JAPAN
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美しい景色、地元の人が手間暇かけてつくった食材、受け継がれてきた伝統… 日本各地には、世界に誇れる魅力的な観光資源が眠っています。しかし、その魅力を十分に活かしきれていない側面もあります。
「今ある⽂化を⾒つめ直し、よりいい形で発信できないか」
「地域と繋がる観光コンテンツを⽣み出せないか」
そう願うアナタに、ぜひ知ってほしい学びの場があります。
1年で350人以上のローカルで活躍する人材を輩出する株式会社WHEREが、世界最大級の宿泊予約プラットフォームであるAirbnb、そして、島根県隠岐諸島にあるジオパークに泊まれる拠点「Entô(エントウ)」と連携して開講する「観光経営人材養成講座」です。
本記事では、株式会社WHERE代表取締役平林さんの講座への想いと、これからの観光に求められる役割について深堀りします。
地域の「光」を「観る」と書いて、観光。
今ある地域の魅力をどう輝かせるか、考えてみませんか?
*「観光経営人材養成講座」の詳細なカリキュラムや開講スケジュールはこちらからご覧ください。
WHEREが新たに開講する「観光経営人材養成講座」は、まちにある魅力的な資源を組み合わせ、100年先まで続く宿泊・体験コンテンツを生み出し、運営する力を身に付ける講座です。
なぜ今、このような講座が必要なのでしょうか。
平林さんはその背景についてこう語ります。
「WHEREは観光ど真ん中で事業を展開しているわけではありませんが、関係人口と観光や産業と観光の掛け合わせに取り組んできたり、全国各地域の取り組みを取材させていただいたりしています。
そのなかで、ある変化を感じます。これまでの観光は団体旅行が多く、かつ、旅のコーディネートは旅行会社が全部やってくれていました。そのため宿泊施設は、いらっしゃったお客様を自分の施設でおもてなしすることに集中していれば、満足度の高い観光を提供することができていたと言えます。
しかし、今は一人ひとりニーズが多様化しているため、施設を超えて、まち全体でお客様の心に深く残る体験を届けていく必要性を感じています」(平林さん)
以前は、旅行会社が提供するパッケージツアーのような「お任せ」スタイルの旅行や観光が主流でした。
しかし、近年はSNS等でまちの様々な情報を誰でも簡単に知ることができるようになり、自分の興味関心に合わせた「より自分にあった満足度の高い体験」が求められるように。
有名な観光地巡りだけなく、地域の人々との交流やその土地の文化や歴史に触れたいーー。
仕事と休暇を組み合わせた、ワーケーションを楽しみたいーー。
観光しながら、自分にぴったりの移住先を探したいーー。
このように観光に求められるものが多様化しています。
その結果、観光が起点となり、地域の関係人口が増え、関係人口が移住へ繋がっていくなどの連鎖が起こり、「観光と移住や、観光と産業など、それぞれの領域の境界線が曖昧になってきている」と平林さんは言います。
そのような中、WHEREに届いたのが、自治体や宿泊施設からのリアルな声でした。
「自治体や宿泊施設の方から、『観光と産業を結びつけたい』『観光と移住を連携させたい』という声をよく聞きます。しかし、『具体的にどうすれば良いのかわからない』と相談をいただくことも多いんです」(平林さん)
観光は、「21世紀最大の成長産業」と言われ、日本の四季や独自の食文化などは多くの観光客を惹きつけます。地域に経済効果をもたらしている一方で、オーバーツーリズムなどの問題も引き起こしている側面も。京都やニセコなど人気の観光地では、地域住民の方々の生活に支障が出ているケースも少なくありません。
平林さんは、このような現状に対し課題感を感じています。
「その土地に住む人も、訪れる人も、みんながwin-winになれる観光にするためには、宿泊施設だけの視点ではなく、まち全体の視点をもって価値づくりに取り組むことが大切なんです」(平林さん)
WHEREが目指すのは、地域を消費する観光ではありません。
訪れた人が、その地の風土や文化を知り、暮らす人々に出会い、営まれてきた生活の知恵を学ぶ。そして、地域と人が共に輝ける観光を創造すること。
その想いを胸に、WHEREは「観光経営人材養成講座(詳細はこちら)」を開講します。
地域の魅力は、宝石のように原石のままそこにあるだけでは、その輝きを十分に発揮できません。
魅力を効果的に伝え、「ここに行きたい」と人々の心を動かすためには、観光資源を磨き上げたり、組み合わせたり、価値を高める「編集力」が求められます。
それを身に付けるためには、「地域にどんな魅力や資源があるかを把握し、どのように連携できるかを考えるといった、『面で捉える視点』が必要です」と平林さんは言います。
「例えば、まちのなかにホテルがただある状態ではなく、そのホテルに滞在することで、地元の漁師さんが採った地場の魚が夕飯で味わえたり、朝4時に起きて一緒に漁を楽しめたり、まちにある資源を活かした体験ができる。
そんな風に、そこでしかできない良質な体験を生み出していくことが必要ですね」(平林さん)
地域に眠る資源を掘り起こし、磨き上げ、新たな価値を創造する「面の視点と編集力」。
それこそが、これからの観光を担う人材に求められる力。
では、WHEREはどのようにしてこれらを培ってきたのでしょうか。
WHEREは、自社事業として一棟貸し古民家「まつや邸」を運営(現在は事業譲渡)。長野県の最南端にある人口900人の根羽村で、村人がガイドとなり、農業・筍採り・渓流釣りなど、小さな山村の日々の中にある「エンターテインメント」をコンテンツにしています。そうして、村のくらしを満喫できるサービスを作り上げました。
