だれでもレター
※本記事は「だれでも送れるレター」の企画を通じて、読者の皆さまから投稿いただいた記事となります。
福祉の世界でよく耳にする、「共生社会」という言葉。誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合い、 人々の多様な在り方を相互に認め合えるの社会のことを指しています。実現したらとても素敵ですよね。
でも実際の地域社会で、福祉の対象となる人々の居場所や活躍の場はあまりないように思います。
そんな世の中に違和感を持って、富士山の麓のまちで、共生社会の実現へ向かう “バトルシップ” が誕生。あなたもこの船で、ひとつなぎの財宝を一緒に探しにいきませんか?
共生社会の実現へ向かうソーシャルハウスが誕生したのは、まちのどこからでも富士山が望めるまち、山梨県富士吉田市内。
空き家だった2階建ての一軒家を住み開きとして活用し、社会的に孤立しやすい、福祉の対象となる人々の居場所や活躍の場として『ソーシャルハウス宝島』を開所し、運営しています。
高齢者の生活支援活動を通して実感したことは、「福祉の対象となる人たちって、世の中に居場所の選択肢が非常に少ない」ということ。
彼ら彼女らの生活の登場人物は、〈本人・その家族・それを支援する人達〉のみということが多く、いわゆる地域社会と交わるきっかけが少ないんです。
その実態を知って、「どこが”共生社会”なんだろう」と、強烈な違和感を覚えたことが、活動のきっかけ。
自分や自分の大切な人、友人知人が、明日にでも福祉制度が必要となる可能性は十分にある。それなのにも関わらず、この現実に実感を持てない人は多い。逆に言うと、それだけ福祉と地域社会が乖離しているんです。
そんな現状に対して思うことは「もっと僕らは一緒に過ごせるんじゃないか」ということ。一緒に過ごすことで、大変なことや面倒くさいことも沢山あるだろうけど、きっと、暮らしが交ざったからこそ初めて発見できる素敵な作用も沢山あるはず。まさにそれを “宝” と捉え、多様な人達と共にどんどん発掘していきたいと感じています。
いろんな方からご助力頂いているのですが、基本的に『ソーシャルハウス宝島』の運営メンバーはたった1人。今はとにかく仲間がほしい。
福祉の専門家ではない中で、〈児童・ひとり親・高齢者・障がい〉など関わる分野が多岐にわたるため、現場を運営しながら、日々の勉強も欠かせません。
開所してしばらくは、情報過多で頭がパンクして、何日も途方に暮れるなんてこともありました。 そんなとき、隣に住むおばあちゃんが訪ねてきて、「まずは玄関をきれいにしよう」と。そして「目の前のことに集中すれば、自然と道が拓ける」と教えてくれました。それからは目の前の人に対して、宝島がどうやって力になれるかだけを考えるようにしています。僕自身が “人のつながり” で救われた、印象深い出来事でした。
現在は高齢者や子どもの居場所として開放していますが、今後は障がいや、貧困、外国人なども含め、比較的世の中に居場所の選択肢が少ない人たちが安心できる場として、発展させていきたいと思っています。
そこに地域の方々を巻き込んでいくことで、福祉の認知拡大も図っていきながら、より多くの人に宝島の世界観に共感してもらい、島の住民がたくさん増えて、作用できる社会課題を増やしていくことが、目指す未来です。
<この記事を投稿してくれた人>
富士吉田市地域おこし協力隊 / ソーシャルハウス宝島 島主
上田 潤 さん
富士吉田市地域おこし協力隊。1991年山梨県南アルプス市生まれ。大学から上京し、ベンチャー企業を数社ジョブホップ。高齢者生活支援活動や、高齢者との日常を綴ったインスタマガジンの運営をしながら、2022年4月に自宅を住み開いて『ソーシャルハウス宝島』を開所。”共生社会の実現”をテーマに、福祉の対象となる人々と中心とした、多様な人々の居場所・活躍の場づくりに奮闘中。
富士山の麓のまち・山梨県富士吉田市で、共生社会の実現を目指し奮闘する、上田 潤さんから届いたお手紙。
彼の抱く熱い思いに共感する仲間が集い、「宝島」が多様性を発展させ、解決できる課題を増やしてく、そんな未来が楽しみです。
少しでも興味を抱かれた方はぜひ、上田さんのTwitterよりお気軽に問い合わせてみてくださいね。
LOCAL LETTER
LOCAL LETTER