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LOCAL LETTER

卒業生に聞く「ローカルプロデューサー養成講座」のリアルな価値とは

SEP. 27

JAPAN

拝啓、ローカルプロデューサー養成講座が自分の学びになるのか気になるアナタへ

地域と向き合うとぶつかるビジネスの壁。それらを乗り越え、ローカルを強さへと変える「プロデューサー」。そのローカルプロデューサーの役割と知識を体感し、実際のプロジェクトを通して「実現し続ける力」を身につける為の特別なカリキュラムが、ローカルプロデューサー養成講座です。

第1期では新規開講にも関わらず25名の受講生が集まり、卒業時の満足度は97.1%にものぼりました。

講座が終わって3ヶ月。このわずか3ヶ月で5つのプロジェクトが新たに動き出すなど、講座での学びや出会いは、ローカルプロデューサーの歩みを着実に後押ししています。

今回、3名の卒業生から講座での学びや経験を伺い、講座の魅力を深掘りしていきます。果たして、本講座で得られるものは何なのか、ローカルプロデューサー養成講座を体験した当事者だからこそのリアルな声をもとに紐解いていきます。

後編では、3名の卒業生がそれぞれ感じた講座の「価値」を中心に、受講検討中のアナタへのメッセージとしてお届けいたします。

意見が出やすい雰囲気づくりで繋がりと学びを加速させる

フィールドワーク以外はオンライン講義を中心に講座が進んでいくなかで、講師・運営・受講者・受講者同士の関係性が本当に築いていけるのか、疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。

「地域にとことん向き合って課題を発見し、その解決へとつながる地づくりを共に進めていくこと」を掲げる株式会社WHEREのアカデミーらしく、「地づくり・人づくり」に繋がる機会を創出するよう、関係性が生まれる構成を大事にしています。

例えば、講義終わりの通称「フリフリ」。これは「振り返らない振り返り」という独自の枠組みで、受講生が講義を受けての新しい気づきや感想などを24時間以内にコミュニティプラットフォーム上に投稿しています。

「フリフリ」の利点は、学んだ内容や感情を整理できるだけではありません。多様な視点をシェアし合うことで新しい気づきを得られることや、コメントを通じて受講生同士のつながりが深まるといった、数多くのメリットが生まれています。

そのほか、講義毎に異なるペアで実施する「振り返りペアワーク」も。

他の受講生と意見を交換する機会が何度も設けられており、フリフリで投稿していた内容についてや、〇〇についてどう考えるのかなど、意見を交わしその方の人となりを感じる工夫が施されています。

ペアワークでは時間指定などの厳密な取り決めは無く、自主性に任せられているにも関わらず、盛り上がって1時間以上話す受講生が出てくるほどだったと言います。

八木 志菜 氏 ローカルプロデューサー養成講座第1期生 / 京都市出身。アートコーディネーター。国内外での国際ボランティアや英国・シューマッハカレッジでHolistic Scienceに触れた経験から、「縁を持った地域を愛すること」と「表現」をキーワードに活動。公共文化施設勤務を経て、現在はフリーで活動する。
八木 志菜 氏 ローカルプロデューサー養成講座第1期生 / 京都市出身。アートコーディネーター。国内外での国際ボランティアや英国・シューマッハカレッジでHolistic Scienceに触れた経験から、「縁を持った地域を愛すること」と「表現」をキーワードに活動。公共文化施設勤務を経て、現在はフリーで活動する。

「フリフリなどのお陰でフィールドワークで実際にお会いした時には、より深い話ができる関係性がすでにできていました。受講生同士で知る機会がたくさんあったので、『お互いのこういう部分を持ち寄って何か掛け算ができそうですね』と具体的な話に進みやすかったのかもしれません。

例えば、受講生の1人が勤める企業のふるさと納税分野と私のアートコーディネーターの分野を掛け合わせて、新たな企画としてプロジェクトが立ち上がっています。実は今日の夕方も打ち合わせがあるんです」(八木さん)

「実現するかどうかはまだわからないですけどね」とハニカミながらも彼女は言葉を繋ぎます。

「自分に何ができるのか、特にローカルに対しては、いまだに分からないです。ただ、自分の今やっていることの話をすることはできるし、想いを含めて知ってもらいたいとも感じています。

そんな自分の話に耳を傾け、面白いと感じてくれる方々のお陰で、こうして次に繋がっていると感じます。

アート分野を異業種と組み合わせようとする動きが気軽にできることは、私がフリーのアートコーディネーターとして活動している価値でもある。それをおもしろいと感じてくれる方達とこれからも可能性を探っていきたいと思っています」(八木さん)

八木さんは現在、アートコーディネーターの仕事の傍ら、株式会社WHEREのアカデミー部門のカスタマーサポート業務にも従事。そしてこの度、同じく本講座卒業生の芝原さんとともに第2期ローカルプロデューサー講座の運営事務局を担うなど、新たな分野にも挑戦されています。

