうで。八ヶ岳の標高1,000mの気圧って、母親のお腹の中の体圧と同じだから、すごく心地よく眠れるんだよね」

それならばと、秘馬さんは日本一の朝を迎えられる企画『日本一の朝プロジェクト』を考案。しかも土日にお客さんを呼ぶのではなく、金曜日の夜、仕事終わりに八ヶ岳に移動してもらい、土曜日に最高な朝を迎える仕掛けづくりで、今までにない経済を創出。大ヒットを生み出した。

秘馬さん「八ヶ岳での経験から、地域は一つのコンセプトでガラリと変わることを体感しました。そこからいろんなところに遊びに行く中で、コンセプトをつくるようになったんです」

全く意図せず、「こういうのやったらいいのに」「面白そう」と動いていたら、今の結果に繋がっていたと話す秘馬さん。この点に、卓巳さんも共感を示す。

卓巳さん「僕の場合は、まず順番として先に、奥さんを女性として好きになって、彼氏になったところからスタート。二人でデートをしていると、彼女のビジネスの相談に乗ることもあって。僕らが付き合った時、すでに奥さんは出版した本が100万部売れ、王様のブランチや金スマにも出演していた時でした」

すでに売れっ子だった奥さまが、当時、卓巳さんに相談した内容が「有り難いことに、本も売れているし、テレビにも出させてもらえて、仕事の依頼が殺到するけれど、片づける時間がなくなってしまった」というものだった。

本当は現場に行って片づけをしたいのに、片づけの依頼が来ても来ても断らなくてはいけない現状をなんとかしたい。そんな彼女の悩みをなんとか解決できないか? とボランティアの副業で、『こんまり流片づけコンサルタント養成講座』の仕組みづくりを始めていく。

川原 卓巳(Kawahara Takumi)さん KonMari Media, Inc Founder,Producer / 1984年広島県生口島生まれ。大学卒業後、人材系コンサルティング会社に入社し、個人・企業向けのビジネス構築・人材戦略を行う。近藤麻理恵とは学生時代からの友人であり、2013年以降は公私ともにパートナーとして彼女のマネジメントとこんまりメソッドの世界展開をプロデュース。2016年にアメリカ移住後、シリコンバレーとハリウッドの両方に拠点を置きながらKonMariのブランド構築とマーケティングを手がけるほか、日本発のコンテンツの海外展開もプロデュースしている。2019年に公開されたNetflixオリジナル TVシリーズ『Tidying Up with Maire Kondo』のエグゼクティブプロデューサーでもある。同番組はエミー賞2部門ノミネート。世界で最も観られたノンフィクション番組に選ばれる。2021年に新シリーズ『Sparking joy with Marie Kondo』も公開。片づけとときめきをテーマにしたGame『KonMari Spark Joy!』も全世界で発売中。著書『Be Yourself〜自分らしく輝いて人生が変わる教科書〜』
川原 卓巳(Kawahara Takumi)さん KonMari Media, Inc Founder,Producer / 1984年広島県生口島生まれ。大学卒業後、人材系コンサルティング会社に入社し、個人・企業向けのビジネス構築・人材戦略を行う。近藤麻理恵とは学生時代からの友人であり、2013年以降は公私ともにパートナーとして彼女のマネジメントとこんまりメソッドの世界展開をプロデュース。2016年にアメリカ移住後、シリコンバレーとハリウッドの両方に拠点を置きながらKonMariのブランド構築とマーケティングを手がけるほか、日本発のコンテンツの海外展開もプロデュースしている。2019年に公開されたNetflixオリジナル TVシリーズ『Tidying Up with Maire Kondo』のエグゼクティブプロデューサーでもある。同番組はエミー賞2部門ノミネート。世界で最も観られたノンフィクション番組に選ばれる。2021年に新シリーズ『Sparking joy with Marie Kondo』も公開。片づけとときめきをテーマにしたGame『KonMari Spark Joy!』も全世界で発売中。著書『Be Yourself〜自分らしく輝いて人生が変わる教科書〜』

卓巳さん「僕は当時、会社員としてコンサルタントをやっていて、彼女が困っていることを自分が持っているもので解決しようと、当時、4日間の講義で20万円の講座をつくったら、秒で完売したんです。ニーズがあったんですよね。一方で、本業では18万円の講座を売っていたんです。こっちは死ぬほど頑張っても月に10本売れるかどうかの世界。“なんだこの労力対効果は…” と考えた時に、ニーズがあることの正義を知りました

