クラファン
新年度・新学期は、新しいことを始めるにはもってこいの季節。
ですが、自分が「やってみたい!」と思ったことがあった時、実際に行動に移せるかどうかには、大きなハードルが存在している気がします。
そのハードルの一つになるのが、チャレンジャーの心の中に存在する「不安」。
・やってみたいけれど、自分にできるイメージがわかない
・やってみたいけれど、一人で挑戦する勇気が出ない
・やってみたいけれど、資金をどう集めたらいいかわからない
・やってみたいけれど、そもそも具体的な実現方法が見えていない
きっと多くの人がそんな「不安」を抱え、挑戦を延期してしまっているのではないでしょうか。
そこで、国内最大のクラウドファンディング「CAMPFIRE」と、地域を舞台に数多くの事業づくりを行ってきた「株式会社WHERE」がタッグを組んで、アナタの「やってみたい」を叶えるプロジェクトを始動します。
\プロジェクトの詳細は画像をクリック/
今回は一緒にプロジェクトを実施する「CAMPFIRE」で累計数十億円、数百以上の地域事業者等の支援実績を持つ、照井翔登さんに話を聞きました。
プラットフォームとして「CAMPFIRE」が大切にしていることとは?
“小さく” はじめるクラウドファンディングの魅力とは?
クラウドファンディングプラットフォーム「CAMPFIRE」の特徴を照井さんは、こう語る。
「メインサービスとなっている購入型・寄付型クラウドファンディング『CAMPFIRE』ブランドに絞ると、まずは柔軟性、選択肢の多さがポイントですね。
CAMPFIREでは、最低限法的な部分や利用規約さえ守っていただければ、プラットフォーム側の視点で “成功しそうだから掲載OK” “成功しなさそうだから掲載NG” といった審査はしていません。挑戦されるご本人が自分なりにクラウドファンディングを使いこなして、自分らしい使い方をしてほしいと思っています」(照井さん)
そのために、プロジェクトオーナー側でのカスタマイズの柔軟性をできるだけ高めている。例えば、目標金額や期間の設定の自由度が高く、ページの掲載内容も型にはめるようなことはしない。
「挑戦される方が自由にオリジナリティを出しながら、クラウドファンディングを使えるプラットフォームこそがCAMPFIREです」と照井さんは力を込める。
もう一つの特徴は、挑戦のハードルの低さ。CAMPFIREでは、この点も重要視しており、目標金額は1万円から設定可能。 最低手数料や初期費用・固定費用が全て不要なところも重要なポイントだ。
「個人法人問わず、気軽にクラウドファンディングに挑戦できるところを知っていただきたい」という照井さんは、少額でクラウドファンディングを実施することの意義を熱く語る。
「資金調達だけの目線で見ると、少ない金額の場合、自分で出したり、借りたりした方がいいという考えもあると思います。ですから、目標金額が少ないプロジェクトは資金調達以外の側面に重きを置いて使ってもらっていることも多いです。
例えば、商品や活動を知っていただくことができるPR的な側面・共感をしてもらえる・リターンを通じてプロジェクトに一緒に取り組む仲間になってもらえる・自分たちの活動に関わりを持ってもらえるといったことです」(照井さん)
気軽にチャレンジしてもらうために、挑戦者のサポートも手厚く用意しているCAMPFIRE。プロジェクトごとに担当者が付き、わからないことや相談したいことを気軽に聞ける。その他にも、クラウドファンディングのノウハウが学べる「CAMPFIREアカデミー」や過去丸10年の数万件のプロジェクトの履歴を分析したデータを無料公開している。
ページ作成支援はもちろん、プロジェクトが終わった後のサポートとして、リターン品の制作などのオプションメニューも用意しており、今後拡充する予定。プロジェクトオーナーの負担を軽くして挑戦しやすくすると同時に支援者を守るための補償制度も整えた。
「クラウドファンディングは、まだまだ資金調達のための仕組みという狭い見方をされがち。他の側面も含めて、ご自分たちの活動にとってメリットのある使い方として、どんな可能性や効果があるかを正しく理解して活用してもらうことが課題です。
アカデミーや過去のデータの公開は、この課題を解決する取り組みとして実施しているものです。これからも、クラウドファンディングに関するノウハウ、効果的な使い方は積極的に公開していく予定です」(照井さん)
