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関係人口とは?これからの地域とのつながりの作り方

DEC. 14

少子高齢化が進み、地方では担い手不足という課題が深刻になりつつあります。そんな中、「関係人口」と呼ばれる人材が地域創生の担い手となることが期待されています。今回は関係人口について、具体的な取り組み例や現状の課題などについてご紹介します。

関係人口とは

関係人口の定義

「関係人口」とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、第三の人口のことを指します。関係人口に当たる人は、地域のことを応援する気持ちがあり、その地域づくりに積極的に貢献しています。

「移住するか、しないか」の2択ではなく、2拠点生活を始めたり、都会で地方の情報を発信したりといった多様な形で、住んでいる地域とは別の地域と関わる新しいつながり方が広がっています。
関係人口に期待されること
関係人口は、これからの地域の担い手として、住んでいる場所とは違う地域とつながったり、まちづくりに関わり、地方を活性化させることが期待されています。

日本の地方は今、人口減少に伴う税収減や農産物の衰退、少子化による廃校など、さまざまな課題に直面しています。これらの課題をプラスに捉えれば、地方には多様な可能性があるということ。関係人口は、よそ者ならではの新しい視点や考え方を生かして、地方が抱える課題に取り組む必要があるでしょう。

関係人口が地方にとってプラスになるのはもちろんですが、当事者にとっても好きなことや得意なことを生かし、マルチに活躍できる機会を得ることができるメリットがあります。

関係人口の現状の課題

関係人口の認知度が上がるに連れて課題となってくるのが、関係人口市場の競争が激しくなることです。すでに多くの民間企業、地方自治体が参入しており、関係人口の取り合いになっているともいわれています。この状況では知名度が高くない地域や都市部からのアクセスの悪い地域は不利になってしまい、今以上に地域格差を助長してしまう恐れがあります。

また、地方ではデジタル化の遅れもあり、地域の魅力や情報を都市住民へ届けられていないことも課題のひとつです。今後は地域外の人々を積極的に巻き込み、継続的に関わりを持てる仕組みづくりが必要になってくるでしょう。

関係人口を増やす地域の取り組み例

徳島県 ワーク×バケーション「アワーケーション」

「仕事(ワーク)」と「休暇(バケーション)」を組み合わせた「ワーケーション」を、徳島県ならではのワーケーション=「アワ(阿波)ーケーション」に言い換えた取組み。徳島に惹かれた「人が人を呼ぶ」をコンセプトに、関係人口を増やすことを目指しています。

徳島の魅力である「自然」「食」「歴史」「文化」「SDGs」を「アワーケーション」を通して体感できるプログラムが用意されています。プログラムのひとつである「移住体感ワーケーション」では、徳島市での街づくりを体感できる施設などを巡り、人と人、地域と人をつなぐ新しい旅が楽しめます。

アワーケーションでの「滞在モデル」や仕事場所としての「コワーキングスペース」などを紹介する「アワーケーションマップ」も用意されています。

島根県隠岐の島 関係人口創出プラットフォーム

「地元である隠岐の島が好き」、「移住は出来ないけれど定期的に訪れたい」、「 以前住んでいたことがあり、応援したい」など、関係人口にはそれぞれのつながり方があります。

島根県にある隠岐の島では、「関係人口創出プラットフォーム」として、「隠岐の島とつながりたい、応援したい」という想いのある人を募集しています。応募して、つながり会員になると、シリアルナンバー入りの「つながりカード」が届く特典も。

定期的に隠岐の島町からのお知らせが届いたり、イベント等に参加して地元の人と交流したり、継続的につながりを築くことができます。

兵庫県篠山市 新しい旅のカタチ 篠山城下町ホテルNIPPONIA

「篠山城下町ホテルNIPPONIA」は、明治前期に建築された元銀行経営者の旧邸宅や、江戸末期に建てられた長屋をリノベーションして作られたホテルです。このホテルは、フロントやレストラン、宿泊棟が城下町に分散している「分散型ホテル」です。

レストランでは地元で丁寧に育てられた食材を使って調理された料理がいただけます。城下町の面影を残す美しい町並みや、丹波篠山の文化などを感じることができるため、ただ宿泊するだけで終わらず、地域とより深く関わる体験ができます。

古くからある伝統的建造物や空き家をリノベーションする「地域再生」と地域に暮らすように旅をする「新しい旅のスタイル」が融合した取り組みです。観光客の一部がその地域の魅力を感じて、リピーターになったり、他の人におすすめしてさらにファンが増えることが期待されます。

 

まとめ

観光以上に地域と深く関わる体験などを通して、地域とつながったり応援したりできる取り組みはたくさんあります。まずは気になる地域を調べて、プロジェクトやイベントに参加してみてはいかがでしょうか。

こちらの過去に行った関係人口系のイベントのレポート記事も参考にしてみてください。

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