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LOCAL LETTER

キャンプを仕事にした地域おこし協力隊。卒業後のキャリアとは

APR. 14

拝啓、好きを突き詰めた働き方を模索したいと考えているアナタへ

コロナ禍で追い風になったキャンプブーム。そんな中、キャンプを楽しむだけでなく、「自分のスキルとアイデアをいかしキャンプ場の場づくりをしたい!」と考えている方も多いのではないでしょうか。

そんなアナタにお届けするのは、福岡県赤村の地域おこし協力隊『キャンプライフ・コーディネーター』という働き方。

実際に『キャンプライフ・コーディネーター』として現役で働いている方々をゲストにお招きし※1、「キャンプ×場づくり」の仕事の魅力とキャリアの可能性、取り組む際のポイントについて紐解きます。

※1 本記事は、NPO法人グリーンズが実施した『あなたのアイデアで、キャンプ場を盛り上げよう。「キャンプ×場づくり」の仕事の魅力と可能性 co-presented by 福岡県赤村』と題して行われたオンラインイベントの様子をまとめた内容の後編です。

起業や旅など。任期を満了した3人が語る、地域おこし協力隊の今後のキャリア

山中(司会)ここからより深い質問をしていきたいのですが、まずは今年で任期が満了する3人に、今後のキャリアを伺いたいです。

山中康司(やまなか こうじ)さんグリーンズジョブ チーフエディター / 生き方編集者 /「生き方」をテーマに、編集・執筆・撮影・対話の場づくりに取り組む。関心領域はキャリア・ライフスタイル・家族・パートナーシップ・ナラティブ。グリーンズ求人では、プロジェクトマネージャーをつとめる。その他関わっているプロジェクトは、「グリーンズジョブ」「Proff Magazine」など。国家資格キャリアコンサルタント保有。

藤木予定通り、赤村で起業する予定です。今の続きというか、企業や自治体が持つアウトドアで叶えたい想いを一緒に企画できるような会社設立を目指します。

藤木彩(ふじき・あや)さん キャンプライフ・コーディネーター(地域おこし協力隊)/ 大手酒メーカーのマーチャンダイザーとして、マーケティング、PR方法を学び、その後アウトドアメーカーで販売員としてアウトドア市場の傾向と顧客動向を学ぶ。趣味であったキャンプ業界で、培った知識を活かせないかと感じていていた時に、キャンプライフ・コーディネーターという仕事に出会い、赤村に移住。現在は、源じいの森の他にも、その他自治体のアウトドア事業へのアドバイス、 アウトドア撮影コーディネート、イベント企画なども行っている。

山中(司会)すごいですね!地域おこし協力隊としての3年間が活かされた感覚はありますか?

藤木このお仕事を通じて知り合った方から波及しているので、とても素晴らしい経験を積ませてもらいました。

竹田私は全く違う業種にチャレンジしようと思っています。この仕事を通じてイキイキと働いている方々にたくさん出会ってきたことで、「そんな方が一人でも増えたらいいな」と思ったんです。今後はそんな方々のキャリアを支援するような業務をしたいと勉強中です。

竹田美理(たけだ みさと)さん キャンプライフ・コーディネーター(地域おこし協力隊) / アウトドア用品店で店舗運営を経験後、 半年ほどバックパッカーで海外のロングトレイルを歩き、 帰国後にゲストハウスで働く。間口の広さに魅力を感じ、 赤村へ移住。イベント企画などを通して、 人それぞれの価値観を大事にできるチームづくりに興味を持ち、キャリアやコミュニケーションについて勉強中。

山中(司会)一見違う分野に見えますが、竹田さんの中では繋がっているんでしょうね。本田さんはどうですか?

本田移住をしたことがきっかけで、できることが増えていくことや、いろんな人に会えたことが楽しかった。子どもも「いろんなところ行ってみたい」と話していたので、数年スパンで地域を転々とするような生活をするのもいいなと思っています。

本田真弓(ほんだ まゆみ)さん キャンプライフ・コーディネーター(地域おこし協力隊) / 2020年5月に千葉県船橋市から赤村に移住。主な活動は源じいの森キャンプ場でのイベントの企画、チラシや看板などのデザイン業務、SNSでの情報発信等。

山中(司会)「できることが増えた」とは具体的にどんなことがあるのでしょうか?

本田私は本来怠け者なんですけど、地域に関わる中で、強制的にその地域にあったアップデートをしないといけないと気づいたんです。元々運転は苦手でしたが、毎日山道を通っていたことで峠が好きになったり、クラフトで作った物をメルカリで売ってみたりとか、今までできなかったことが親子共々できるようになって楽しいなって。

三方良しな地域おこし協力隊の仕事!それぞれが感じた喜びエピソード

山中(司会)キャンプライフ・コーディネーターをやって嬉しかったエピソードってありますか?

竹田『源じいの森ファーム』という農業体験の企画運営をしていますが、お客様や『自然学習村 源じいの森』の職員の方からも「ありがとう」とたくさん言っていただいたことですね。

山中(司会)普段仕事をしていても、直接感謝を受け取れない職業もありますもんね。本田さんはどうですか?

