【イベント概要】
社会を変える、おもしろい“場づくり”の実践を、発信する・つながる・生み出す / tsukuruba youth lab. 地方創生編
日時:2017 年11 月22 日(水)19:30
会場:co-ba library(東京都渋谷区3-26-16 第五叶ビル6F)
【登壇者】
浦田 修伍(うらた しゅうご)
1993年大阪府生まれ。デザイン会社数社でUI / UXデザイナーとして活動した後、独立。フリーランスとして潜在的な価値を正しく伝えるためのITを使ったコミュニケーション設計を行う。幼少期をドイツで過ごした経験から、現在は東京に拠点を持ちながら長野県や徳島県、福島県を中心に、日本各地にある言語化されていない魅力をWEBや映像を通して伝え、ヒトとモノが循環する仕組みづくりを行なっている。
杉本 恭佑(すぎもと きょうすけ)
熊本出身宮崎愛根津在住。宮崎の野菜を中心に扱う八百屋「VEGEO VEGECO 根津」の店長。学生時代を宮崎で過ごし、中心市街地活性化「ドマンナカ」で色々な人との出会いの中で宮崎に心奪われる。また、「宮崎夢ナビ」という学生団体を立ち上げ、高校生と大学生向けに“人と人をつなげ自分の将来について真剣に考えること“を目的としたイベントの運営を行う。(自称)宮崎観光大使。現在は都内のスペースを借り、不定期でコミュニティバー「SUGI BAR」を主催している。みやざきわけもんフォーラム運営。
山口 春菜(やまぐち はるな)
大手人材サービス会社で新規事業の広報・PRリーダーと地方創生コミュニティデザイナーを兼任。地方自治体や地方企業の採用活動を推進・サポートし、ひとりひとりの人生にマッチにした“しごと“をデザインしている。学生時代から気仙沼大島観光特使をつとめており、宮城県、愛知県、高知県、兵庫県などで自治体とともに地域活性プログラムを構築。地域に合った魅力の発掘・発信を行い、政策の作成をサポート。また国連防災世界会議、G7伊勢志摩サミットなどの国際会議で防災カテゴリーの企画・運営を務めている。
【ファシリテーター】
後藤 円香(ごとう まどか)
株式会社ツクルバ デザイナー
外山 友香(とやま ゆか)
株式会社ツクルバ コンテンツディレクター
後藤さん
皆さんこんばんは。tsukuruba youth lab.へようこそ。まずは私たち「ツクルバ」のことを軽く説明させていただきます。
私たちツクルバは、「場の発明を通じて欲しい未来をつくる」というミッションを掲げています。tsukuruba youth lab.に込められた想いは、ツクルバのミッションとビジョンに沿っています。皆さんの想いあるアクションが、誰かに繋がり、社会に大きな影響を与えられるようになったらいいなという想いで開催しています。
そもそもこのtsukuruba youth lab.は、イベントなのか?という疑問を持った方もいるかもしれないのですが、私たちはtsukuruba youth lab.をイベントではなく、実験場でありコミュニティであると思っています。
私たちはもちろん、想いを持った皆さん同士がつながり、何かしらのアクションを起こしていく、というようにtsukuruba youth lab.はアクションの種を蒔いて、芽を出すための場とコミュニティにしていきたいと思っています。
では、早速1人目のプレゼンに移りたいと思います。杉本恭祐さんよろしくお願いします!
