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LOCAL LETTER

企業の地方進出。出身・肩書き問わず、社員が惚れるまちの条件とは

MAR. 27

拝啓、地方進出で得られる社員や地域の変化を知りたいアナタへ

企業の地方進出。単純に拠点が増えることだけでなく、地域とより密接に関わる好循環が生まれることから、都心から少し離れた場所に拠点進出を検討している企業も増えてきています。

そこで今回お届けするのは、新潟県糸魚川市が主催した、『糸魚川に惹かれたMOVEDの世界に迫る 〜「心を動かす」職人・アスリート達のココロが動いちまったよ編〜』と題し行ったイベント。

テレワークが叫ばれる以前から全社員がフルリモートで働いてきたのにも関わらず、第2の故郷と呼べる場所として糸魚川市へ拠点進出した株式会社MOVED

今では従業員だけでなく、従業員の家族も含めて、糸魚川を楽しみ尽くしているのだとか。本イベントでは糸魚川市に拠点を出した理由や、地域進出のメリットを赤裸々にお伝えしていきます。

外と中が混ざることで見えてきた、新たな可能性とはーー。

縁のなかった人たちまでが訪問!楽しむことで得られた社員同士の影響も

山崎改めて、私と株式会社MOVED代表取締役の渋谷さんとの関係をお伝えします。前編で渋谷さんがお話してくださったのですが、一番初めに渋谷さんがお仕事で糸魚川に来られた際のプレゼンでとても心が動かされたんですよね。話の内容ももちろんそうなんですが、「この人が喋ると、なんでこんなに心が動くんだろう」って興味を持っちゃって。

懇親会の席で「糸魚川市の副市長になってください」って話をした思い出があります(笑)。それぐらい渋谷さんの持つエネルギーを感じたというか、こんな人が糸魚川に来たら新しい風が吹くなって。懇親会終わりに握手をして、それから3年が経ち、僕の念願叶ってMOVEDさんの拠点進出になりました。

山崎 和俊さん 糸魚川市 企業支援係長 / 地元の糸魚川高校を卒業後、憧れの東京暮らしを経てUターン。(Uターン理由は満員電車が嫌いだったため)糸魚川の暮らしを「#どこへ行くにもまあまあ近い」と評して、糸魚川ライフを発信する。市商工観光課では、サテライトオフィス整備、テレワークオフィス運営、糸魚川創成塾、糸魚川なりわいネットワーク等の事業を担当。糸魚川産業創造プラットフォームは立ち上げから関わっている。

渋谷あの後、1年間で6回ぐらい糸魚川に来ましたよ。

山崎みなさん完全自費で来てもらってますけど、来られた時は一緒に美味しい魚を食べたりして。しかもそれを渋谷さんがSNSに投稿したことで、従業員のみなさんも影響を受けてしまったという(笑)。

渋谷あんなに頻繁に投稿してたら、「社長いいな」って「糸魚川いいな」って思いますよね(笑)。

渋谷 雄大 さん 株式会社MOVED 代表取締役/ 1986年生まれ。東京都江東区出身。株式会社 MOVED 代表取締役。2011年よりICTコミュニケーションズ株式会社 コンテンツビジネス事業部長として、IT研修講師・コンテンツ開発を経験。2015年よりサイボウズ株式会社のエバンジェリストとして、クラウドサービス「kintone」の普及活動を中心に、年間150回以上の講演・セミナーを担当。2018年9月に株式会社MOVEDを創業。自身のリアルな経験を活かした伝わるプレゼンの指導を強みとしている。過去、鍼灸師・スポーツトレーナーとして活動した経歴も持つ。著書「伝わるプレゼンの法則100」(大和書房)Voicyチャンネル「自分らしい働き方に近づくラジオ」https://voicy.jp/channel/1961

山崎『あなたと私をつなぐ地方創生“じぶんごと”プロジェクト「糸と魚と川」』を始めたきっかけも、2021年に糸魚川の仲間と渋谷さんたちでキャンプをしたことなんですよね。焚き火を囲みながら今後の糸魚川のことで盛り上がって。

その思いが通じて、今日のイベントでは北は北海道、南は福岡から視聴者の方が糸魚川に集まってくれて。嬉しい変化を感じますね。MOVEDのメンバーは何か感じるところはありますか?