本田『赤村ふるさと竹あかり』のイベントでの出来事なんですが、竹あかりの制作をしてくださっている年配の方が「地域の役に立ちたいけど、仕事も引退したし、なかなか機会がない」と話されていたんです。でも、地域との接点ができて「いつでも力になるから気軽に電話かけて」と喜んでくださった。それがとても嬉しかったです。

山中(司会)キャンプライフ・コーディネーター(地域おこし協力隊)の仕事って三方良しというか、キャンプに来るお客さんも幸せにするし、地域の方も幸せにするし、それを見ることで働く自分たちも幸せになるお仕事んだなと改めて思いました。藤木さんはいかがですか?

藤木私たちがつくった『源じいのスパイス』を、静岡県の『ふもとっぱらキャンプ場』のイベントで販売したことがあったんですが、そのときのお客様が私たちの仕事に興味を抱いてくれて、実際に『源じいの森』に来ていただいたことがあったんです。

山中(司会)え!静岡から福岡まで!すごく遠いですよ!

藤木そもそも『源じいの森』を知らなかった方なのに、私たちがきっかけで、行動が生まれたのを見てとても感動しました。

山中(司会)その方はキャンプライフ・コーディネーターのことを何か話されていましたか?

藤木「こういう仕事もあるんだ!」と気づきがあったみたいです。多分こういう仕事ってそもそも今までなかったですし、「楽しそう!」って。

山中(司会)僕がはじめて『源じいの森』へ行った時は冬だったので、全然お客さんがいなかったんですけど、最近は冬でも人がいるし、みなさんの活動のおかげで興味をもった方々が来てくださっているんでしょうね。

向いている人はどんな人?「ワクワクセンサー」や「やってみる精神」を持つ人大歓迎!

山中(司会)「こういう方はキャンプライフ・コーディネーターに向いてるかも」はありますか?

本田:ワクワクするセンサーが高い人がいいと思います。「これやってみたい!あれやってみたい!」と思う方は、みんながやりたいことを後押ししてくれる土壌があるので、とてもやりやすい。

山中(司会)ワクワクセンサー!確かにそうかもしれません!竹田さんはいかがですか?

竹田アウトドアが好きな方というのはもちろんですが、アウトドア業務以外も多いので「まずはやってみる!」の精神がある方は向いているなって。

山中(司会)3人のお話を聞いていると、現場でお客さんとコミュニケーションとることをはじめ、マーケティングやイベント運営など、いろんな仕事がある印象です。だからこそ「私はこれだけしかやりたくない」みたいな人だともったいない気がしますね。藤木さんはどうですか?

藤木何かを掛け合わせる力というか、自分が進めたい方向だけではなく、形を変えて実行しなければいけないこともあるので、柔軟に何でも対応できる方のほうが楽しんで挑めるかもしれないですね。

山中(司会)凝り固まった考えじゃなくて「キャンプ場で恋活イベントやったら面白いんじゃない!?」ってことですよね。そういう意味では、アウトドア業界にいた方ももちろんいいですし、何か全然違う業界で働いていた方も面白いかもしれません。

それぞれの状況を楽しめる方!支える側から見た適任者とは

山中(司会)最後に、キャンプライフコーディネーターを支えてこられた、福岡県松村・地域おこし協力隊受け入れ担当の松本さん、自然学習村源じいの森支配人の庄﨑さんからもご意見いただきたいです。

松本3人が言った通りで、いろんな場面に応じて状況の転換をしていただく必要もあるので、調整を楽しめる方がいいと思いますね。

松本優一郎(まつもと・ゆういちろう)さん 福岡県赤村 地域おこし協力隊受け入れ担当 / 福岡県赤村役場職員として19年目。「何もない。だが、それがいい。」をモットーに、周回遅れのトップランナーを目指し、企画係長として地域資源の良さをいかに外部に伝えるかを日々模索中。関わっている事業は、「地方創生」「地域おこし協力隊」「移住施策」「空き家バンク」など。

山中(司会)このお仕事は関わる人が多いですもんね。でもそれをキャプライフ・コーディネーターたちだけで背負うのではなく、松本さんや庄﨑さんも一緒に考えながら日々試行錯誤されてはいる感じですよね。庄﨑さんはどうですか?

庄﨑似た回答になりますが、色んな役割を楽しめる人が向いていると思いますね。自転車で例えるとハンドルのときもあれば、ペダルやタイヤやサドルになるときもある。極端に言うと、それらの役柄を演じてもいいので、できる人に来てもらいたいですね。あとは大きな声で挨拶ができる人!(笑)

庄﨑茂(しょうざき・しげる)さん 自然学習村源じいの森 支配人 /  昭和43年生まれ。福岡県福岡市出身。地元の高校、大学を卒業後、新聞社関連のイベント会社に入社。 40代になって初めて県外に移住し、 熊本県内の温泉観光協会で観光や地域活性の事業に関わるようにな る。平成26(2014) 年4月から福岡県内の温泉旅館協同組合事務局長に就任し、 同地の広域観光協会の理事職も務める。 全国初の地域プロジェクトマネージャー募集が県内の赤村でおこなわれることを知り応募、採用され、 平成3年5月より赤村地域プロジェクトマネージャーとして一般財団法人 源じいの森支配人に着任。

山中(司会):ありがとうございました。今日のお話でキャンプライフ・コーディネーターのイメージが湧いたのではないでしょうか。是非いろんな働き方、あなたのスキルが活かせる仕事があると知っていただけたらと思います!

Editor's Note

編集後記

それぞれの立場からのシェアを通じていろんな学びがあったオンラインイベント!「キャンプは趣味」と割り切っていた方にとっても、新しい生き方が模索できるチャンスなのではと感じました。

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