副業で始めた仕事が圧倒的に忙しくなり、本業へ移行していったという卓巳さん。スタート時点で彼にあったものは、ただ純粋に「好きな女性の悩みを解決したい」という思いだけだった。

プロデューサーに重要なのは「ゆるさ」や「曖昧さ」。いかに本音を話してもらえる関係性を構築するか

数々のプロデュースを行い、その事例も見てきたおふたりだからこそ、意識を向けていることもあるという。

秘馬さん「今でこそ、地域課題とか言われますし、地域の課題解決をしてくださいという話もありますが、そう言われたから始めたというケースで、うまくいっている事例をあまりみたことがなくて。むしろ、 “こいつ面白いんだよね” とか “この景色最高なんだよね” といった、パーソナルな繋がりから始まるアイディアの方が結果が出たりするんですよ」

卓巳さん「わかります。僕自身、なんでプロデューサーと呼ばれてうまくいっているのか?うまくいき続けているのか?を自己分析したことがあって。その時自分の強みだと思ったのが “本音を話してもらえること” だったんですよね。 “こいつに隠し事する必要ないな” って思ってもらえることが僕の強みなんです」

「ここ多分、秘馬さんと僕似ていると思うんですけど」という卓巳さんの言葉に、すかさず「太っている人ってそういうの得意なんだよね」と切り込む秘馬さん。

初対面だと思えないおふたりの阿吽のキャッチボールに、ここからは、最小限の補足のみでお届けしたい。

卓巳さん「そうなんですよ!僕らはビジネスデブなんです。安心感と包容力を生み出している。めちゃくちゃ鍛えているキレッキレの人には相談しにくいけど、見た目が不思議なデブにはなんとなく、自分の弱音や本音が言いやすいっていう。そのためのデブです(笑)」

秘馬さん「もうプロデブだよね(笑)プロデューサーには共通のポイントがあると思っていて、それが “ゆるさ” や “曖昧さ” 。これは結構重要で、これがあると、相談をしてもらえる関係性がつくりやすい。対面で話を聞くのではなく、一緒の方向を見れるかどうかが大事

卓巳さん「わかります。一緒に肩を組めるのか?そして、相手が行きたい方向に向かって行く時、横にいれるかどうかがすごく大事だと思います。そういうポジションにいる人は、“お前が言うなら仕方ない” の領域が広いんですよね」

本音を相手から言ってもらえるような信頼関係を構築していくために、どんな話も真正面から話を受けるのではなく、相手と同じ方向を隣で見るようにしているというおふたり。ここからは、普段意識しているスキル面も教えてくれた。

あえて、ものすごい企画書は作らない。“囁き戦法” で相手の感度を知り、共に走る仲間をつくっていく

秘馬さん「僕自身、すごく囁く人なんだけど、これを “囁き戦法” と呼んでいて。みんな自分の考えていることをちゃんとプレゼンしようとするんだけど、そうじゃなくて、“こういうのどう思う?” って、内容は超荒くてもいいから、囁きをたくさんした方がいい。そうすると、だんだんと “あいつこう言うことやりたいらしいよ” って周りからも声が上がってくる。これ地域では結構重要で、例えば、ものすごい企画書をつくって、ちゃんとしたプレゼンをしたとしても、地域のキーマンの人が “そんなのやったらダメだ” って言ったらその瞬間終わっちゃうからね」

どのラインにNGがあるのか、どこまでなら進められるのか、何を歓迎するのか、とにかく考えていることを囁きまくることで、どこに境界線があるのかを探ることで、懐に入れるか否かが別れるという秘馬さん。

地域という領域ではない場所でプロデュースを手がけてきた卓巳さんにも似たような経験があった。

卓巳さん「僕らはNetflixで番組を作らせてもらったことがあって、結果的に2019年に世界一観てもらえるドキュメンタリーになったんですが、その時の企画の通し方と秘馬さんのお話がほとんど一緒です。“こういうことやれたらすごく面白いと思うんですよね” ってプロダクションの人にちょっとずつ話をしていって、浸透させていった結果、今の社長(当時のチーフコンテンツオフィサー)にまで話が登って、“それ超面白いじゃん” と、一緒につくるスタンスを示してくれました」

