ZENKOKU
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地域の可能性を広げ、持続可能なプロジェクトを生み出すためには、「想い」だけでなく、事業として成立させるための知識とスキルが求められます。
「ローカルプロデューサー養成講座」は、社会性と経済性の両輪を回しながら、地域で実践する力を身につけるプログラム。
第一線で活躍するプロデューサーから、現在進行中のプロジェクトを題材にノウハウを学べる座学のほか、実際にローカルの現場に身を置く機会もご用意。プロデューサーとしての役割を体感することができます。
受講生満足度91.7%を誇る本講座。
前編では、講座を卒業した2名の卒業生から、講座を受講した理由や講座を通じて得た気付きについて伺いました。
後編では、講座を超実践プランで実際に現地での実践知を習得した2人に、今後に活かせそうなことを伺いました。
超実践プランでイベント運営に携わった2人は、それぞれ仕事に活かしていける学びを得たと話します。
「『事業者同士のつながり』に視点を当てて講座に参加していたので、イベント運営に参加するなかで、事業者さん同士の密なつながりが本当に大事だと実感しました」
そう語るのは相見(あいみ)さん。特に印象に残っているのは、イベント2日目に降った大雨の出来事だったそうです。
「朝から大雨で、準備していたことが台無しになる感覚でした。全てがびしょ濡れになるし、テントからも水が漏れてしまって大変な状況でした。
でも、そんななかでも『みんなで頑張ろう』という雰囲気が流れていて。
それは、事業者さんの人柄もあるかもしれませんが、それ以上に『イベントを成功させよう』という運営の思いを、参加者全員が強く感じていたからだと思います。
事業者さんとイベント開始前からしっかり関わり、『私たち運営に頼ってもらって大丈夫ですよ』という安心感を与えることが、イベントを成功させるうえでとても重要なのだと学びました」(相見さん)
何かトラブルが起こったときに、運営側がしっかりと対応できる体制を整えておくことで、事業者との信頼関係が生まれる。
こうした現場で得た学びが、今の仕事に活かせていると相見さんは続けます。
「今は、まず事業者さんと仲良くなろうという気持ちで関わっています。仕事は異動の可能性もあるので、今のうちにできるだけ多くの事業者さんに会い、関係性を築いておこうと思うようになりました。
イベントに参加したことで意識が変わり、より積極的に事業者さんと関わろうという気持ちになりました」(相見さん)
実践を通じて、事業者との関係性を築く大切さを学んだ相見さん。一方で、西能さんは「講師の姿勢」に大きな学びがあったと話します。
「講師の方が、『物事を決めるときは、一番心配性な人を基準にする』と話していました。
細かな部分まで気になる人がいるなら、その人の基準に合わせて情報を整理することが大切だと話されていて。プロジェクトマネジメントをする上での大事な心得の一つだと感じました」(西能さん)
また、西能さんは講師の姿勢から学んだこととして、「取り繕わないこと」の大切さもあげます。
「仕事を進める時に、最初のヒアリングをしっかりすると話していました。その時に、どんな立場の方が相手でも、スーツを着た偉い人がお客様でも、自分を取り繕わず、自然体で話を聞くとおっしゃっていました。
私は、お客様の前だと固くなってしまうタイプなので、そこを見習いたいなと思いました。実際に仕事では、自分を取り繕うとうまくいかないことが多いと感じています。
取り繕わない『自然体でいること』が、事業者さんや地域の人との関係を築く上で大切なのかもしれないと思いました」(西能さん)
講座で得た学びを、仕事や人との接し方に活かしている2人。今後はどんなことに挑戦していこうと考えているのでしょうか。
「取り繕わずに話を聞く、という姿勢は、さまざまな場面で活かせると感じています」
そう話すのは西能さん。
地元である富山に戻って3年ほど経ち、地域の事業者と関わるなかで感じたことがあると言います。
「昔から地域で事業をされている方のなかには、話を聞いてくれる人が周りにいなかったり、考えが凝り固まってしまうことが、都会に比べて多いのかなと体感しています。