中学生の時から地域活性化に関心を持ち、活動もしていた照井さん。高校生の時には、地域の魅力が伝わるような動画制作をテーマにクラウドファンディングにも挑戦している。大学入学後、地域活性に特化したクラウドファンディングのプラットフォーム『FAAVO』に携わる。2018年に『FAAVO』がCAMPFIREに事業譲渡され、照井さんもCAMPFIREに移籍した。
そんな照井さんがいつも紹介している地域でのクラウドファンディングの事例がある。
タイトルは「宮崎のレンガ道をアートで彩る!第一回みやざきアートマーケット」。2012年、クラウドファンディングの黎明期に立ち上げられた、目標金額5万円、支援総額6万円、支援者14名というとても小さなプロジェクトだ。
プロジェクトオーナーさんは大学を卒業して宮崎にUターンした若いアーティストさん。宮崎で何かできないかと考え、商店街をアートマーケットで盛り上げることを企画した。
「事前調査で費用が5万円かかることがわかったそうです。社会人だからご本人が出せない金額ではなかった。でも、自分が出すのではなく、共感して支援してもらいながらやりたいという想いで、クラウドファンディングに初挑戦されました。
クラウドファンディングがまだ知られていない時代でしたから、商店街の方などに『クラウドファンディングとはこういうもの』とゼロから説明して、14名の支援者を集め、第1回が開催されました。このアートマーケットはその後も何十回と続き、町の恒例イベントに成長しています」(照井さん)
僅か5万円ではあるけれど、この5万円、この14名が集まらなければ、1回目は開かれず、町の恒例イベントが生まれることもなかった。
「クラウドファンディングで0から1に想いを実現し、その後は活動を着実に育てることに成功しています。地域でのクラウドファンディングの見本的な活用事例だと思います。支援してくれた方々がその後も応援してくれたり、関わったりしてくれたことも良いポイントですね」(照井さん)
もう一つ、照井さんがクラウドファンディングの活用事例としてあげたのは、青森のパン屋さんによる、テストマーケティング的な活用法だ。
最初の挑戦は2018年。りんごの産地青森ならではの商品を開発できないかと考え、1.5斤の食パンの中に青森産のりんごが5個以上入っている商品を開発。名付けて「ずっしり贅沢りんご食パン」。パン屋さんには作る技術はあるが、売り方がわからないと、照井さんに相談が持ち込まれた。
「これから世に出すタイミングで相談いただき、一緒に何か仕掛けましょうという話になりました。価格も名前もまだ決まっていない段階。この価格でどれぐらい購入いただけるのか、どの程度興味関心を持っていただけるのか、まずは世に出して反応を見るという挑戦でした」(照井さん)
プロジェクトオーナーさんは、当時、3店舗を経営しており、地域ではよく知られているパン屋さんだった。それでも地方のパン屋さんでは採算をとるのは難しく、日本各地に羽ばたく商品が必要ということでの挑戦だ。
1.5斤で3,000円という思い切った高級路線の価格設定でチャレンジした結果、全国各地から支援が集まり、目標金額の50万円を軽々と突破。期間中には日経をはじめとしたメディアにも取り上げられ、認知を拡大することにも繋がり、2ヶ月後に総支援額839,000円で終了する。
「非日常の贅沢ギフトという路線でニーズがあること、価格設定も悪くないことがわかったので、クラウドファンディング終了後に通常販売を開始。今では大人気商品に成長しています。
支援金が集まったことはもちろんですが、通常販売の開始前に全国に青森発の商品をPRし、たくさんの方に興味関心を持っていただいたことに価値がありました。食べた方からはとても美味しかったと感想もいただき、パン屋のファン獲得にも繋がっています」(照井さん)
その後も2回に渡ってクラウドファンディングに挑戦しており、その度に興味を持ってくれる人、リピーター、ファンになってくれる人が増えている。
「新規商品開発はなかなか手探り状態で戦うことになりがちですが、まずは世の中に出して市場の反応を見ることができると良いですよね。それを実行し認知拡大、ファン獲得につなげ、そのファンの方々はリピーターとしてロイヤルカスタマーになっていく。テストマーケティング的な活用から顧客獲得、販路拡大につなげているお手本事例です」(照井さん)
「地域に関わる人を増やすようなことに活用してほしい」という想いを胸に、クラウドファンディングを通じて色々な人たちが様々な地域に関われる仕組みを作ってきた照井さん。