杉本さん
僕は都内で宮崎県産野菜を売る八百屋で店長をしながら、ときどき宮崎県と都会をつなぐイベントで講演やスタッフとして手伝いをしています。
僕は宮崎県を愛しているのですが、出身は熊本県なんです。大学進学がきっかけで宮崎県に移り住みました。最初は全然友達がいなかったので友達が欲しいと思っていたところに、数少ない友達の一人がボランティアに誘ってくれたんです。
それをきっかけにたくさんの友達をつくることができ、その後、自称宮崎観光大使として活動しながら『てげてげ移住計画』というプロジェクトで宮崎の移住促進の活動をしながらクラウドファンディングを実施し、移住促進動画を作ることもしました。
なぜ見知らぬ土地で様々な活動ができたかというと、たまたまボランティアに誘ってくれた友達がいたからです。
地方に住んでいた方は分かるかもしれませんが、地方には何かを始めるきっかけが少ないんです。そんな貴重なきっかけをくれた友人や宮崎県に、私は恩返しをしたいと思って、今は根津にある宮崎県の野菜を売る八百屋の店長をやっています。
八百屋を運営しているのは『ベジオベジコ』という、僕の同級生2人が立ち上げた会社です。「宮崎を盛り上げたい」「農業を盛り上げたい」という想いで立ち上がりました。
ベジオベジコは、宮崎県の野菜を中心に扱っていて、生産者さんの想いがたくさんこもっている野菜を売っているのが特徴。今日ケータリングで出している野菜はベジオベジコのものなので、ぜひたくさん食べてくださいね。
私は今、『宮崎わけもんフォーラム』という宮崎と東京をつなげるコミュニティを運営しています。以前開催した時は、宮崎県日南市にスポットを当てて、参加者とともに地方について考えました。東京で宮崎県に関するイベントを開催することで、宮崎県に移住を考えている方や、宮崎に行ってみたいとい方のコミュニティがつくれたらいいなと思っています。
僕自身は、新しいかたちのコミュニティをつくっていきたいと思っているんです。今のコミュニティは、例えば「宮崎に興味がある人」や「野菜に興味がある人」、「BUMP OF CHICKEN」 が好きな人、みたいに属性ベースでできていると思うのですが、そういう属性ベースのコミュニティではなく、個人ベースのコミュニティがあってもいいなと。
僕が集めることで、「自分に興味がある」という人が集まる。そこにコミュニティができ、広がっていくのも実は面白いんじゃないかなと思っています。
皆さんがこの空間にいるということは、皆さんが何かしらで繋がっているということなので、軸はみんな一緒なんです。絶対そこの軸はぶれません 。
僕は地方創生よりも、地元づくりがしたいんです。「地元ってなんだろう?」と考えた時に、地元は居心地のいい場所だと思っていて、そこには人とのつながりも絶対あります。そういった地元をもっとたくさんつくっていきたい。
それは東京であっても、宮崎県でも変わりません今日は、皆さんと意見交換をして、アクションにつなげていけたらと思っています。
最後に、これはあくまで提案なんですが、リトルアクションと発信を皆さんにもしてほしいと思っていて。というのも僕は以前、ただ「誕生日を祝われたい!」と思って、自分の誕生日会を開催したら40人もの人が集まったんです。東京に住み始めてあまり経っていない僕でもです。他にも“SUGI BAR”というイベントをFacebookで発信したら、「うちの店でもやってよ」と声がかかったんです。今日ここで登壇しているのもその活動を発信した結果、イベントの主催者に届いたからです。今大好きな宮崎県に関わる仕事をできているのも宮崎で「アクション」して、宮崎を好きだと「発信」した結果です。
こうやって「リトルアクション」と「発信」を行っていくと、どんどん繋がっていくことができます。だから皆さんにもぜひ、小さいことからやってほしいなと思っています。
例えば、今日僕の話を聞いた結果、①宮崎に行く、②SUGIBARに行く、③僕とコーヒーを飲む。そして④つめはみなさんが今始めようと思っていることをやる。ここにきている時点できっとあると思うんです。そういう小さなことでも、はじめてみると本当に大きなことにつながっていきます。「リトルアクション」と「発信」です。改めて、皆さんはじめまして。そして、これからもよろしくお願いします。
浦田さん
僕は大阪生まれなのですが、幼少期を中国とドイツで過ごし、11歳の時に日本に帰ってきました。今は東京で活動していて、日本各地にある言語化されていない魅力をWEBや映像を通して伝えることで、ヒトとモノが循環する仕組みづくりを行っています。
人が成長する時に触れ合う最初の人は、自分のお父さんやお母さんで、小学生になるとそれが友達に広がり、中学生になると触れ合う人がもっと増えていって……という感じで、時系列に沿って自分に関わる人って増えていき、その中で人はかなり変化していくと僕は思っています。
僕は小中高とサッカーしかしてこなかったのですが、大学に入った時、そこには今までとは全く違う世界が広がっていて、価値観はどんどん変わっていくものなんだと感じました。
実際、地域を発信していくにあたって、「どのように地域が成長していって欲しいと地元の方が思っているのか」「どういう場所として切り取って表現していくのがベストなのか」と考えた時に、その地域の方にとってはあまりにも慣れ親しんだ場所なので、特別な感覚ってないのですが、外部から見ると「面白い!」と思うことがたくさんあります。
