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LOCAL LETTER

東京都「三宅島」移住者が語る、島暮らしの気になるご近所付き合いや仕事事情

FEB. 04

拝啓、島暮らしのディープな話題に触れたいアナタへ

船で6時間半、飛行機で50分の自然豊かな『三宅島』。

「東京都」にも関わらず、釣り人の聖地と呼ばれ、釣り人が愛してやまない場所であり、夜には満点の星空が見える場所です。

今回はそんな『三宅島』でのリアルな島暮らしを取材!

島のこと中心に語られた前半戦でしたが、後半戦は釣りや星の聖地である美しい自然の情報や、仕事やご近所づきあいといったディープな話題が盛りだくさん。

ここでしか聞けない移住者のリアルな声を伺いました。

気になる島内の仕事事情。テレワークやワーケーションの方も!

山内拓(以下、山内)では早速、「移住するなら東京の島『三宅島』〜リアルな生活とは〜」の後半戦を話していこうと思います。まずお話したいのは、仕事について。離島というとスローライフというか、「みんなのんびりしてるんでしょ」と思われていると思いますが、仕事はちゃんとしています。

まず島の中にどんな業種があるのかなんですが、行政職、建築土木、福祉、宿泊業、飲食業、小売業、漁業、農業など。もちろんこれ以外にも様々な業種が存在しています。

そして島の求人ですが、三宅島の場合は役場のホームページに島内の求人情報が掲載されています。仕事内容や給料の面だったり詳しく掲載されていますので、興味ありましたら三宅村のホームページをご確認ください。その他の求人情報に関しては、実際に島に来ていただくか、島の人に聞くという方法になります。例えば、パートとかの情報は商店のレジ横に紙が貼ってあるといった感じです。

山内「仕事はありますか?募集している事業所はありますか?」という質問も多く聞かれるのですが、島は慢性的に人手不足です。なので仕事はもちろんありますが、都会のようにたくさんの業種や企業があって、その中から自分で選べるということではありません。

自分の経験がいかせる事業所や、「これやってみたかった」というものがあればいいですが、もちろんないことも多い。とにかく移住したいから、何でもいいから仕事選んで入ってしまって、続かないこともあるので、その仕事は本当に続けられるものなのかについても、よく考えないといけないですね。

また、三宅島はインターネット環境がとても整っています。そのため、テレワークだったり、ワーケーションが進む企業の方が、三宅島を選ぶっていうことも結構あります。島内の方では、月1で行われる東京の会議以外は三宅島でテレワークしているというSEの方もいらっしゃいます。

木村有一(以下、木村)本社が東京の場合だと、距離もそんなに離れていないので、会議に出やすいといったメリットがあると思います。

語り尽くせない、海や星だけではない三宅島の魅力!

山内ここからは、島の遊びについてご紹介していきます。島にはアミューズメントパークがないですしショッピングモールがあるわけではないので、「休日はどうするの」と思う人もいるかもしれません。ただ飽きないぐらいには様々な遊びを楽しめます。

まず、海のアクティビティ。島ということで、海で遊ぶ機会は多くあります。三宅島は噴火によって海底が複雑になってまして、魚の隠れ家が多く、最高の漁場です。。一年中いろんな魚が釣れるので、観光客の方にも人気です。また、船に乗らなくてもマグロやフエダイといった高級魚も釣れるので釣り好きにはたまりません。なので、内地で釣りをするよりも夢が詰まってる場所だと思います。

ダイビングも有名です。特にイルカと泳げるドルフィンスイムっていうのがありまして、こちらも人気のアクティビティです。「いつでもイルカと泳げる環境に住みたい」という理由で移住された方もいらっしゃいます。また、近年は陸からでも鯨が潮を吹いてたりとか、尾びれを海から覗かせているのが見えることもあります。冬の間は肉眼でも見えるんですけど、双眼鏡を持って陸からウォッチング楽しむ方が多いですね。

山内三宅島はサークル活動が結構盛んです。私は草野球チームに入っていますが、三宅島の中には野球チームが8個もあります。島の中でトーナメント戦をやったり、リーグ戦をやったりしています。野球以外だとバトミントンやバレーボールといった体育会系のものや、フラダンスといった文化系のサークルも多いです。

庭付きの家だったり畑を借りている人が多いので、家庭菜園を休日に楽しんでいる人も多いです。家庭菜園をやってる人が多いので、収穫の時期になるとたくさんのおすそわけをもらったりします。