「人が関わってくれる仕組みづくりをクラウドファンディングを通じて実現することにとても可能性を感じています。出身地を出た人がクラウドファンディングで支援することで地元に関わりを持ち続けたり、逆に全く違う地域の魅力的なプロジェクトを支援して、クラウドファンディングをフックにして地域に参加するような使い方です」(照井さん)
照井さんが『FAAVO』に参画したのも、「出身者と出身地をつなげる」というコンセプトに共感したから。大学進学を機に出身地の秋田県横手市を離れることになり、地元を離れていても地元に貢献し続けることがしたいと考えていた時だった。当時まだクラウドファンディングの認知度は低かったが、地域とクラウドファンディングの相性の良さを感じていたという。
最近、横手市の高校生がカフェを始めるプロジェクトに挑戦し、照井さんも支援している。「高校生が声をあげて、それを応援する大人たちがいた幸せな事例です」と笑みを浮かべた。
「関係人口づくりの例としては、ピザ窯の制作から一緒に体験できるプロジェクトがあげられます。自分が作ったピザ窯で焼いたピザを食べに行くのと、美味しいという評判のピザ屋さんがあるから行ってみるのとは全然違う。自分が支援した何かがある場所を訪れるという、単なる観光とは違う体験ができるんです。
支援がきっかけで訪れた地域の他の魅力を知ってファンになる。そういった今までとは違ったアプローチで生まれる素敵なつながりや出会いを増やしていきたいですね」(照井さん)
そのためにも、CAMPFIREは「一人でも多く一円でも多く、想いとお金がめぐる世界をつくる」をミッションに、できる限り多くの人たちに活用してもらえる仕組み作りに引き続き力を入れていく。
「プラットフォーム側の主観に立った判断を避け、世の中の人たちにニーズや魅力を判断してもらいたい。そのためには、まず市場に出してみるところが大事です。プラットフォームとして、できるだけハードルを下げると同時にリスクを配慮して、より挑戦しやすい環境を創っていきたいと思います」(照井さん)
プラットフォーム側の主観に立った判断を避け、世の中の人たちにニーズや魅力を判断してもらいたい。そのためには、まず市場に出してみるところが大事です。プラットフォームとして、できるだけハードルを下げると同時にリスクを配慮して、より挑戦しやすい環境を創っていきたいと思います。照井 翔登 株式会社CAMPFIRE
●日時:2022年4月21日20:00~21:30
●場所:オンライン(Zoomを使用する予定)
●内容:
▼「CAMPFIRE」と「WHERE」の担当者トークライブ
クラウドファンディングへの思いや、活用事例はもちろん、失敗事例などここでしか話せない赤裸々トークを予定しています!
▼CAMPFIREとLOCAL LETTERがタッグを組んで行う、プロジェクトの説明
イベント終了後、アナタのクラウドファンディングへの挑戦を無償で、全力で、応援するプロジェクトを始動します!
詳細はこちら>>>https://localletter.jp/events/campfire-crowdfunding/
※CAMPFIREからのお得な情報もあります!
▼担当者とのオフレコ座談会
※トークイベントイベント終了後に、より担当者と密に交流できる座談会を地域共創コミュニティ「LOCAL LETTER MEMBERSHIP」のメンバー限定に実施する予定です。自分の実現したいプロジェクトのイメージや、「なんとなくこんなものを作ってみたい・やってみたい、はあるけれど、クラファンできるの?」など素朴な疑問や相談にのることも可能です!
LOCAL LETTER MEMBERSHIPの登録は初月無料。座談会の参加を希望される方はこちらもご登録をお願いいたします!
●登壇者:
●ファシリテーター:
Editor's Note
私が初めてCAMPFIREで支援をしたのは、2017年。その後、他のプラットフォームも含め、年に数件支援しています。その間にクラウドファンディングの市場規模は急速に拡大し、支援金額も大きくなり、中には5億円以上の支援を集めるプロジェクトも出てきました。
資金調達手段として注目される一方で、問題も生じている気がしています。そういった私の疑問にも照井さんが丁寧に答えてくださいました。
「クラウドファンディングはあくまで手段であり、過程。スタートラインに立つためのものなのを忘れないことが大事」という照井さんの言葉に頷きながら取材を終えました。
FUSAKO HIRABAYASHI
ひらばやし ふさこ