コジロウ最初「糸魚川」って何て読むかもわからなかったのに、今では住んでる扱いされてるぐらいなんですけど(笑)、僕は親子ワーケーションをSNSにシェアしたことで、友達の友達が繋がって、糸魚川に縁のなかった人たちまで来るようになっています。

コジロウ 動画制作 配信エンジニア / 1984年生まれ。三重県出身、愛知県在住。二児の父。MOVEDにて2022年2月から動画制作とイベント配信を担当。バンドやBMXチームなどのMV/DVDの映像制作やイベント取材、企業VP制作などに携わる。また、SIerやITコンサルを経て、現在は複業でサイボウズ株式会社にも在籍。愛知県弥富市にJターンで移住し、子育てやまちづくり、家庭菜園、ローカルWebメディア運営、おもちゃドクターなども強い興味を持って活動している。「やっとみつけた、弥富」にて編集長と「OTONAMIE」の記者をしている。

周りもそうなんですが、私はメンバーから影響を受けています。それこそ、コジロウさんが親子ワークショップに参加される様子をSNSで見て「短期間じゃなくて1週間2週間ないと満喫できない!行きたい!」みたいな(笑)。

山崎僕らとしても拠点ができたのは大きいですよね。

小林僕なんか、周囲2時間で歩ける範囲は全部歩きましたよ。糸魚川の店の位置とかはほぼ覚えました。

小林 信也さん 働き方デザイン事業部事業責任者・プロ雑用 / 1979年生まれ。東京都港区出身。高専卒業。印刷会社やリクルートを経由して、2014年からアソビューにジョイン。2019年にkintone hive 東京に登壇し、同年東京代表としてkintone AWARDで登壇。MOVEDには2020年の3月にジョインし、現在はアソビューとMOVEDの複業生活。働き方トレーナーとしてお客様の課題に一緒に向き合いながら、業務改善支援、DX支援など通して顧客自身の自立に関与している。MOVDEでは、代表渋谷とともに企業の基盤づくりにも注力し、さまざまな施策に取り組んでいる。状況把握力、整理整頓力、分析力に定評があり、特に炎上案件の鎮火を得意とする。
業務内容を問わない働きから、プロ雑用と呼ばれている。

山崎さすがです。小林さんは本当に僕らよりも糸魚川のこと知ってますからね!

渋谷小林は道案内もスーパーの名前とかで指示してくるんですよ(笑)。「どこどこのスーパーを左へ曲がってください」みたいな。完全に地元の人!

糸魚川は歴史の混在!?外から見ることで気が付く地域の魅力

山崎会場の方から質問をいただきました。「MOVEDのみなさんから見て、糸魚川の一番の魅力はなんだと思いますか?」とのことですが、いかがでしょうか?

コジロウ人って言っちゃうと、くくりが大きくなっちゃいますけど、糸魚川の人たちの心意気かな。外から人が来ても警戒せずに、「誰か来たぞ!」って好奇心で関わってくれるんです。「どっから来たの」って声をかけてくれる。昨日はスキー場のリフトのおじさんと喋り倒しましたね。そういう雰囲気が普通に存在してるのが糸魚川って感じで好きだな。

:町の人の糸魚川愛の凄さですかね。地元のことをあまり話さない県もある中で、糸魚川の人って「糸魚川素敵でしょう!また来てね!」ってすごい地元愛を感じる。相手に「来てね」って自信を持って言えるところがいいのかなって。

齋藤 瞳 さん 業務改善アドバイザー cloud university 事務局 株式会社MOVED cloud university事務局 働き方トレーナー、合同会社One Second 共同代表 / 福島県福島市在住。福島県内のソフトウェア開発会社でプログラマー、SEを経験後、社内での事業計画、経営戦略立案や業務改革等を担当。その後、2008年に株式会社アイ・フォーサイトを設立し、中小企業向けのIT経営コンサルティング事業やセミナー講師業を行う。震災や結婚・出産を経て、女性の起業支援や地元のNPO法人に関わる活動をスタート。現在は、MOVEDでkintoneをはじめとしたサイボウズ製品の教育・研修に関わるプロジェクトを担当。夫婦で旅好きで、全国各地で親子ワーケーションを体験しながら、子育てしながらも時間や場所に囚われない働き方を目指して奮闘中。