そういった地域の企業が抱える課題や、うまく前に進めない場面に直面したときに、まちの外での経験を積んだ私のような人間が、まず話を聞くだけでも役に立てるのではないかと思っています」(西能さん)
話を聞くことで解決につながるケースがあることを、すでに仕事を通じて実感している西能さん。だからこそ、地域の中に「話を聞く場をつくることができれば」と、とあるアイデアを温めていると語ります。
「富山県では、クリエイターが交流したり、誰でも気軽に入れる複合施設が増えてきています。
そういった施設で、1日だけワークショップを開いてみるとか、県外から来た人と、地元の人が自然と交流できる企画をつくってみたいですね」(西能さん)
同じように、地元で講座の学びを活かしてみたいと、相見さんも話します。
「ゆくゆくは地元に帰りたいと思っていますが、まだ地元の魅力を自分自身が発見できていないんです。
まずは魅力を見つける。そして、事業者さんと関わる機会をつくり、事業者さんを集めて、RENEWのような地域が盛り上がるイベントを開催してみたいなと、漠然とですが考えています。
仕事ではふるさと納税を扱っているので、そのスキルも組み合わせながら進められたら良いなと思っています」(相見さん)
講座を通じて、相見さんが本当にやりたいことの輪郭が、少しずつはっきりしてきたようです。
講座で得た学びを、地域で活かしたいと考えるようになった2人。そんな2人が、受講を検討する人にぜひ勧めたいのが「超実践プラン」だと話します。
「受講するなら、できれば超実践プランを選んだほうがいいと思います」
そう話すのは、西能さん。
WHERE ACADEMYでは、現地フィールドワークを含む「超実践プラン」と、座学のみで完結する「オンラインプラン」の2種類をご用意しています(一部講座を除く)。
「超実践プランでのフィールドワークは、宿泊先を各自で手配します。私は何も考えずにホテルを予約してしまったのですが、他の受講生はお寺に泊まっていたみたいです。
受講生同士で生活をともにする機会もなかなかないので、そういう環境も含めて、体験できるとより良いのかなと思います」(西能さん)
一方、お寺に宿泊していた相見さんは「みんなでお寺に泊まるのは楽しかったですよ」と振り返りながら、会社の仲間にも受講を勧めていると話します。
「これから講座を受講する仲間が少し不安そうだったので、『講義も面白いけどフィールドワークは特に面白いから、とにかく楽しむことだけを考えるといいよ』と伝えました。何かしらの学びになるはずなので」(相見さん)
超実践プランを勧める2人。オンラインでも交流できる今の時代に、あえて現地に足を運び、直接話を聞くことへの価値について、それぞれの思いを語ります。
「会わないとできないことって、たくさんありますよね。例えば、一緒にお昼を食べるとか、お酒の席を囲むとか、休憩中に立ち話をすることとか。それは、オンラインではできないことです。
講師が講座では言語化していないような、当たり前にやっていることを、現地で実際に見ることができる。オフラインだからこその学べるチャンスがたくさんあると思います」(西能さん)
同じように、現地に足を運ぶからこそ得られる気付きがあると、相見さんも話します。
「僕は、地元の鳥取から仕事で京都にきましたが、京都は都会のイメージがありました。でも、実際に住んでみると、意外とそうではない雰囲気もあるなと感じました。
こういった固定概念って誰の中にもあると思うんです。だからこそ、実際に地域を訪れることで、自分の中のイメージが覆ることもあると思います。
例えば、方言や人の雰囲気、事業者さんの温度感など、画面越しでは決して伝わらないものがありますよね。実際に足を運んで体感することで、自分の経験値として蓄積されるのが、貴重なことだと思います」(相見さん)
超実践プランで、現地に赴くからこそ得られる学びについて語ってくれた2人に、講座を終えた今の思いと、受講を検討する方へのアドバイスを伺いました。
「講座の運営を担当するコミュニティマネージャーの方がいて、親身に寄り添ってくれます。こう言うのはおこがましいかもしれませんが、受講生である私たちも運営のみなさんと一緒に講座をつくっていく感覚がありました。
ただ座学を受けるだけでなく、ともにプログラムを作り上げているような楽しさがありました」(西能さん)
