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「こんな風に生きたいな」
こうした気持ちを後押しするように、身の回りにはたくさんの情報が溢れています。SNS・youtube・ブログなど、無料でも生き方や働き方のヒントが手に入るようになりました。
「でも、この人だから出来るんだ」
「自分には出来ない」と一線引きたくなる気持ちも湧いてきます。憧れる人たちはどこか違う世界を生きている、そんな感覚になることはありませんか?
今回お伝えするのは、現在開講中の「ローカルプロデューサー養成講座」について。豪華講師陣と密接に関わりながら、一緒に実践まで駆け抜けるプログラムです。
現在、25名の受講生が講座に参加してプロデュース力を習得中。リアルタイムで行われている講座を振り返りながら、この講座で身に着けることができる要素を解き明かします。
そもそも「ローカルプロデューサー」と聞いて、どのような人を思い浮かべますか?
受講生の中にも「ローカルプロデューサーとは何か、自分の言葉で言語化したい」との思いで参加している方がいました。
「おもしろい企画を思いつく」「アイデアをカタチにする力がある」こうした素質を持っている人かもしれません。とはいえ「こうなったら、ローカルプロデューサーです」という正解やゴールはないので、アナタなりの理想像が見えると行動の指針となるでしょう。
受講生からは、「今まで、プロデューサーと呼ばれる方と直接お会いした経験がありませんでした。なので頭の中では、プロデューサーってお堅い方なのかな?厳しくて笑わないような、そんなイメージを勝手に抱いていました。そんな中、ハッシーさん(講師プロフィールは後述)のプロデューサーとしての姿は180°真逆で、『気がついたら、周りに人が笑顔になっていて、人が集まってしまう』ような方で、とても驚きました」とのお声が。頭の中に描くプロデューサー像の変化が伺えます。
唯一、この講座で講師陣にも受講生にも共通するのは「ローカル」を舞台にしている・したいということ。しかしながら地域ではやりがいだけでは継続しない、さまざまな困難に直面することがあります。
地域住民とのやりとり、その土地固有の慣習との調和、持続可能な資金調達…。実際にこれらを理由に頓挫したり、行政からの補助金なしでは継続できなかったりなど、壁にぶつかるプロジェクトをよく目にします。
そんな中、地域に根ざした事業を立ち上げ、地域へ利益を還元している実践者たちが本講座の講師。かれらの経験や視点を惜しみなく共有します。
そして、かれらの持っている能力ややり方は多種多様。アナタが理想とする「ローカルプロデューサー」の解像度を上げる近道は、実践者の近くで学び、感じることではないでしょうか。
今回、実践の舞台となるのは佐賀県唐津市の音楽フェス「Karatsu Seaside Camp」(通称:カラフェス)。開催2年目にして7,000人を動員した、九州唯一の大規模なキャンプフェスです。
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開催3年目となる2024年も、奥田民生さん・「PUFFY」・「SHISHAMO」・「東京スカパラダイスオーケストラ」などなど、名高いアーティストの出演が決定。ますます注目が集まっています。
しかしながら会場の「波戸岬海浜公園」は、最寄りの空港(福岡空港)から公共交通機関で3時間弱。一概にもアクセスがいいとは言えません。そして公園の年間利用者数は、もともと5,000人にも満たない場所でした(平成26年度時点)。
この場所を見事にプロデュースしてきた先導者が橋村 和徳(はしむらかずのり)さん。「何もないけど何でもある」をモットーに活動する株式会社VILLAGE INC代表であり、本講座の講師です。橋村さんの事業の組み立て方、周囲を巻き込んでいく方法…学べる要素は尽きません。
本講座では、8回にわたるオンライン講義のほか、五感を通して学ぶフィールドワークが2回用意されています。実際に佐賀県唐津市を訪れ、プロデューサーの仕事術を間近で見ながら経験を積める貴重な機会です。
先日行われた第1回目のフィールドワークでは、まず舞台を知るための視察を実施。1泊2日で、まちの地形を把握したり、設営前の波戸岬海浜公園で設計背景を伺ったりしました。
