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LOCAL LETTER

【協力隊募集】地域おこし協力隊出身者が語る “富士吉田流” 地域での事業の起こし方

FEB. 20

FUJIYOSHIDA,YAMANASHI

前略、これから地域でビジネスにチャレンジしようしているアナタへ

自分のキャリアって、本当にこのままでいいのだろうか?

おおよそ1980〜2000年代初頭生まれの人を指す「ミレニアル世代」。「個人の名前で働くこと」や、お金よりも「熱狂できるやりがい」や「社会貢献」を優先する傾向がある彼らには、自分のキャリアについて考える機会が多いと、私は感じている。

さらに、働き方の多様性が広がり続けているいま、会社に属さない「フリーランス」や「起業」といった手段をとる若者も珍しくなくなってきた。

そんな中、ここ数年で複数の事業が立ち上がり、若くして起業する人たちが増えていることで、ひと際目立つまちがある。山梨県富士吉田市だ。

この地域で活躍している若者の中には、大卒から地域に入り込み「地域おこし協力隊」の制度を活用しながら、数多くの試行錯誤を繰り返し、徐々に形をつくっている人たちがいる。

地域は、経営資源である「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」全てが足りず、事業を起こすのは非常に困難だとされている場所。その中でも、なぜ富士吉田市は若者が活躍しているのか。

今回は、富士吉田市で地域に根ざした事業をおこした若者3名を取材し、実際に富士吉田市での経験を元に「地域での事業の起こし方」についてお聞きしました。

1人目:挑戦は応援するが、過保護ではないまち。声を上げ続けたら、必ず応援してくれる人がいた。(ふじよしだ定住促進センター立上げ 兼 事業開発担当 齋藤萌)

まず最初に話を聞いたのは、「ふじよしだ定住促進センター」の立上げメンバーの一人であり、事業開発をはじめとする様々な活動を行ってきた齋藤萌さん。

富士吉田市の協力隊になる前から、大学のプロジェクトで富士吉田市に約2年間関わっていた彼女。協力隊を始めた当初は、理想を形にできないスキル不足や、学生時代とのギャップを感じる日々に正直参っていたと言います。

「できないことだらけで最初は落ち込むことも多かったんですが、それでもできる限り手を動かし続けていました。ダメでもいいから、自分でとにかくやってみる、形にしてみる。その繰り返しでしたね」(萌さん)

富士吉田市は萌さん曰く、チャレンジできる環境であり、過保護ではない環境。誰かの挑戦をサポートしてくれる風土がある反面、自ら声を上げ、進めなければ、物事は何も動きません。

まちの素敵なところを発信したいという想いをバネに小さく実行を重ねたり、声に出し続けたりしていたら、周りの人から声をかけてもらえることが増えました。富士吉田には、自ら挑戦して失敗も成功もしている人たちがたくさんいるので、新しい人のチャレンジも受け入れてもらえる土俵があるのかもしれません」(萌さん)

2人目:スキルも経験もない若者を受け入れてくれたまち。その想いに精一杯応えるのが礼儀でしょ。(かえる舎代表理事 斎藤和真)

続いてお話をお聞きしたのは、地元の高校生を対象とした地域プログラム開発事業を行うNPO法人「かえる舎」の代表理事を務める斎藤和真さん。

実は、地域おこし協力隊になるまで富士吉田市との関わりは一切なかったという和真さん。他の地域でも活動をしていたという彼でしたが、富士吉田市のエネルギッシュに働く人たちに心を動かされ、富士吉田市の協力隊として活動を始めます。

何もスキルがない新卒を受け入れてくれるなんて嬉しさしかありませんでした。だからこそ、自分は精一杯その想いに応えるのが礼儀だと思いました」(和真さん)

今では毎週高校生の授業を受け持ち、時には高校生と地域を巻き込んだクラウドファンディングやワークショップ、ポスターや動画作成まで手がけているからか、なんでも器用にこなす印象がある和真さんですが、最初は何もできなかったと振り返ります。

最初は何にもできませんでした。イラストレーターやインパクトなんて触ったこともなかった。でもとにかく手を動かしてやり続ければできるし、富士吉田にはいろんな人がいるので、自分の苦手なことが、得意な人だっているんです。できないことは、できる人に頼めばいいって気づいてからは、楽でしたね」(和真さん)

3人目:若者・移住者関係なく、チャンスを手にできるまち。富士吉田じゃなかったら無理だった。(HOTEL SARUYA元代表 赤松智志)

最後にお話を聞いたのは、空き家をリノベーションした宿泊施設事業でゲストハウス「HOTEL SARUYA」の元代表を務める赤松智志さん。

地域おこし協力隊の一期生として、萌さんとともに富士吉田市に訪れた赤松さんは、当時まちの人がネガティブな存在として感じていた「空き家」に着目し、改修を開始。この改修をきっかけにまちの人と信頼関係を構築していきます。

「協力隊は、いかに地域をミックスして凝り固まったところを揉みほぐすか、いかにいろんなところに顔を出して、地元の人や外の人と一緒に何ができるか、そこにかかっているんです」(赤松さん)

2015年のオープン直後からお客さんが出入りし、今もなお予約がいっぱいでにぎわい続けているSARUYAですが、改修時には、雨水が漏れて柱が腐っていたり、土台部分がな買ったりと様々な問題が発生。それでも地域の人の協力を得ながらなんとかオープン。「富士吉田市でなければこの成功は無理だった」と赤松さんは言います。

「富士吉田にはいろんなチャンスがまだたくさんあります。若者だろうと、移住者だろうと関係なく、そのチャンスを手にできる。アイディアとその実現が最短距離にあるのが富士吉田の魅力の一つなのかもしれません」(赤松さん)

繰り返しにはなるが、地域は、経営資源である「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」全てが足りず、事業を起こすのは非常に困難だとされている場所。

しかし今回の3人のお話を聞く中で、3人に共通していたのは、

①何もわからなくても、とにかくできることから手を動かし、手を止めないこと
②やりたいことが見つかったら、なぜやりたいのかを磨き、試行錯誤を繰り返し続けること
③足りない資源があれば、誰かの力を借りながら何らかの形で補うこと

もしかするとミレニアル世代にとって、地域でビジネスをする時に大切なのは、地域の資源ではなく、自分自身の想いを周りに伝える「発信力」や「粘り強さ」なのかもしれない。

現在、山梨県富士吉田市では協力隊を募集中。
詳細はこちらからご覧いただけます!

Editor's Note

編集後記

私自身2018年11月より高知県須崎市の地域おこし協力隊として活動中。

協力隊として活動し始めてまず最初に驚いたのは、協力隊のチャレンジできる幅がとても広いこと。一般的なサラリーマンでは挑戦できない、もしくは挑戦するまでに時間がかかることが存分にチャレンジできる環境をアナタはどう捉えるでしょうか。

これからも山梨県富士吉田市の応援をお願いします!

これからも山梨県富士吉田市の応援をお願いします!

これからも山梨県富士吉田市の応援をお願いします!

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