廃校利活用
※本レポートはPOTLUCK YAESU様、株式会社SHIFT PLUS様のスポンサードによって行われた、地域経済活性化カンファレンス『SHARE by WHERE』の1コンテンツ・ローカルプレイヤーセッションを記事にしています
2008年を皮切りに人口減少に転じている日本。その影響の一つに廃校問題があります。
今回ご紹介するのは「廃校を活用した教育旅行の拠点作りを行いたい!」と、栃木県矢板市で奮闘している手塚将之さんの事業アイデア。
都内で活躍しながらも2020年に地元・矢板市へUターンし、家業を継ぎながら地域おこし協力隊として活動する手塚将之さんが考える「廃校を活用した教育ビジネス」とはーー。
手塚氏(以下、敬称略):まずは活動拠点の矢板市について紹介します。矢板市は栃木県の中の宇都宮と那須・日光のちょうど真ん中に位置する場所です。
手塚:矢板市の人口は約3万人。条件がそろわらないと現れない幻の滝「おしらじの滝」や、日本遺産に指定されている「リンゴ」があるほか、ダムを活用したカヤックやSAP体験など水上アクティビティも充実している町です。
手塚:新卒から約10年、矢板市を離れ都内で仕事をしていましたが、2020年にUターン。矢板市を拠点に活動することで見えてきたのが「町の課題」でした。
手塚:少子高齢化や空き家問題、観光資源が点在しているなど、日本全国共通の課題に矢板市も直面しています。そんな中、僕には課題解決のために地域創生として矢板市で実施したい3つのフェーズがあります。
手塚:3つのフェーズの一番土台となる部分が、今回メインで進めたい「環境観光拠点づくり&地域のファンづくり」です。
手塚:環境観光拠点づくり&地域のファンづくりを目指して、実施を考えているのが「廃校を活用した教育旅行の拠点づくり」。廃校を宿泊施設として再構築し、同じ場所にシェアオフィスの設立を検討しています。一般的な修学旅行の客単価は平均1万円ですが、今回実施するサービスでは、客単価1万5,000円を設定する予定です。
手塚:想定の顧客ターゲットとして「教育旅行」を主軸に事業を展開する設定で、スポーツツーリズムやインバウンドスポーツ合宿などを想定した「スポーツ合宿」を合わせて、計6つの項目で展開する予定です。
手塚:フィールドの強みとして、矢板市の森林の多さに注目しています。矢板市は、町の半分以上が山や森林のため、その全ての場所をフィールドとして扱えるような教育旅行を作成し、産業としての林業ではなく、次世代に森を守るための林業体験を構築したいと思っています。
手塚:それ以外にも、観光体験と農業体験を用意して体験としてのコンテンツも充実させ、町の課題に対してアプローチできる事業も構築する予定です。
手塚:教育旅行を1.0や2.0、3.0と定義したときに、今までは「体験で止まっていた」とも捉えることができるので、体験のその先「もう一つ付加価値をつけるとしたら何だろう?」を今後考えていきたいと思っています。
教育旅行3.0に挑もうと本格的に動き始めている手塚さん。今後、地域内外でのブランディングや、現地での視察ツアー、クラウドファンディングなど挑戦も盛りだくさん。一緒に奮闘する仲間や応援者も募集中です。
「教育旅行」をキーワードに地域課題に向き合う手塚さんのこれからから目が離せません。
Editor's Note
日本全国でも問題になっている廃校問題。さまざまな利活用が取り上げる中で「教育旅行の拠点」という新たなアイデアを模索している手塚さん。地域にある豊かな自然資源を活用しながら進める事業、とても楽しみです!
YURIKA YOSHIMURA
芳村 百里香