実践の舞台である佐賀県への想いが受講動機にもなった芝原さんは、本講座での出会いをきっかけに「佐賀とのつながりが強まった」ことに喜びを感じていました。

芝原 由貴 氏 ローカルプロデューサー養成講座第1期生 / 大阪府生まれ。国際会議ディレクター。高校卒業後に佐賀県を訪れたことをきっかけに、日本各地の魅力の発信に関心を持つ。大学在学中に「全国通訳案内士(英語)」資格を取得。現在は国内PCOにて、地域の文化・歴史・魅力を活かしたMICEの企画・手配・運営に取り組む。
芝原 由貴 氏 ローカルプロデューサー養成講座第1期生 / 大阪府生まれ。国際会議ディレクター。高校卒業後に佐賀県を訪れたことをきっかけに、日本各地の魅力の発信に関心を持つ。大学在学中に「全国通訳案内士(英語)」資格を取得。現在は国内PCOにて、地域の文化・歴史・魅力を活かしたMICEの企画・手配・運営に取り組む。

「佐賀に貢献できることをやりたいという気持ちはずっとありました。募る想いはあるのに、どうすればいいか分からない状況で遠回りをしている感覚でした。でもそろそろ本気で自分がやりたい事にちゃんと軸を置こうと考えていた時期だったんです。

そこで受講中、佐賀が好きだという想いを色々な方に伝えていました。すると、受講生のなかには佐賀新聞社の方がいたのですが。その方が佐賀に縁のある方々と繋がる機会をつくってくれたんです。

先日も東京の佐賀県人会に参加して、佐賀のクリエイターの方や県庁職員の方、佐賀を拠点に活動されている方、佐賀出身者など本当にいろいろな方と知り合えました。すごく盛り上がって最後には『ぜひ何かやろう!やりたい時はいつでも応援します!』と言ってくれる方もいました。

応援したり応援されたり、そんな関係性を築いていける方々との繋がりは、この講座がきっかけでたくさんできました。本当に嬉しいなって思っています」(芝原さん)

佐賀県唐津市の「戸岬サザエのつぼ焼き売店」にて地元の交流を楽しむ受講生たち
佐賀県唐津市の「戸岬サザエのつぼ焼き売店」にて地元の交流を楽しむ受講生たち

フィールドワーク開催地への純粋な「好き」という想いを源流に、今後の活動へ繋がっていく可能性もあるのだと気付かされ、小さくてもアクションを起こし続けることの重要性を感じさせられました。

メンバーシップで個別相談。ビジネス書では解決できない自分にカスタマイズされた学び

岡本さんと芝原さんは講座卒業後、「MEMBERSHIP」というメンタリングプログラムを利用されています。

MEMBERSHIPとは、業界のトップランナーたちをメンターとし、その時抱えている課題や悩みを直接相談することができるほか、同じ想いで活動する同志たちで学びを共有するフォーラムに参加できるキャリアサポートプログラムです。

お二人ともMEMBERSHIPに期待する大きな要素は「先人の知見」だといいます。

岡本 岳志 氏 ローカルプロデューサー養成講座第1期生 /  東京の広告代理店に勤務。産学官連携のソーシャルプロジェクト開発を経て、現在はスポーツ・エンタメ領域や地域のDX支援などに従事。そのかたわら地元の新潟県妙高市にて「修験道/仮山伏」など、地域に眠る自然・歴史資源を生かし新たな人の流れを生みだすプログラムを開発中。
岡本 岳志 氏 ローカルプロデューサー養成講座第1期生 / 東京の広告代理店に勤務。産学官連携のソーシャルプロジェクト開発を経て、現在はスポーツ・エンタメ領域や地域のDX支援などに従事。そのかたわら地元の新潟県妙高市にて「修験道/仮山伏」など、地域に眠る自然・歴史資源を生かし新たな人の流れを生みだすプログラムを開発中。

「自分より一歩先で経験を積まれている知見を学ばせてもらいたいんです。もちろん実践するのは自分だし手探りで進めていくことに変わりないんですけど、結実させるまでの時間を短縮させたいんです。1年間かかるところを半年以内にするようなイメージです」(岡本さん)

現在のお二人のメンターは株式会社WHERE代表取締役の平林和樹氏。
ローカルプロデューサー講座を通して、すでにメンター・受講者の双方でお互いの思想や取り組みを理解し合い、信頼関係が築けているからこそ、一気に深いところからキャリアサポートが開始できたようです。

また、「メンターとの1on1での相談」だからこそ実現するカスタマイズ性も大きな魅力だと芝原さんは続けます。

「自らの活動の有無に関わらず、その人が置かれている状況って一人一人違います。
ここで困ってるとか、地域性からこういう事がネックになっているとか。そういう個別の事情にフィットした、相談できる場がこれまでありませんでした

『自分に合った問い』に対する答えは、ビジネス書では到底辿り着けません。それに対して信頼できるメンターからフィードバックをいただける機会が得られるのはすごく大きな価値です」(芝原さん)