山崎僕は自信なかったんですけどねー。地元の環境が当たり前すぎたんで。でもMOVEDのみなさんのおかげで自信を持てる環境になってきたし、自分の意識も変わったなと思います。

小林初めて来たときに、町そのものに惚れました。私は散歩するのがめちゃくちゃ好きで、1日1万歩は歩くんですけど、路地裏にいい感じのお家があったりして、テンション上がりまくり(笑)。残していくべき町の風景がいっぱい残ってるのがすごいなって。

山崎町並みすごく素敵ですよね。実はこのあたりは何回も大きな火事があって、昭和や平成の雁木がまばらに残っているエリア。でも最近また燃えてしまって、ある種、令和も含めて3世代雁木があったりします。地元としては「つぎはぎ的な修復になっているのはあまり美しくないんじゃないか」と言われる方もいるんですけど、小林さんに言わせるとそれが美しいって。

小林最高ですね。アンバランスさがたまらない。綺麗に修復しちゃったら他の場所と同じになって特色がなくなっちゃうんですよ。だからこれぐらいのカオス感が歴史を語る上で最高なんです。ある種、地層と同じ。歴史によって風景が切り替わっているのがわかるのがいいですよね。

山崎やっぱり僕らと視点が全然違う。いろんな町を見た中での糸魚川を見る視点。それがいい方向に作用する気がしてならないので、これからもガッツリMOVEDさんと組みたいと思ってます(笑)。

自分が住んでいる場所以外の可能性を知る。第2の故郷としての心地よさ

山崎他にも質問がありました。「みなさんの話を聞いて、『ここに来たからせっかく来たから遊んでやろう』みたいな気持ちが見えるのですが、そういう感覚を持ち始めたのはいつ頃なのかを生い立ちも含めて聞いてみたい」とのことですが、みなさんいかがですか?

小林僕は東京生まれ東京育ちなんですけど、東京と他の地域の圧倒的な違いは変化のスピードだと思うんです。道路の形ですが10年単位で簡単に変わってしまうような場所なので、変化自体に抵抗がない。僕自身、卒業した学校が幼稚園以外、合併や廃校で全部なくなってるんですけど、かと思いきや、廃校になったはずの学校が復活してることもあって。

そういう変化を見てきたからこそ、その町に残っているものの良さがわかる。だからこそ糸井川を歩いたときに、「この町はやばい」って思ったんですよね。

渋谷私は東京の下町生まれで町に愛着はあるんですけど、僕が思う「田舎」がないんですよ。みんなが夏休みになると田舎に帰るじゃないですか、あれに憧れがあった。そういう意味では糸魚川は受け入れてくれるというか、第2第3の故郷としてすごく居心地も良い。今は子どもが勉強を頑張りたい時期なので、東京を離れられず二拠点になっていますが、いずれはその比率も5:5とか7:3みたいにその時のフェーズで変わっていくのかなって。

私は福島から出たことがないんですが、旅好きなので外を見てみたいという想いが自分の中にありました。あとは、選択肢を子どもに持ってほしいと思っていて。今福島に住んでますけど、「自分が住んでいる場所以外にも面白い場所があるんだな」っていう感覚を小さい頃から身につけていれば、大人になったときに選択肢が増えるかなって。

山崎僕たちはMOVEDさんと違って、地方自治体の職員なので、人口減少をストップさせたいっていう想いがありますが、移住はハードルの高さを感じていて。じゃあ「何ができるんだ」と考えた時に、「自分事で関わってくれる人たちを増やしたい」という想いで動いています。

今回の皆さんのように、まずはきっかけがあって、関わりが増えて、拠点を構える。今はどこからでも仕事ができる時代なので、MOVEDのみなさんのようにまずは関わりを持ってもらうことが、今後のヒントになるかもしれないと思いました。

Editor's Note

編集後記

質問にもあったように、メンバー自身が楽しんでいるのがとても伝わるトークセッション。中から見てわからなかった魅力も外からの視点が混ざる事で、新たな魅力が生まれるヒントになるかもしれません。

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