協力隊
地域課題を解決する糸口になるアイデアがほしい!そんなアナタにお届けしたいのが、茨城県が主催したセミナー『KENPOKU PROJECT E 公開作戦会議#4』の様子。
『KENPOKU PROJECT E』とは、茨城県北地域をフィールドに起業型地域おこし協力隊として、持続可能なビジネスに取り組むプロジェクトで、現在20名の地域おこし協力隊員(Eメンバー)が独立に向けて活動をしております。
今回、前編後編に分けて合計4名の地域おこし協力隊(Eメンバー)によるピッチを実施!現在の活動、そして今の課題を教えていただきました。
赤羽:起業型地域おこし協力隊の赤羽です。Pieces’ FARMという団体を立ち上げました。茨城県北地域の新たな特産品として『ひたちアボカド』の栽培に取り組んでいます。
赤羽:神奈川県川崎市の出身ですが、楽天グループ株式会社で1年半働いたのち、2022年5月に日立市に移住をしました。現在25歳。茨城県北起業型地域おこし協力隊としてKENPOKU PROJECT Eの活動をしています。
赤羽:一見ただのアボカド農家なのですが、ソーシャルビジネスとして社会が直面するさまざまな問題にアボカド栽培からアプローチしたいと考えています。
赤羽:アプローチしたい社会問題の一つ目は「耕作放棄地の活用」です。県北地域のみならず、全国各地で農業の担い手不足が挙げられており、使われていない土地がたくさんあります。そんな土地でアボカド栽培を実施することで、耕作放棄地の減少に貢献していきたいと思っています。
そして二つ目が「生ゴミの堆肥化」。家庭や事業者から出る生ゴミを回収し、堆肥化することでアボカドの栽培に使用し、焼却処理減少に貢献します。
赤羽:三つ目は「放置竹林問題」。放置されてしまってる竹林を整備したり、使われていない竹をハウスを温める燃料として活用することで、資源を無駄にしない農業の形をつくっていこうと考えています。
そしてアボカド栽培を普及させることで、栽培だけでなく流通や加工といった分野にも雇用を創出します。
また、日本で食べられているアボカドの99%は輸入のものになりますが、県北地域でアボカドを育てることで、輸入問題や主な輸入地である発展途上国の社会問題への貢献もできると考えています。
赤羽:『日立アボカド』で目指すビジョンは、主に4つです。まずは、環境に配慮したアボカド栽培の確立。普段ゴミとして捨てられているものを資源として有効活用することで、社会問題を解決する新しい農業の形をつくります。
新しい農業の形を確立させることで、従来の農業に対する「きつい・汚い・稼げない」といったイメージから、「環境に配慮した・稼げる・かっこいい」へと進化させ、農業人口を増やしていきたいと思っています。
赤羽:農業体験やワークショップを定期的に開催することで、地域住民が社会問題に触れるきっかけづくりもしていきたいです。そして最後に、アボカド栽培を普及させていくことで、同じような問題を抱える地域の社会問題解決に貢献することができると考えています。
今これらのビジョンを踏まえて、アボカド栽培、イベント出店・企画、講義・授業の3事業で活動を行なっているところです。
赤羽:アボカド栽培では、現在15品種・約200本以上のアボカドを栽培をしていますが、アボカドの実ができるまでに、どうしても2〜3年かかってしまうため、その間にいかに活動を普及させていくかを考え実施もています。具体的な活動としては、アボカドスイーツ販売や、イベント出店・企画、子どもたちや学生に向けての授業実施などです。
昨年はクラウドファンディングにも挑戦し、目標金額200万円に対し、250万円という結果をつくりました。
小佐野:「動く道の駅〜コミュニティの醸成〜」をコンセプトに活動している小佐野です。日立市生まれで、高校まで日立市で生活をしていました。
小佐野:2016年に開催されていた『茨城県KENPOKU芸術祭』で、故郷の魅力を再確認するとともに、故郷について何も知らない自分に気がつきました。その後、コロナ禍でご近所の方の買い物事情などを考えるきっかけがあって。
2021年8月〜11月に豊島区の女性のための起業塾に参加し、移動販売や見守りサービスを検討した後に、2022年の7月から茨城県北起業型地域おこし協力隊となり、現在に至っております。
小佐野:事業内容としては「動く道の駅」として、道の駅にあるような地域の新鮮野菜や特産品などの移動販売を行いたいと思っています。
まだ準備ができていないのですが、販売だけではなく気軽に会話をしながら買い物ができる機会を創出したいと考えているので、コーヒーなどのサービスも模索しています。
小佐野:一方で、移動販売では乗せられる商品に限りがあるので、日用品などをお届けするサービスも考案中。パソコンスマートフォンの操作など、ちょっとしたご相談、見守りサービスなんかもできればと思っています。
小佐野:もう一つ事業の柱として掲げているのが「魅力の発信・地域の活性化」。日立市にはたくさんの特産品があるので、SNSの発信やイベントを通じて、地域の魅力を再発見する機会を提供をし、地域資源を活用しながら一緒に活動できるコミュニティの醸成を測っています。
小佐野:2022年9月と11月にはプチマルシェも開催し、甘くて白いトウモロコシや、日高市十王のお野菜を販売させていただきました。
元地域おこし協力隊の方が栽培し始めた菊も大盛況でして、地域にある素晴らしいものをお伝えしながら、地域の活性化ができるような事業を今後も展開できればと思っています。
Editor's Note
地域の特色を生かした起業型地域おこし協力隊のおふたりのピッチ!農業と移動販売で業種は違いますが、「地域課題を解決する」という志が同じで、熱いものを感じました!
YURIKA YOSHIMURA
芳村 百里香