「プロジェクトの実現だけが成果ではない」みんなが受講対象者

明確なプロジェクトを抱え講座をフル活用して日々邁進する岡本さんですが、自身のような立場だけでなく、講座の間口を広く捉えてもいいのではないかと感じているそうです。

「ローカルでの活動は、ライフスタイルや住む場所をどうするか、なども関わってくることから、自分の生き方を見直す意味合いも含まれていると思うんです。『ローカルで何かプロデュースしたい、事業を始めたい』と漠然と思っている人は多くても、実際始めるとなると意外とハードルが高いと感じてしまう方も多いんだろうなと思っています。

だからこそ、何か事業を始めることに囚われるのではなく、講座に参加して出会いや情報を得たり、経験を通して自分に問い直したり。新たな発見とチャンスを得る場として、この講座を捉えてもいいのかなと感じています」(岡本さん)

鼎談中の様子。取材でお答えいただく中で、講座に「そんな魅力もあるの!?」と運営サイドが逆に学びを得ることも多い
鼎談中の様子。取材でお答えいただく中で、講座に「そんな魅力もあるの!?」と運営サイドが逆に学びを得ることも多い

緩やかに繋がる「関係人口」として。一緒に取り組む「仲間」として。

その関係性に、正解も強制もありませんが、株式会社WHEREは「想い」を込めて、機会の創出を続けていきます。

ローカルで何かしたい人・活動してる人は一般的にマイノリティであることが多い。だから仲間が欲しいんです。物理的に離れててもいいから、支え合えたり意見を言い合えたり、お互い頑張ってるねと労ったり。そんな『仲間』ができることは、株式会社WHEREの講座の強みだと思います。

運営側との距離が近いことも、魅力のひとつ。岡本さんから『講師の方々にめちゃくちゃ意見が聞けた』という話もありましたが、運営側の負担を考えるともっと壁をつくったほうが、楽だと思うんです。でも、事実として私たち受講者同士や運営者・講師の方々にもたくさん話を聞く機会が設けられていました。

受講生が意見を言いたくなるような環境や、質問を聞きやすい雰囲気だったり、オンラインでのメッセージのやりとりひとつとっても、その環境づくりを運営サイドがつくってくれていたのだと思います。その温かい雰囲気はずっと感じていました」(八木さん)

視察での一コマ。当日は、このステージで豪華アーティストたちが熱いライブを繰り広げた
視察での一コマ。当日は、このステージで豪華アーティストたちが熱いライブを繰り広げた

「『地方創生』や『地域活性化』とか、言葉だけが先行して『結局具体的には何やるの?』って見えてこなかったりする場面もあると思うんです。講座に参加して、ローカルが好きな人・活動している人と関わると、『実際に動くとそんな悩みにぶつかるんだ』と解像度が上がる機会にたくさん出会います。

『そんな生き方があるのか』と人生観を見直すキッカケになったり、『応援したい!』と思う事業や人に出会えたり。そんな繋がりが生まれる貴重な機会だと捉えると、受講をおすすめする対象者は『みんなに!』って思っちゃいます」(芝原さん)

さらに八木さんは言葉を継ぎます。

「座学で学ぶ、リサーチやアセットの考え方、予算を含めたビジネスモデルなど、プロデューサーに必要な基礎にあたる部分は、プロデューサーとしての活動の有無に関わらず、自分の糧になる知識です。

アイデアを持っている人達の話を聞いたり、それが形になっていく過程を追体験することでイメージを持ちやすくなって、『自分ももっと生み出したい』気持ちになるんだと思うんです。だから、自分を後押ししたり発破をかける為に参加するのもありです。何かをうみだしたいと思っている方には、必ず得るものがあると思います」(八木さん)

仕事や活動にも活きるスキルとともに、ローカルに想いを寄せる先人や仲間たちと刺激し合いながら「わたし」だからできることを軸に続けていく。人生の選択肢が広がる学びや出会いがWHEREの講座にはつまっています。

第2期の舞台は、福井県鯖江市・越前市で行われる国内最大級の産業観光イベントである「RENEW(リニュー)」。

株式会社WHERE代表取締役の平林和樹とともに本講座の講師のひとりを務めるのは、クリエイティブカンパニー「TSUGI」の代表でインタウンデザイナーとして活動されている新山直宏さんです。

伝統工芸品は価格が高いからこそ、ものづくりの価値を伝える機会をつくろうと始めた「RENEW」は2015年の開始当初、来場者1,200名ほどでした。

3万人以上が来場する現在に至るまで積み重ねてこられたプロデューサーとしての知見は、まさに学びの宝庫。少しでも心惹かれるものを感じた方は、自分の背中を押して参加してみてください。

ローカルプロデューサー養成講座詳細はこちら

Editor's Note

編集後記

「受講する」という決意をし、一歩踏み出す。新たな学びに時間とお金をかける決心をするのはなかなか勇気が必要です。第2期のローカルプロデューサー養成講座でも、魅力溢れる講師陣、運営サポーターがお待ちしています。この機会を思う存分楽しんでください!特別公開講義①もめちゃくちゃおもしろかったので機会があれば、特別公開講義や体験会も覗いてみてほしいです!

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