あとは、写真撮影にも人気のスポットです。手付かずの自然だったり、噴火の中でつくられた造形などがあって、島全体が雄大な景観をしています。そういったその絶景にから見る夕日だったり、綺麗な写真を撮りやすいということで写真を本気でやってる人も多い。夜だとすごく綺麗に星空が見えるので、夜も結構カメラを構えてる人がいらっしゃいます。

三宅島はバードアイランドと呼ばれるほど、鳥がすごくいる島で、野鳥愛好家たちが日本全国と場合によっては海外から鳥を見にこられています。そしてボルダリングですね。三宅島には日本最大級のボルダリング施設がたった500円で1日遊び放題。雨の日だと遊ぶ場所がないっていう島が多い中、こういったボルダリング施設で遊べるのはありがたいです。

青年団やサークル活動。三宅島の人々が仲の良い理由

山内次に、島の人と仲良くする方法を紹介します。島に移住って聞くと、引っ越しの大変さだったり、仕事の大変さだったりそういったところも気になると思うんですけど、一番気になるのは、「島の人たちって本当に仲がいいの?」という部分なんじゃないかなと思います。

私も移住するとき、いろんな友達から「村八分になる」って結構煽られて不安だったんですけど、そんなことは一切なくて、かなり仲良くさせてもらってます。特に三宅島は、島の人と仲良くする機会が多い島なんじゃないかなと感じています。

先ほどご紹介した通り、三宅島はサークル活動が盛んです。私が入ってるサークルだと週に3回ぐらい活動しています。なのでサークルを通じて同じ趣味の仲間を見つけたりすることもできます。また、サークル活動は、自分に関わりのない業種の人と関われるっていうのが大きなメリットで、例えば私でいうと消防士や警察官だったり普段では関わらないような業者の方たちと仲良くなれます。

また、三宅島では地区ごとに青年団があります。青年団などは移住者が入れないと私は思っていたんですけど、快く受け入れてもらって、賑やかすぎるぐらいの打ち上げがあったりして本当に楽しいです。

山内近所づきあいも重要です。田舎あるあるかもしれませんが、最初は挨拶だけだったのが、段々立ち話するようになったり、家に呼ばれるようになり、どんどん親密度がレベルアップしていきます。逆にご近所づきあいが苦手っていう人は、三宅島の暮らしは窮屈に感じると思います。例えば自治会の草刈りなどは、住民同士で自主的な協力が重要になってきます。

そして、どこに行っても必ず誰かに会います。例えば買い物行って、誰とも会わずに帰ってくるっていう方が逆に難しいくらいで、運転していれば、すれ違いざまに手挙げられるとか、とにかく誰かに絶対会ってしまう環境だと思います。逆に人に会いやすい環境だからこそ、友達とか知り合いを作りやすい環境っていうのもあると思います。

ただの移住者ではなく、島を一緒に盛り上げてくれる仲間に来てもらいたい

木村いろいろお話させていただきましたが、三宅島に限らず、田舎で生活するということは非常に不便だと思います。また「近所づきあいや地域のイベントは面倒くさい」と思われる方も正直いらっしゃるとも思います。でも、これを見てくださっている方は、普段の生活にちょっと疑問を持たれたり、今後の人生を考えたときに田舎暮らしに対して興味を持ってもらったのかなって。

木村たしかに、都会に比べて濃い人間関係もありますが、それは悪いことだけじゃなくて良いこともたくさんある。台風とか災害が起きれば助け合い、ともに共有することで生きるそういう生き方ができるっていうのは、何事にも変えられない経験になるのかなと思っています。

また、移住するのはいろいろハードルが高いことだと思いますが、まずはその地域や文化、住んでいる人を好きになってもらうことが最初の一歩。私たちとしては、移住希望の方にただ移住して欲しいっていうよりは、島民として仲間になっていただける方を募集しているということ。是非三宅に移住するときは、仲間になっていただいて、一緒に島を盛り上げてくれる気持ちで来ていただけると嬉しいです。

Editor's Note

編集後記

釣り・星・ダイビング・バードウォッチング!三宅島の魅力はなんといっても何度も足を運びたくなる大自然。ですが、今回のお話を聞いて、自然だけではない「人間関係の深さ」を持つ三宅島の魅力を知ることができました!

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