「何もない」ようにも見えるフィールドを実感することで、改めて物事の捉え方や見せ方の重要性を認識します。既存の地域資源をどう活かすのか、受講生それぞれのフィールドにも持ち帰ることができるヒントが手に入ります。
中には「橋村さんが現地の方とする会話の様子が参考になった」と、地域住民との関わり方に視線を向ける受講生もいました。プロジェクトの成功に欠かせない、地域の人とのコミュニケーション。あえて記述されることが少ない日々の振る舞いですが、ローカルで必須となるスキルの一つです。
また「橋村さんと夜中まで語り合えたのが良かった」と、オフラインならではの密接な交流に満足感を表す受講生もいました。今回のフィールドワークでは、食事や移動の時間も講師と共にすることができたため、気軽に相談や質問ができたようです。
2日間橋村さんと過ごしていく中で、自分との共通点を見つけたり、明日から真似できるポイントを得たり、受講生それぞれに気づきがあったはず。こうして先輩ローカルプロデューサーの存在が身近になっていくことで、かれらは単なる「羨望の対象」ではなくなっていきます。
講師陣は、困った時に頼れるメンターになるかもしれませんし、「このやり方なら自分にもできるかな」「一旦、模倣してやってみようかな」と一歩目を踏み出す時の後押しになるかもしれません。
駆け抜けるようにインプットしたフィールドワークの終盤には、「シェアタイム」が設けられています。WHEREが開講する講座は、インプットだけで終わりません。受講生はアウトプットを繰り返すことで学びをさらに深めていきます。
まずは少人数で語り合いながら、それぞれ印象に残ったことや感じたことを整理。「自分のフィールドで実践できそうなことは?」はなど、2日間で吸収した内容を自分ごととして消化していきます。
そして全体で共有。互いの気づきを知ると、多角的な観点で2日間を振り返ることができます。同じ体験をしていても、感じ取ることは人それぞれ。「その見方があったか!」「自分は見落としていたな」と、受講生同士でも学び合いになっているようです。
受講生からは「皆んながコミュニケーションをとりながら学んでいてとても刺激的でした」と、黙々と独学するのとは異なる学習スタイルに新鮮さを覚える声も聞かれました。
新たな情報がいっぱいのフィールドワーク。ただ「たのしかった」だけで完結させずに確実に学びへと落とし込むため、シェアタイムは大切なプロセスになっています。
現在はオンライン講義で体系的にローカルプロデュースを学んでいます。プロデューサーに求められるリサーチ力や企画力、ヴィジョンで人と繋がる方法、持続可能なビジネスモデルの在り方、満足度を高めるオペレーション設計…。
盛りだくさんのカリキュラムですが、講師陣が実例を豊富に話してくださるため、非常にわかりやすい内容になっています。失敗事例も交えた、赤裸々なお話はまさにこの講座だけ。
そして、いよいよ次なるフィールドワークは2024年5月25日(土)〜5月26日(日)開催の「Karatsu Seaside Camp2024」当日。受講生は運営チームに参画し、リアルな現場での実行力を身につける機会となります。1万人の来場が見込まれている、今回のイベント。これだけの規模感のプロジェクトで経験を積めるチャンスはなかなかないでしょう。
ローカルプロデューサーから学び、共に考え、共に動く約3ヶ月間。きっと受講後には、アナタの目指す姿がより鮮明に浮かび上がっているはずです。
また、ここまで学んだ受講生は、先輩ローカルプロデューサーたちも自分たちと同じように様々な壁と向き合い今に至っていることを、強く実感するでしょう。
ローカルで事業づくりをがんばりたい時に直面する困難は、きっと先駆者も悩んできたこと。その実践知を拝借することで、アナタの「やってみたい」「こんな風に生きたいな」はより実現に近づいてきます。
Editor's Note
ちょこっとだけでもロールモデルがいることは、迷った時も「きっと間違っていない」と道筋を照らす要素になると思います。そして講座を通して、気軽に相談できる仲間ができることも大きな価値でしょう。私も、全国で頑張る受講生のみなさんからたくさんのパワーをもらっています。
Komugi Usuyama
臼山 小麦