卓巳さん「あの時、最初に企画書を持っていってプレゼンしていたら、そのプレゼンをノーと言われていたら、そこで話は終わってしまっていた。でも、ちょっとずつ話を進めていったからこそ、“面白いから一緒に作ろう” というスタンスにまで持っていけたんだと思います。一緒に作ろうと思ってもらえたら最強で。当時も最高のチームメンバーをアサインしてくれました」

秘馬さん「わかる。対面から挑まないことは本当に大事」

卓巳さん「いかにズラすかですよね? 僕らここに関しては超機敏に動いてますよね(笑)」

秘馬さん「そうそう(笑)もう一つ、真面目な話をすると、これは脳・神経科学者の青砥瑞人さんの話で、脳って集中しているときは、人は前かがみになるんだよね。セントラル・エグゼクティブ・ネットワークといって、集中力が高まる。でも逆に、何か創造性を発揮させるとき、人は斜め上を向くんだけど、これはサリエンス・ネットワークという脳の創造性が働くスイッチが反応するから」

秘馬さん「何が言いたいかというと、集中したり悩んだりするときはセントラル・エグゼクティブ・ネットワークが働くから、創造的な話をするときには、キャンプの椅子に深く腰掛けるように、頭を斜め上に向けられる体勢をとったほうが、いろんな話ができるということ。僕らは、会議室で真剣に前を向いていても、絶対にいいアイディアが生まれないから、外で焚き火をしたり外で開放的になりながら、いろんな人を口説くんだよね。ざっくばらんに “こういうのよくないですか?” って話をすると、向こうも “いいね〜” って乗ってきてくれて、いろんな話が出てくる。企画書を持っていかないって結構重要だよね」

卓巳さん「わかる。でもみんなつくりたがるよね。いつもいらないって打ち返しちゃうけど」

今の人は “見えているもの” を信じすぎている。大事なのは、自分が本心でやりたいと思えること

秘馬さん「皆さんは、見えているものを信じすぎていると思うんです。僕らは今をITの時代だと思っていて。ITっていうのは、インフォメーションテクノロジーではなく “インスピレーションテクノロジー” 。つまり、直感力の時代

卓巳さん「僕らでいう “ときめき” ですね」

秘馬さん「そう。これは単なる好きとか、嫌いとかではなくて、どれだけその人が本当に自分の内なることをやりたいと思えるか。今の時代は情報に溢れているから、みんな “こっちの方が儲かるから” とか “周りが良いって言ってるから” とかで選びがちだけど、本心でやりたいの?やりたくないの?が大事なんだよね」

卓巳さん「うんうん。気持ちが上がんの?上がんないの?っていうね」

秘馬さん「自分が本心でやりたいものと、どう向き合える環境をつくるかがウェルビーイングだと思っているし、本心でやりたいものの中で仕事をしているから、良いものが出てくる。だからこそ、環境を整えることがすごく大切

卓巳さん「僕、採用面接で必ず聞いている言葉があって、すごく良いなと思っているんですが、それが “何に興奮するの?” なんです。女性9割の会社で聞き続けるって一見セクハラにも聞こえそうですが、でも、これが大事だと思う。何に夢中になって、何をやっているときに自分の心が上がるのかを聞いて、そこに集中できる環境を整えると生産性ってめっちゃ上がるんですよ。だって、自分が興奮することだから、勝手にやっちゃうんだもん」

秘馬さん「まさにそう。デュルケム=パーソンズの人の言葉に “インストゥルメンタルとコンサマトリー” というのがあって。 “インストゥルメンタル” は未来志向型といわれてて、21世紀初頭とかがまさになんだけど、つまり、 “将来こうなるために、今を犠牲にしましょう” という考え。例えば、 “将来いいところに就職するために、いい大学に入らなくてはならない。だから、今日は遊ばないで勉強をしなさい” とかね。社会が右肩上がりのときはこれでよかった。未来のために今を犠牲にしても、未来には言われたものがあったから。でも、言われた通り今を犠牲にしても、未来が全然変わってしまっていて、みんなが未来に失望しているのが現代なんですよ」

