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「地域資源を活かした新たな事業や仕組みづくりに挑戦したい」
「まち全体が豊かになる持続可能な観光の在り方を考えたい」
そんな想いを持つあなたに向けて開講するのが、LOCAL LETTERを運営するWHEREによる「観光経営人材養成講座」です。今回は、実際に観光経営人材養成講座を卒業した3名をお呼びし、観光経営のリアルを伺います。
前編では、3名がどんな背景から受講を決意し、どんな視点を得たのか。講座によって芽生えた“変化の種”をひも解きました。
後編となる本記事では、講座で得た学びや視点が、いま各地のフィールドでどんな挑戦として動き出しているか。3名の「次なる一歩」に迫ります。
>観光経営人材養成講座3期の詳細はこちら<
「インプットだけでなくアウトプットの機会も多いからこそ、自分がすでに取り組んでいた事業にもダイレクトに学びが活きた」と語るのは石橋拓磨さん。講座で観光経営を体系的に学んだことで、「協業しながら地域全体を盛り上げる」ための方法が、これまでよりもクリアに見えるようになったといいます。

講座を通して、地域で活動する上でのスタンスに大きな変化があったと振り返る石橋さん。
「地域で活動している人って、自力でどんどん先に進んでいく“起業家気質”の方が多いと思うんです。僕自身もそうで、ギアを上げて突き進みがちなんですが、ローカルではあえてスピードを落とし、周りと足並みを合わせることがすごく重要なんだと学びました」
「行政側は『もっと段階を踏んで進めてほしい』と思っていたり、地域の方は『まずこの人に話を通して』と思っていたり、それぞれの立場があります。そこを気にせず突っ走ると、協業が成立しなくなる。だからこそ、あえてスピードダウンして関係性を丁寧に築いていくことが必要だと気付けました」(石橋さん)
講座の学びによって、これまでの実践知が言語化され、視野が一段広がった石橋さん。いまは倉敷という枠にとどまらず、“ローカル×ローカル”を結ぶ新しい地域プロデュースにも意欲を燃やしています。

「地域と地域をつなぐ『ハブ』みたいな存在を目指してます。例えば倉敷でつくったカフェのお客さんが、同じく卒業生の藤田さんの鎌倉の宿に旅する。逆に鎌倉での体験から倉敷に興味を持ってもらうみたいな。地域同士がゆるやかに関わりあえる流れをつくりたいなって」
地域の外から新たな風が入り、また別の地域へ風が渡っていく。石橋さんが描くのは、「地域を超えて点と点がつながり、面として広がる観光のかたち」。講座で学んだ視点が、いま確かな行動へと変わり始めています。
同じく、講座によってこれまでのスタンスが大きく変わったと語るのが木村裕子さん。
「私はどちらかと言えば“感覚派”で、思い立ったらすぐ動くタイプでした。でも、事業を継続していくためには、自分一人ではできないことも多いし、ちゃんと数字を見ることの大切さをこの講座で学びました」(木村さん)

これまでは「今進めている事業のために、補助金をどう得るか」のような、目先のことに意識が向きがちだったと振り返ります。
「補助金をもらうこと自体は悪いことじゃないけれど、それが前提になってしまうと、自分を苦しめる結果にもなる。大切なのは、その先に何をつくりたいのか。その視点が抜け落ちていました」(木村さん)
転換点となったのは、島根県・海士町のフィールドワークでの出会い。
「講師の方が“100年先を見据えて経営する”という視点を大切にされていたんです。20年以上かけて今の事業の状態がつくられてきたと聞き、衝撃でした。長い時間軸で考える大切さを、本当に体感した瞬間でした」(木村さん)

現在、木村さんは宿泊を起点に“宮代のおせっかいな仲間たち”と観光客が出会えるインバウンドツアーの実現を目指して準備中。地元の“小さな商い”を体験できるツアーコンテンツづくりを進めています。
自分の手が届く範囲だけで観光を考えるのではなく、地域の未来まで見通す発想へ。講座が広げた視野は、確かな実践へと変わり始めています。
同じくフィールドワークから大きな気付きを得たと語るのが、藤田隼也さん。
「講座の受講生に対面で会えたのが本当に良かったです。参加している人たちは、いい意味で“変”な人ばかりで(笑)食や宿泊、文化など、それぞれ分野は違うけれど、『観光で地域を面白くしたい』という想いだけは共通していた。その熱量があるからこそ、1度会うだけでも一気に距離が縮まりました」
フィールドワークで出会った仲間とは、講座後も交流が続いているといいます。
「みんなとは関わる分野も地域もバラバラ。でも、バックグラウンドが違うからこそ、出会いから生まれる化学反応が面白いと思うんです。講座後も、イベントに誘ったり誘われたりと、ゆるやかなつながりが続いています」