そんな地域内の人は気が付いていない、その地域の魅力を地域外の人から教えてもらう。僕は、そんな事をしていきたいと思っています。そして、今地域の魅力を見つけてくれた人が、今度は未来に繋がる地域の魅力をつくっていく、それが積み重なって地域はどんどん良くなっていくものだと思っています。なので、地域の魅力に魅了されて集まってきた人達が、その地域で何をしたいのか、その地域の魅力をどう広げていきたいのかが大切です。
最後に、まずは東京にいる人が地方に興味を持って、地方と地方をどう繋げていけるかが大切だと思っています。そして、その先にあるのが文化交流であったり、多くの人が面白いと感じる取り組みであったりしてほしいと思います。
あともう一つ、これはtsukuruba youth lab.の中にある一文なのですが、“社会を変えるきっかけは一人一人の小さなアクションから始まります”という言葉に僕はとても共感しています。
僕も含めて、多くの人がやりたいと思ったことに対して、どうアクションしていくかを大切に考えられたら良いなと思っています。
山口さん
現在私は22歳で、大手人材会社新規事業部広報・PRリーダーとして仕事をしています。ミッションは、地方自治体、中小企業の採用サポートです。
経歴を言うと、学生時代から気仙沼大島観光特使をしています。気仙沼は、震災のボランティアがきっかけで知った場所なのですが、大学在学中の4年間で40回ほど訪れていて、私の気仙沼愛が当時の市長に伝わり、観光特使に任命していただきました。いかに気仙沼の綺麗な写真をバズらせるかということを考えるのが趣味です(笑)
真面目な話をすると、大学時代、地方創生の政策委員をやっていて、そこではどうやったら地域の魅力を発見して、発信していけるのかということを若者目線で考え、提案していました。他にも、仙台で行われた国連防災世界会議や、G7伊勢志摩サミットの企画運営などをやらせてもらったりもしていました。
さて、皆さんは人材会社にはどんなイメージがありますか?自分が次にしたい!と思う仕事を見つけることは、個人の力だけでは限界があります。そこで、人材会社が関与することで、より本人が次にやりたいと思う仕事を見つけやすくしてくれているんですね。
私自身は今、人材業界に勤めているのですが正直、闇だと感じています。なぜかというと、東京に在住している方が、地方企業の求人を目にすることって、ほとんどないからです。
人材業界の図をお見せすると、例えば、都会の会社に勤めている人が転職活動をしても、次に務める企業も都会の会社という場合がほとんどなのです。もともと地方に興味があって、地方で働きたいと思っている人しか地方の企業に出会うことはありません。なぜなら、人材業界がそういう仕組みを作っているからです。
例えばGoogleの検索ツールを使って、何かの商品を調べると、次の日Googleを開いた時には、昨日検索していた商品の広告がいたる所に出てきたりしますよね。人材業界もそれと同じことで、都会の会社に勤めている人には、都会の求人が出てくるようになっているんです。
私は地方と都会の壁をなくしたいと思っています。それによって、誰でも自由に行きたいところに行ける、そんな人生の選択肢を与えたい、そう思ってます。
なぜ、私が地方に熱い思いを持っているかというと、都会ってコミュニティが狭すぎるし、近所の人とも仲が良くないことに違和感を感じているからです。地方では、その土地に「行った」というだけで「よく来たね」と褒めてくれる、居るだけで認めてもらえることを感じたのが地方・地域だったんです。それは都会では感じられなかった。
ただ漠然と都会で働いている人が、地方に出会うとどうなるのかを考えているんですが、そんな人たちって、自分で自分の可能性を閉ざしてしまっているように思います。
自分らしさを見つけるカギが地方にはたくさんあると思うんです。ですが、残念ながら現在の人材業界ではその道は用意されていません。私は、その道を作ることをしたいと思って活動しています。
私が実現したい未来は、誰もが心のふるさとを持てる社会です。こうやって言葉にすると大きなことだし、できるのだろうかと思うんですが、本気で実現したい。私一人では実現できないことだとも思っているので、皆さん協力してください!(笑)
就職ってどういう会社でどういう仕事をしたいかではなく、自分がこれからどうやって生きていきたいのかから考えていかないと成功しないと私は思っています。自分の生き方を選択する時に、今の状態ではあまりにも選択肢が少なすぎる。だからこそ、その選択肢を増やすことを私はしていきたいです。
アンダー25の皆さん、みんなで力を合わせていかないと、世界は変わりません。アクションしないと意味がありません。行動している人から学んで、ぜひみんなでアクションしていきましょう。
Editor's Note
これからの日本を背負うU25の皆さん。地方にもたくさん魅力はあります。ただ自分たちで発信、行動していかないと目に入る情報も限られてきます。自分の望む未来を手に入れるために、自ら発信して小さなアクションを起こしてみませんか?
KOHEI TAKENOUCHI
竹之内 康平