地方創生
テレワークの普及や働き方改革により、今まで以上に地方への関わり方が濃くなった昨今。
企業としても「地方創生の糸口で地域へ関わりをもちたい」と考えはじめてはいるものの、「何から取り掛ればいいのか」「どこの地域で関わりを深めていけばいいのかわからない」と考えている方も多いのではないでしょうか。
そんなアナタに送るのは、淡路島の魅力を届けるオンラインイベント「行政担当と地方創生ビジネスのプロが語る新しい地域事業の見つけ方」の一部始終。
大手企業の本社業務の移転を皮切りに、新しい観光スポット、宿泊施設などが増えている淡路島。その魅力を知り尽くした登壇者2名が語る、地域創生ビジネスの糸口とはーー。
竹内:今人気急上昇の淡路島ですが、その中でも今日は「南あわじ市」に焦点を当て、今後の淡路島の可能性とその魅力について深ぼっていきたいと思います。
阿部:淡路島は、兵庫県神戸市と徳島県徳島市の間にあり、神戸市とは明石海峡大橋、徳島市とは大鳴門橋と二つの橋で繋がっています。淡路島自体は3市にわかれておりまして、徳島県寄りの南方に位置するのが南あわじ市です。人口は4万5242人、世帯数は1万9875世帯(令和4年12月1日時点)。面積は229.019平方kmです。
私が南あわじ市役所に入庁した平成20年当時は、3市とも人口5万人ずつで淡路島全体で15万人と言われていましたが、大学進出や就職を機にした若者の転出が顕著となっておりまして、現在5万人を切ってしまったというのが現状です。
阿部:淡路島自体は、2020年に株式会社パソナが本社移転をしたことでかなり有名になりましたが、移転場所は淡路島の一番北の淡路市でして、南あわじ市は地元を愛する農畜水産業者さんや、地元の若手創業者さんによって支えられています。
南あわじ市の魅力といえば、何といっても食!南あわじ市は第一次産業が中心のため、食料自給率は農畜水産全てで100%を超えているのも誇るべきところですが、今の時期ですと、『3年とらふぐ』が有名です。通常2年で出荷するとらふぐを1年長く養殖された『3年とらふぐ』は、身が大きくプリプリと引き締まっており、とっても美味しいです。
竹内:観光目線からみると、淡路島には最大で年間1,500万人の観光客が訪れている場所です。大阪府の人口が882万、兵庫県の人口が547万人なので、大阪府と兵庫県の方々が年に1回はこの淡路島に訪れているぐらいの規模感と考えると、分かりやすいかと思います。
竹内:先ほど阿部さんからのお話にもあったように、パソナが淡路島に進出したことが大きな話題になりましたが、その南側に飲食店大手の株式会社バルニバービも進出しており、企業からの注目度も高い場所だと言えます。
竹内:ここから本題である地方創生ビジネスへの問いに入ります。まず「地方創生はどの会社も取り組むべき?」という問いに対しての結論は、ずばり「取り組むべき」だと思ってます。
その理由としては、地方への注目の高さ。全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる「デジタル田園都市国家構想」をデジタル庁が掲げていますし、実際パソナが行ったように地方への企業進出という流れが日本全国で起こり始めています。
竹内:地方の中でもさらに注目を集めているのが、ドイツを例にあげられる「多極集中」というスタイル。10万や15万人のコミュニティが国土全体に分散されているドイツですが、4つの町の合併によってできた南あわじ市もいわば多極集中で、それぞれの町に人や町の機能が分散されて形成されています。
竹内:さらに南あわじ市は、平均気温17度と快適。徳島阿波おどり空港も車で30分の距離なので、車移動を含めても約90分で東京に行くことができます。
先ほど阿部さんにも触れていただきましたが、食糧自給率が100%ということと、「美人の湯」と呼ばれているゾル・ゲル状の温泉源が市内になんと6箇所もあるという点も、知ってもらいたい南あわじ市の魅力ですね。
Editor's Note
株式会社パソナの移転によって盛り上がっている淡路島。最近ではオシャレなカフェや観光地もたくさん出来ていて、勢いを感じる場所です。改めて魅力や課題感を知ることで、地方創生の糸口が見えてくるのだと改めて感じました。
YURIKA YOSHIMURA
芳村 百里香