さらに、WHEREは自治体・企業と連携して地域課題に伴う事業プロデュース・メディア運営・サミット企画運営と様々なプロジェクトに200以上取り組む中で、地域の魅力を余すことなく伝えるプロデュースのノウハウを蓄積してきました。
「観光経営人材養成講座」では、2015年の創業時から地域に向き合い続けてきたWHEREの地域の魅力を発掘し、価値に変換する視点を学ぶことができます。
地域や他者と共感から繋がるには?それぞれの得意分野を活かしながら、地域全体を巻き込んで事業を作り上げていくには?ローカルでの事業づくりで役立つ手法をお伝えします。
そして今回、WHEREの想いに共鳴し、2社の強力なパートナーが加わりました。
世界中の220を超える国と地域で、ユニークな宿泊先や体験をできる世界最大級の予約プラットフォームであるAirbnb、そして、島根県隠岐諸島の海士町(あまちょう)にあるジオパークの拠点と宿の複合施設「Entô」です。
Airbnbは、世界中で空いている部屋や一軒家・別荘などを貸し出すホストと、宿泊するゲストをマッチングさせるプラットフォームを運営しています。
日本全国で深刻化する空き家の問題に対し、新たなホームシェアリング活用の可能性を生み出す存在として、地域活性化の観点からも注目されています。
宿泊施設を増やして地域と利用者をつなぐだけでなく、地域との共存共栄を目指した活動をホストコミュニティと共に行っているAirbnb。「観光経営人材養成講座」では、どのような学びが期待されるのでしょうか。
「Airbnbは、国内外含め多様な地域に展開しているため、新たな観光スタイルの構築と一人ひとりのニーズを捉える確かな視点を持っています。講座では実例を踏まえ、日本に眠る地域資源を編集する、まち全体を見る視点を吸収できます」(平林さん)
続いてEntôは、「ジオパークの泊まれる拠点」。位置するのは、人口約2,000人の島根県海士町。老朽化が進んでいた、島で唯一のホテルをリニューアルし、2017年にオープンしました。
歴史ある施設を再生し、「なにもない」を価値に変える滞在をデザインする。さらに、スタッフが「消費されない」オペレーション設計など、これからの持続可能な観光に必要な視点が詰まった場所です。
ジオパークの世界認定を受けた自然豊かなこの地で、独自の観光モデルを築き上げてきたEntô。ホテル滞在にとどまらない、むきだしの地球と生きる時間を生み出しています。
まるで絵画のような色鮮やかな岩肌。
てっぺんが見えないと錯覚しそうなほどの巨木。
それを五感で、全身で、感じる瞬間。
見事なブランディングにより、海士というまちに根付いている資源そのものを価値に変え、訪れるゲストに提供しています。
また、訪れたゲストからいただいたお金、いわば「バトン」を、どのように隠岐のまち・環境に、還元し、循環させていくか。日々、ゲストと共に考え、より良いお宿・地域づくりのために動き続けています。
「Entôは、1施設としての視点だけでなく、まち全体の資本をどのように生かすかを、真正面から向き合っています。そして、試行錯誤してきたノウハウは多くの地域でも応用することができると思っています」(平林さん)
日本各地のローカルに向き合ってきたWHERE。グローバルな視点を提供するAirbnb。そして、滞在拠点を通じてまちの循環を生み出すEntô。
それぞれの分野で強みを持つ3社が連携して出来上がった当講座。
まちを広くみる「全体」の視点。
1宿泊施設としてどのように連携できるかを考える「個」の視点。
双方から地域資源の可能性を発掘し、連携し、魅力あるコンテンツとして価値化していく「編集力」を着実に身に付けましょう。
旅先で出会う、何気ない風景や人々との触れ合い。
そんな小さな出来事の中に、その土地の魅力が詰まっているのではないでしょうか。
その魅力に気づき、価値に変えることができたら、もっと多くの人が地域を訪れ、地域を好きになってくれるはず。
「観光経営人材養成講座」プロデューサー平林さんは、これからの観光をこう語ります。
「その土地に訪れた人とおもてなしする人との境界線や、宿泊事業と一次産業の境界線など、様々な人や産業の間にある境界線を溶かすことができれば、お互いが連携しあい、共にまちや産業の価値を上げていくことができるのではないでしょうか。
観光は、それらの境界線を溶かし、活かすことができる可能性のある産業だと思っています」(平林さん)
地域の魅力を発掘し、磨き上げる力。
地域の人々と協力し、新たな価値を創造する力。
そうすることで、地域も、資源も、その土地に住む人も、訪れる人もみんな潤っていく。
そんな持続可能な循環を仕組化する力を身につけませんか。
「観光経営人材養成講座」は、これらの力を身につけ、未来のまちと観光を創造する学びの場です。
100年先まで続く、魅力あふれるまちと観光を目指して。
アナタと学びの一歩を踏み出せることを楽しみにしています。
カリキュラムやスケジュールは、以下のリンクよりご確認ください。
WHERE ACADEMYでは、ローカルで挑戦したいアナタを応援する学びの場をご提供しています。講座の先行情報やお得な特典は、「WHERE ACADEMY公式LINE」をチェックしてください。
Information
「自信のあるスキルがなく、一歩踏み出しにくい…」
「ローカルで活躍するためには、まず経験を積まなくては…」
そんな思いを抱え、踏みとどまってしまう方に向けて、
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Editor's Note
「観光」がもつ可能性を、改めて感じた今回の取材。講座終了後はインターンシップの機会も用意されています。「学んで終わり」ではなく、地域で本当に必要とされていることを肌で感じ、次のアクションを起こすことができる。そんな、100年先の地域を見据えた学びの場が、今、まさに始まろうとしています!
Amika Sato
佐藤 安未加