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LOCAL LETTER

副業以上の関わり、協働で成果を出す。長年の課題”産業廃棄物”へ挑戦

MAR. 14

拝啓、長年悩み続けた「産業廃棄物」を使った、新規事業立案の過程を知りたいアナタへ

鹿児島を代表する産業の一つである、焼酎。

その歴史は古く、江戸中期まで遡るとも言われています。そんな中問題になっているのが、焼酎をつくる過程に大量に生まれる「焼酎かす」。

今回ご紹介するのは、「産業廃棄物として処理するのではなく、なんとか活用できないか」「鹿児島の産業へ貢献したい」という想いから生まれた「焼酎かす」を活用した新規事業。

畜産・養殖業へ電気設備に携わり鹿児島県の経済を長年支え続けてきた「株式会社栄電社」と、外部人材が地域企業の伴走支援を行う『協働日本』の両者がタッグを組むことで、大きな事業進展が生まれていきました。

協働で生み出された、サーキュラーエコノミーとはーー。

年間20万tの焼酎かす。ターゲットを絞ったことで事業化へ!

村松株式会社栄電社は、発電機や上下水道地図管理、気象・環境・精密測定危機など、幅広い電気設備に関わってきた会社です。

協働日本との伴走により、長年鹿児島県で問題視されていた焼酎かすの活用の新規事業が生まれましたので、株式会社栄電社さんの川路さんからお話をいただきます。

村松 知幸(Tomoyuki Muramatsu)さん (株)協働日本 代表取締役社長 / 大学卒業後、ハウス食品グループ本社(株)でグローバル人事セクションを立ち上げ、経営企画、M&Aマネージャーを経て、中堅製薬会社の海外事業開発Director、戦略コンサルティングファームの取締役を経験。現在は現職のほか、(株)スカラパートナーズ共創事業部長、一般社団法人熱会 代表理事兼Cofounder、(株)Funleash COO兼事業開発責任者、至善館大学院の評議員を務める等、複数の企業の経営、 事業開発に携わるパラレルキャリアを実践している。大学院大学至善館 評議員

川路実は焼酎かすは、焼酎の製造量の約2倍産業廃棄物が出ていまして、その量は年間約20万tぐらい。さらに焼酎かすは、粘性が強く腐敗しやすいことから「活用は難しい」と言われていましたが、「なんとか活かせないか」と2017年から弊社で研究開発を行っていました。

川路博文さん

川路その研究の成果として生まれたのが、SPL液(焼酎かす乳酸発酵液)。焼酎かすの短所を解決した、飼料・肥料です協働日本さんと協働する前は、大学と連携しフィールドでも実験を進めるものの、SPL液をどの企業に打ち出していくのか、ターゲット設定が難航していました。

川路協働日本さんと話を進めていくなかでクリアになったことは、乳牛と魚の養殖事業者にターゲットを絞ること。

当初はターゲット層が大きい肉牛や豚を考えていたのですが、「乳牛に使用することで乳量が増えた」という数値データが出ていることから、ターゲットを乳牛に集中させることにしました。その甲斐あって、焼酎工場と農業の連携も決まり、現在事業化を進めているところです。

川路魚の養殖に関しても水産物のブランド化に注目。「地元の焼酎かすを使った魚」を打ち出したことで、商社の方からも共感を得ることができ、こちらも事業化に向けて取り組みを行っています。

『協働プロ』たちによる伴走の価値。様々な業界のプロたちからのアドバイス

川路協働日本さんは一般的なコンサル企業のように指示を出すだけではなく、同じチームとして向き合ってくださっていると強く感じていて一方的にアイディアを提供するのではなく、共に悩み、考え、歩んでいただいたことに感謝しています。

また、協働日本さんには『協働プロ』とよばれる様々な業界のプロがチームに所属されているので、事業戦略、マーケティング、営業提案まで具体的な打ち手に対するアドバイスをいただくことができました。

川路社内だけで協議を進めると、どうしても同じ方向性に向かってしまうことが多くあるのですが、フィールド試験の結果を元に、協働プロの皆さんが知恵を惜しみなく提供してくださることで、今回の成果に繋がったと感じています。

SPL液で地域活性化!「何のため」が際立ち共感へ

川路今後はSPL液を活用し、更なる地域の活性を図りたいと思っています。今回は素敵な機会をいただきありがとうございました。

村松川路様ありがとうございました。焼酎は鹿児島を代表する産業ではありますが、廃棄物の問題を長らく解決できずにいました。当初は「SPL液をどう売るのか」という課題でしたが、栄電社さまのお話を聞いていくうちに「何のために」という核の部分がブラッシュアップされたことで、事業化に向けての動きが活性化されたと考えております。

Information

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Editor's Note

編集後記

長年の課題展を逆手にとったことで共感が得られたすばらしい事例。まだまだ可能性が広がりそうな内容に興味津々です!

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