秘馬さん「一方、“コンサマトリー” というのは、現状快楽型。まさにこの瞬間に集中するということ。全集中で集中している人ほど、新しいものに出会っていく。でもその代わり、未来は見えないし、どうなっていくかもわからない。だけど、こういう人の方が今の時代にはめちゃくちゃ強いんだよね。だから、この瞬間瞬間にフォーカスできるのか がすごく大事で。さっきも伝えたけど、情報が多すぎると、フォーカスできなくなっちゃうから、 “将来こんなこともあるかもしれない” “誰かがこんなことを言っている” ではなく、今この瞬間に集中していた方が、思いもつかなかったことが起きていく。現代はこのうねりが起きやすくなっているから、今回のイベントも情報はよくわからなかったけど、とりあえずきたんだよ(笑)」

卓巳さん「悪い意味ではなく、情報が多すぎると逆に見なくなっちゃうからね。行ったら何か感じるだろうから、熱量さえ感じればいく。ですよね」

とにかく、己の欲望に忠実に、自分のやりたいに熱狂して生きてきたおふたり。「生まれつき、何かを好きになる力は長けていると思う」と話してはいるものの、若いときから今でもなお、興味を持ったところへ出向き、自分の欲望が何に掻き立てられるのか?を知ったり、魂を震わせて生きている大人たちに出会ったりする原体験が彼らの今をつくっている。

卓巳さん自分の気が少しでも向いたことを全部やっておくことは、自分の欲を知る上で大事なことだったと、僕自身は今振り返って思うんですよね。その時に特に大事なのは、あまり “意味を求めすぎない” こと。特に若いときは無意味だと思う動き、例えば飲み会とかね。良い人と繋がりに行こうという出会いの中で今でも繋がっていることって僕は何もなくて。そうではなくて、自分が心踊る、めちゃくちゃ楽しかった出会いが今に繋がっている。自分の心がときめく点を食っていかないと、線にならないから、いかに打算的なところから外れておくかは重要じゃないかな」

秘馬さん「みんなが行かないところに行くのが良いよね。僕は20歳の時にアフリカのサハラ砂漠に行ったんだけど、そこには世界中の冒険家たちが集まってきていて、みんな超面白かったの。サハラ砂漠の中でキャンプしながらいろんな人が自分の夢を語るわけ。中には当時60歳で末期ガンを患っている人が走っていたりね。“この瞬間いつ死んでも良い” と言って本気で走っている人たちの熱量に触れた経験は、今でもすごくよかったと思ってる。何かテクニックを学んだとか、ビジネスモデルがどうか、とかではなく、命燃やして生きている人に触れたことで、そんな風に生きられるんだと思ったんだよ」

決して「プロデューサー」を目指していた訳でもなく、バックグラウンドも大きく異なる彼らだが、話の節々から、共通して「自分の本音と相手の本音にアクセスする力」と「本音を見逃さずに自らが思うままに行動していく力」がずば抜けて高いと感じる時間だった。

そして本イベントの最後には、今回の主催者である「えぞ財団」の代表発起人の富山浩樹さんと、団長の成田智哉さんから、こんな話も。

富山さん・成田さん「 “なんでこのイベントをやったんですか?” って聞かれるんですけどね、“なんかやりたくなっちゃったんですよね” が正直な答えなんです。 “やりたい” だけで進めても、進むんだと僕らも驚いています(笑)そして同時に、ここに集まる人たちが来年にはさらに増えて、“うねり” が拡大したらきっと面白いとも思っちゃったんです。だから、来年の開催も決めました。2023年5月26,27,28日でやります!」

できるか、できないかではなく、やることに意味があるのかでもなく、自分たちがやりたいからやる。そんな熱量で突如としてはじまった『EZO SUMMIT』。そしてこの熱量に感化され、集まったローカルプレイヤーたち。

来年は一体どんな景色が見られるのか? 今から楽しみで仕方がない。

Photo by Yuta Nakayama

Information

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Editor's Note

編集後記

今回急遽開催されたセッションとは思えないほど、濃密な時間に、どこを書くか非常に苦戦を強いられた執筆でした。笑(まさに嬉しい悲鳴をあげておりました)そして、泣く泣く削ったお話もあまりに素敵だったので、編集長権限で、もう1本追加でつくることに。笑

2本目は、『地域プロデューサー・古田秘馬はなぜヒット企画を生み出せるのか。UDON HOUSEの仕掛け人が語る「プロデュース力の鍛え方」』こちらも読み応え抜群の記事ですので、ぜひご一読ください!

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