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LOCAL LETTER

暮らしの中に「染色」を。汚れ・色あせた服を「染め直し」て再生する、丸幸産業の挑戦

OCT. 28

拝啓、汚れて着られなくなってしまったけれど、勿体なくて捨てらない衣服をお持ちのアナタへ

※本記事は「だれでも送れるレター」の企画を通じて、読者の皆さまから投稿いただいた記事となります。

山梨県富士吉田市にある染色加工業者、丸幸産業株式会社。

「古着染め直し」をはじめとするリメイク事業や、染め物体験ワークショップといったアクティビティを通じて、染色加工の魅力を伝え、染め物を “可視化” することに挑戦しています。

そんな丸幸産業が発信する “染め物の魅力” とはーー?

丸幸産業株式会社の広報であり、富士山駅2階にあるアンテナショップ『染め物ショップ まるこう』を経営する、堀内洋平さんが綴りました。

技術者ではなく、広報として後継の道へ。祖父の代から続く染色屋の技術を、多くの人に届けたい。

元々丸幸産業は、私の祖父の代から続く染色屋さん。子どもの頃は工場が遊び場でした。家業を外から眺めて行く中で年々OEMの発注数が減り、工場の経営が苦しくなり、苦い顔をしている両親を見るようになって。そんな中で「大学を卒業するまで育ててくれた両親に恩返しがしたい」自分がこの会社に貢献出来ることはなんだろうと考えはじめました。

そこで、広告系外資企業のインターンをしていた時代に学んだ「物の魅力を伝える広報戦略・マーケティング論」を工場で生かすことができるのではないかと考え、技術者としての継手ではなく、敢えて “広報” として入社

今まで後回しにしていたブランディングやマーケティング。どのように染色加工技術を発信・宣伝していくかを考え、染色加工の魅力を映像や商品を通じて地元の方・観光客の方が知ることのできるアンテナショップ「染め物ショップ まるこう」を運営することに。

さらに、着られなくなってしまった服を持ち込んでもらうと、リメイクで蘇らせることのできる染め直し事業や、自らの手で染色加工作業をしてもらう染め物体験ワークショップ事業を展開。染色加工の “可視化” に取り組んでいます。


「染色屋とは何をしているか分からない」。そんな声から生まれた、染色加工を “可視化” するというアイデア。

広報をはじめた当初は、右も左も分からない挑戦の日々。広報戦略としての「理想」と、工場で出来ることの「現実」の乖離に頭を悩ませ、現場とぶつかり合う日々が続きました。しかし、大手ができることではなくローカルで、人手が少なく、長年小ロット専門で稼働し続けてきた自分たちだからこそできることがあると、培った技術力を存分に発信するブランディングを考えるように。

また、当時よく言われたのが染色屋とは何をしているか分からないという声。今でこそ、染色加工の過程を楽しんでもらうことが “可視化” に繋がることがわかり、それを軸にしていますが、当初は「具体的にどう説明すればいいか。それを“可視化” できるコンテンツは何か」と、日々模索していました。

お客様に寄り添い、五感を通じて楽しむプログラムで「製造業」のイメージを変えてゆきたい。

仕事をする上で大切にしているのは、「見方を変えて固定概念を取り払うこと」。染色屋はいわゆる「製造業」の一種で、工場では日々、職人さんが丹精を込めて染めを行なっています。本来、和気藹々とした現場ではあるのですが、外から見ると「何をやっているかわからない」「怖いイメージがある」などと思われることも多々あります。

だからこそ大切にしているのは、工場」「製造業という固定概念をいかにして壊し、寄り添った事業ができるかということ。

染め直し事業では、ただお客様の服を染めるだけでなく、お客様が染め直しを依頼した経緯をお聞きし、ご希望に添った形にできるよう何度もヒアリングを実施。染め上げた後も、加工後の衣服のお手入れについて説明をし、その方が衣服とともに歩んできたストーリーがこれからも続くよう、一人一人に寄り添う形でお渡ししています。

染め物体験ワークショップ事業でも、持ち込んでいただいた衣服をお好みの染まり方に染まるよう、染めの準備から仕上がりまでほぼつきっきりでお手伝いし、出来上がりは一緒に喜び合います。染めで衣服の様相が変わる軌跡を一緒に楽しむプログラムとして、体験者の方には、見て・聞いて・感じて・嗅いで、五感を通じて染色加工の魅力を感じていただけたらと日々試行錯誤です。

丸幸産業が目指したいのは、暮らしの中により身近に「染め物」がある未来

染め物は、ただ生地や服を染めるだけの存在ではありません。空間の中にはそれぞれ色があり、彩りを演出しているように、衣服やアクセサリーにおいても、彩りがその人らしさを演出しているはず。私たちはこれからも「染め」を通じて、一人ひとりの人生やライフスタイルを彩ることのできる機会をつくっていきたいと考えています。

<この記事を投稿してくれた人>
丸幸産業株式会社
堀内 洋平さん
山梨県富士吉田市にて創業52年目の染色・加工業を営む丸幸産業株式会社の広報/染め物ショップ「まるこう」店長。1997年山梨県富士吉田市生まれ。駒澤大学在学中に広告代理店や外資系企業へのインターンを経験。現在は富士山駅にあるショップを拠点として経営しながら広報として染色の「可視化」を試みる毎日。趣味は古着屋巡り、酒場・シーシャ屋巡り、サウナ、ラップ、洋画・洋楽鑑賞。

LOCAL LETTERで過去に取材させていただいたこともある、丸幸産業株式会社。

「大切にしていた服だけど、大きなシミをつけてしまった。」
「好きな形だけど、今の流行りの色じゃない。」

そんなアナタの大切な服を “黒・紺染め直し” で蘇らせてみませんか?

一点からでもご依頼可能だそうなので、気になる方はお気軽にお問い合わせください!

帽子・鞄:¥2,200-
シャツ・Tシャツ・ワンピース(ショート) :¥2,750-
パンツ・ デニムパンツ・ワンピース(ロング) :¥3,300-
ジャケット・コート:¥4,400-
※一着ごとの税込価格

染められる素材:綿、麻、ウール、レーヨン、ナイロン、キュプラ

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