今回は、SNS活用のプロである株式会社BEYONDの道越様をお迎えして、地方創生に役立つSNS活用術についてお伝えいただきました。
【イベント概要】
SNS×地方創生マーケティング
〜海外・国内でターゲティングした効率的情報発信による集客術とは!?〜
日時 :2017年11月7日(火)19:00-21:00
会場 :NTTドコモ・ベンチャーズ ラウンジ
登壇者:
道越万由子(みちごえ まゆこ)
SNSマーケティング・インバウンドマーケティングプロデューサー
株式会社BEYOND代表取締役
社団法人JIF インバウンド連合会 理事
神戸山手大学 ゲスト講師
新卒から10年以上IT業界でWEBマーケティングに従事し、インバウンドPR・集客プロデューサーとして活躍。株式会社オプトでSEMコンサルタント、トレンダーズ株式会社にてPRプランナー、ベンチャーにてECコンサルタントを経て、2015年より、海外・SNSマーケティング事業を立上げ、自治体や大手企業の海外マーケティングの運営やインバウンド集客の100社以上のプロデュースに携わる。2016年9月に、インバウンドPRに特化したマーケティング会社である株式会社BEYONDを設立し、代表取締役に就任。また、現在は日本のインバウンドをSNSで盛り上げるため、社団法人JIF日本インバウンド連合会の理事なども務め、全国の自治体や企業向けにも多数講演を実施。
株式会社BEYONDの道越と申します。今日は宜しくお願いいたします。
今日のテーマは「攻めるインバウンド!」です。すでにインバウンドのマーケティングに取り組まれている会社さんも多いかと思われますが、海外の方が日本に来てからするのではなく、日本に来る前にしっかり情報発信やブランディングをすることが大事になると私は思っています。今日はSNSの具体的な活用方法や事例をご紹介できればと思っています。ぜひみなさんの情報発信に役立たせていただければ嬉しいです。
まず、自己紹介をさせてください。道を越えると書いて道越(みちごえ)と読みます。よくインバウンドのために生まれたような名前だねと言われるのですけど(笑)。もともと新卒から株式会社オプトという会社で広告の運用をやっていて、ずっとインターネット業界におりました。
地元に帰った際に、両親の出身の中学校が廃校になっていたこと等が機に、地方をもっと盛り上げることを何かできないか、と思ったことがインバウンド事業を始めたきっかけになります。
今日はSNSと地方創生マーケティングということで、まず基本から入らせていただきますと、訪日外国人がどういう風に行動していくかと言いますと、こちらの図の通りになります。
1番最初は日本に来る前に情報収集をされるんですね。ここでいかにリーチできるかが大事になります。2番目が日本を旅行中に次どこにいこうかな、何か情報がないかなと探している状態です。「明日はここにいってみませんか」という情報発信が大切ですね。3番目は、実際に体験をしている段階。次の4番目でその体験の口コミをする動きになります。帰ってから自然にシェアされることを考えると、3番目の満足度がすごく大事なので、サービスの質を高めておく必要があります。本当に満足度が高ければ4と5の投稿によって自然にリーチは伸びていくんですね。
今までは受け身のインバウンドと言われていましたが、今は攻めのインバウンドが大事になってきていて。地方はブランディングを確立し、ファンの囲い込みによる集客力を高めることで確実に差が出てきます。実は日本にはたくさんのコンテンツがあるんですね。特に地方には海外の方が知らないコンテンツがたくさんあります。
海外の人が感動するのは、日本各地の名産物や、職人の技術が世界一安全で安心できること。そして日本といえば食ですよね。お寿司といった日本っぽい食事だけでなく、普段食べているような意外な食べ物が割と好評だったりするんです。自分たちが当たり前だと思っていたことでも海外の人からは驚かれることがたくさんあるので、周りにいる外国人にぜひ聞いてもらうと良いと思います。
ではさっそく、SNSを使ってどう集客をしていくかに関して、私が色々やってきたなかで見つけた集客の5大ポイントをまとめてみました。
1つは来日前から「継続的に」情報発信をしていくこと。なぜかというと、世界中の人が日本に来るタイミングはばらばらなので、一時的な投稿だと見てもらえない可能性があります。日本に来ると決まったそのタイミングに見てもらえるよう継続的に発信することが大事。同時に、むやみやたらに発信しても効果が出にくいので、どこの国のどういう人にきてもらいたいのかというターゲットをしっかり決めて発信するのが特にインバウンドは重要かと思います。