講座のコミュニティマネージャーは、受講生と積極的に関わりながら進行をサポートしていきます。相見さんも、その姿勢に安心感を覚えたと振り返ります。
「講師の方が、受講生を巻き込みながら話を進めてくれることももちろんすごいのですが、西能さんが話すように、コミュニティマネージャーの方が常に伴走してくれたのが、講座を受けるうえで大きな支えになりました。
『いつでも相談してきてね』と寄り添ってくれたので、分からないことがあればすぐ聞ける環境でしたし、一緒に学んでいくという姿勢も伝わってきて、そこに楽しさもありました」(相見さん)
そんな2人は、これから受講する方に向けて伝えたいことがあると話します。
「オンラインだと、簡単にモブになれるんですよね。画面をオフにして、音声をミュートにすれば、何をしていてもわかりません。それってオンラインの良いところでもあり、逆に良くないところでもあるので、そうならないようにする意識が大切だと思います。
例えば、運営側がコミュニティに投稿してくれた内容にリアクションスタンプをつけるとか、小さなことから関わっていくのがいいですよね」(西能さん)
その言葉に、相見さんも大きく頷きます。
「受講される方って、それぞれ色々な経験をされていて、個性もあるし、講座を受講する時点で何かしらの思いを持っている方々なんですよね。だからこそ、同期の受講生とも積極的に関わって話すことが、自分の学びにつながると思いました。
同じ講座を受けていても、全く違う意見がでたり、持っている価値観が違ったりします。それを面白いと感じられると、学びの幅が広がると思います」(相見さん)
そして最後に、「何より、とにかく楽しんでほしいです」と強く語る相見さん。
そしてこの度、ローカルプロデューサー養成講座「特別1DAY」版をご用意いたしました。「スポーツ×まちづくり」をテーマに、舞台を沖縄へ移します。
【特別1DAY講座】スポーツ経営から学ぶまちづくり!?ローカルビジネスの経営力をUP
スポーツは社会文化的な側面が強い一方で、持続可能な「文化」として根付かせるためには、経済性も不可欠。
特別1DAY講座では、株式会社カヤック/琉球フットボールクラブ株式会社代表の柳澤大輔さんが講師を務めます。株式会社カヤックは、移住スカウトサービス「SMOUT(スマウト)」などのローカルサービスも手がけており、身近な方も多いはず。
Jリーグクラブ「FC琉球OKINAWA」の経営も担う柳澤氏が、実際の事業運営の視点から「ローカルビジネス総合力強化」のノウハウをお伝えします。リアルな事例を学びながら、地域資本を活かしたまちづくりでローカルビジネスの可能性を探りましょう。
相見さんや西能さんら卒業生に続き、講座参加への扉を開いてみませんか?
スポーツまちづくりから学ぶ、ローカルプロデューサー養成講座 / 特別1DAY講座
(お申し込み締め切り:2025年3月9日まで)
■ プログラム概要
受講概要:
・オンライン講義(全2回)+超実践講義(1DAY)
・事前課題「メタ認知ワーク」(所要時間 約1時間)
・300名以上が参加するACADEMYコミュニティへ加入
・前夜祭 2025年3月22日(土)19:00~ (任意参加)
当日スケジュール(3月23日):
9:00 集合
9:30~11:15 講義「スポーツ×まちづくり経営論」
11:30~12:15 ワークショップ「カヤック流ブレスト」
12:30~14:00 視察・試合観戦
16:00頃 解散
対 象:
こんな方におすすめ
・ 地域活性と経済性を両立した活動をしたい方
・ 地域資源や文化を活かした事業を生み出したい方
・ 地域活性をボランティアだけじゃなく仕事に結びつけたい方
■ 受講料
50,000円(税込55,000円)※先着20名
・受講料に試合観戦チケットを含みます。
・現地フィールドワークでの交通費・宿泊費・食事代は参加者実費となります。
Editor's Note
同じ思いをもった様々なバックグラウンドをもつ受講生との出会いは、社会人になると少なくなるので貴重な機会になります。充実した講義や身体知を通じた実践を経て、リアルなノウハウを得ることで、ちょっとした勇気が生まれ、新たな変化につながるかもしれません。あなたも講師の方の思いを引き継ぎ、一歩を踏み出してみませんか?
Natsumi Ishizaki
石﨑 なつみ