IBARAKI, YUUKI
茨城県結城市
2020年10月17日(土)。
茨城県結城市で街なか音楽祭 “結いのおと” が開催された。
今年で7回目の開催になる “結いのおと” は、街なか音楽祭の名の通り、結城市の街中の至るところをステージに、アーティストが演奏を行うイベント。
時には、結城市を代表する寺院や酒蔵がステージに。
時には、昭和初期に別荘として建てられた日本料理店がステージに。
時には、フランスの片田舎に迷い込んだかのようなカフェがステージに。
「こんなところがステージになっちゃうの?」と驚かずにはいられない場所をステージにできるのは、まちの人たちの応援と、運営者の結城市や音楽が好きというこだわりがあるからだろう。
とはいえ、今年のステージは、今までとは運営メンバーにとっても大きな挑戦だった。新型コロナウイルス(以下、コロナ)の影響で、音楽祭はもちろん、数々のイベントが中止になる中、 “結いのおと” の開催も中止の2文字がよぎる。
毎年実施していた4月の開催は、10月への延期を決定。先行きは誰にも見えない。ただ、初めて “結いのおと” を開催した2014年から大切にしてきたのは「継続すること」。
最初から、まちの人たち全員から理解を得られるわけではなかった。不安の声、心配の声もある中で、それでも「好き」を大切に続けてきた “結いのおと” 。
だからこそ、全てを中止にするのではなく、ここで新しい音楽祭のスタイルを成功させたい。今後、結城市で生まれる様々なアクションが途切れることなく、しっかりと未来へ繋げていくためにも、たとえ小規模であったとしても “今年も開催しよう” と決断がくだされた。
ステージ数も参加数も例年の1割と大幅に縮小し、開催を発表した “結いのおと” 。100名限定のチケットは、わずか半日で完売を果たした。
当日はあいにくの雨だったにも関わらず、 “結いのおと” を心待ちにしたファンが朝から駆けつける。カッパでカラフルに彩られた会場。全員がずぶ濡れになりながら、ステージを楽しんだ。
“結いのおと” を運営するのは、2010年からまちの若者が中心となって始めた「結いプロジェクト」。
彼らは “結いのおと” に限らず、毎年2万人を超える参加者が訪れる、様々な人・モノの縁の結びつきをみんなでつくるお祭り “結い市” や、まちの風景と関係性を育んでいくプロジェクト “結い暖簾アートプロジェクト” など、幅広いイベントを実施。
さらにこの「結いプロジェクト」は、年に1回の魅力的なイベントだけでなく、「結いプロジェクト」の拠点となる「yuinowa」を活用し、新たに結城市で飲食店をオープンさせたいチャレンジャーのための “チャレンジキッチン” を毎週開催していたり、各界のプロフェッショナルを招いて仕事哲学を学ぶ “むすぶしごとLABO” を実施したりと、日常的にも魅力的なイベントを仕掛けているから驚かされる。
一度、結城市に関わると「好き」になってしまう人が多いこのまちだが、まだまだ「初めて知った」という人が多いことも実情だろう。「いきなり結城市に足を運ぶのは大変」と思う人がいるのも当然だろう。
そこで、結城市の魅力に「もっと手軽に触れてほしい」と、今回新たに、結城市と結城市を知りたい人を結ぶお便り「yuibumi」をリリース。
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Editor's Note
コロナによる規模の縮小に加え、当日はあいにくの雨にも関わらず、最前列で熱心に音楽に耳を傾けるお客さんたち。最後には坂本美雨さんがアンコールに応える形で、お客さんの体調を気遣いながら音楽を届け切る姿が印象的でした。
決して好条件とはいえない中でも、この場に集まった全ての人たちがお互いを思い合い、こんな今だからこそ味わえる音楽を体感する時間。結いのおとをはじめ、これからの結城市のチャレンジに、目が離せません。
NANA TAKAYAMA
高山 奈々