2つ目は、日本人の一方的な見解ではなく海外の方の目線に合わせたコンテンツ発信をすること。日本っぽい侍やお寿司じゃないと海外の人に受けないんじゃないかと思ってるんですけど、意外に地方の田舎の風景とかそういう当たり前のものが受けたりするので、日本人じゃなくて海外の人目線のコンテンツを意識してもらえたらと思います。
3つ目はすごく大事なポイントです。特にSNSを使って発信するコンテンツを作る時に意識して欲しいんですけど、いかにSNSでみたときにリアル感でひと気があるかが大切です。人気があるコンテンツの多くは「誰が紹介しているのか」が明確なんです。
4つ目は、丁寧で誠実、密なコミュニケーション対応をすること。海外の方は日本人よりも発信に対してコメントや問い合わせを気軽にくれるんですよね。説明を書いていてもわざわざ聞きにきます。日本人はそれをめんどくさいといって放置しがちなんですけど、ここでコミュニケーションをしっかりとることで、ファンになり、予約や訪問へと効果が出てくるんです。
最後5つめ。SNSと動画の相性はすごく良くて、Facebookも動画を評価する傾向があるので、定期的に動画を入れて配信していただくのがいいかなと思います。動画というと大変なイメージがあるのですが、そこまで凝らないでスマートフォンを使った撮影でも、すごく効果があります。撮影する際は、短くて見やすい動画を意識してください。目安として30秒から1分くらいが良いのではないかと思います。動画の中で話す人は、愛嬌があるなど見た目のインパクトも大切ですね。
さて、SNSの利用率を見てみましょう。日本はLINEが一番で次にYoutube、Facebookと続きます。今は10代20代の若い人たちの間では、TwitterやInstagramが伸びてると思うんですけど、実は年収1戦万以上の富裕層や40代後半ではFacebookが伸びています。また中国に関しては、SNSが使えないことになっているので。中国がつくっているWeChatやSina Weiboというツールを使う傾向があります。最近東南アジア中心に伸びているのは、Instagramですね。韓国にも触れておくと、圧倒的に高いのはKakaoTalkという黄色いLINEの韓国版みたいなものなんです。KakaoTalkとFacebookを掛け合わせて使っていくのが韓国ではいいと思います。あといま法律が伸びているマレーシア、シンガポール、インドネシアはFacebookの利用率とInstagramは伸びていますね。Facebookは去年Instagramを買収したので、Facebookの広告機能をInstagramにも配信できるので、この2つを並行して活用していけばある程度広い国の層を網羅できると思います。
次に、SNSの中でも効果が最も高いFacebookについてお伝えできればと思います。なぜFacebookが1番効果が出るかというと、1つは圧倒的なユーザー数の多さですね。日本では、2500万人。海外では16 億5000万人の利用者がいると言われています。また、ターゲティング精度度が世界で一番高いと言われています。細かく設定ができるのでここを上手く設定することで、自分たちのターゲットにあてることができるんです。なぜかというと、Facebookは世界中の人のデータを集めているんです。例えば、性別、年齢、家族構成、富裕層のレベル、行動パターン、普段どういうページを見ているか、どういうアプリを直近でダウンロードしているか。このターゲティングできる項目は1000項目以上あるといわれていて、尚且つ毎日増えています。AIがみなさんのデータを分析して都度アップデートしているんですね。なので細かくターゲティングをしていくと、日本にいながらもピンポイントで海外の人に情報発信することが出来るので、これがFacebook広告の凄いところです。怖いなと思う人はいらっしゃるかと思うのですが、マーケティング側としては有難いことですよね。
また、よく企業さんから「投稿が炎上することはないの? 」と聞かれるのですが、Facebookは実名登録なので批判的なコメントや荒らしが起きにくいという特性があります。万が一あったとしても、管理者側で否定的なコメントの非表示・ユーザーのブロックができるので、安心して使っていただけるかなと思います。
(END)
企業のFacebookページも、5分で作れてしまう時代。その情報発信の手軽さから、戦略を立てる前になんとなくで動いてしまうことも多いのではないでしょうか。このように多くの人が着手しやすいSNSだからこそ、コツを掴み、戦略的にマーケティングをしていくことが重要なのだと思いました。
ここに書いてある知恵をぜひ活用してファンづくり・集客に活かしていただければと思います。また、本イベントを開催してくださいましたドコモ・イノベーションビレッジでは、定期的にイベントを開催しております。ぜひチェックしてみてくださいね。