また、富士見町でツアーを案内してくれた講師との出会いも強い印象を残しました。
「ネットで検索しても出てこないスポットばかり。でも講師の『推しポイント』が重なることで、僕たちにとっては忘れられない体験になる。顧客目線を前提にしながらも、自分の好きを出していいんだと学べました」
この気づきは、藤田さんが取り組む鎌倉の事業づくりに、深い影響を与えています。
藤田さんが今描いているのは、宿泊・体験・文化・まち歩きが一体となった“鎌倉文化を発信する経済圏”の構想です。
民泊や地域イベントなど、いま実装している小さな事業を丁寧に育てながら、事業同士を有機的につなぎ、「鎌倉の街の魅力を多面的に味わえる観光」をつくろうとしています。

「ホテルは『泊まる場所』ではなく『地域文化を伝えるメディア』であるべきだと思っていて。将来的には、宿泊施設をハブにしながら、周辺の複数施設と連携し、点が線になり、線が面になっていくような観光をつくりたい」
鎌倉という街に散らばる文化や物語を丁寧に拾い上げ、自分自身の“好き”を起点に再編集する。観光経営の学びは、藤田さんの構想に奥行きを与え、鎌倉の未来を形づくる確かな推進力になっています。
最後に、これからローカルに踏み出すアナタへ向けて、3名の卒業生からメッセージをお届けします。
「ローカルは、飛び込まないと何も始まらないと思うんです。まず飛び込んでみることをおすすめしたい。意外と都会よりも地域のほうが、面白い人がゴロゴロいる。だからこそ、一歩踏み込めば、自分のやりたいことにつながる出会いが必ずあると思います」(石橋さん)
この“現場に飛び込むこと”の価値に、木村さんも大きく頷きます。
「都会で当たり前にスルーされてしまうようなことが、地域だとめちゃくちゃ喜ばれたりする。そういう体験をすると、『この場所で何かやりたい』『恩返ししたい』って自然に思えるようになりますよね」(木村さん)
「それに、観光という共通のテーマを持った仲間に出会えるのも魅力。迷っているなら、絶対に受講した方がいいと思います」(木村さん)
その“仲間”というキーワードに深く共感するのが藤田さん。
「僕も仲間づくりが、一番大きい価値だと思ってます。インプットだけなら、本やネットでも学べることも多い。でも、この講座には『ネットに落ちてこない実践知』がある。講師の方も、受講生も、第一線で動いている人ばかりで、そういう仲間とつながって深い情報を得られるのがいいなと思いました」(藤田さん)
「講座後にも講師に相談に乗ってもらったり、受講生同士で集まる機会も続いています。地域ビジネスって最終的には“人”がものを言う世界。熱量の近い仲間と出会えるのは本当に刺激的で、地域が違っても勉強になることばかりです。そういう出会いを求めている人には、心からおすすめできます」(藤田さん)
3人が共通して語った「人との出会い」の力。知識以上に、そこから生まれる“つながり”こそが、挑戦に踏み出す背中を静かに押しているのかもしれません。

前編・後編の2記事にわたって紐解いてきた「観光経営人材養成講座」。講座期間は約4ヵ月。全10回のオンライン講義と現地フィールドワーク(※オンラインのみのコースは除く)で、地域資源の再編集から事業構築、協業の進め方まで、実践を交えて学びます。
講座をきっかけに、新しい挑戦が生まれた卒業生たち。視点が変わり、仲間ができ、地域を見る目が深まったことで、思いがけない道が開けていきました。
いま、胸のどこかで「地域で何かを形にしたい」という小さな火が灯っているなら——
その火を、少しだけ大きくしてみませんか?思い立ったが吉日。この機会にぜひ「観光経営人材養成講座」に飛び込んでみてはいかがでしょうか。
次に、ローカルの現場で新しい挑戦を語るのは、アナタかもしれません。
観光経営人材養成講座の詳細はこちら
Editor's Note
卒業生の言葉から、「観光経営」は単なるスキルではなく、人と地域の未来を編んでいく営みなのだと強く感じました。点が線に、線が面に広がっていく瞬間に立ち会えるのは、この講座ならではの魅力。受講を迷う誰かに、確かな一歩をそっと後押ししてくれる記事になれば嬉しいです。
HONOKA MORI
盛 ほの香