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LOCAL LETTER

【後編】元大手IT企業エンジニアが地方創生に挑戦。会社の非常識と今後のビジョンとは

JUL. 27

Uozu, TOYAMA

前略
地域に何か貢献したいと思っているあなたへ

創業前から「誰もが心に豊かさを持てる世界を実現したい」と語っていた株式会社WHERE代表取締役を務める平林。創業から約1年半で20以上の自治体と取引を行い、3,000人規模のイベントを成功に収めたほか、総務省が行う地域未来牽引企業のアワードも獲得。

前編では富山県富山県魚津市の講演会で平林自身が語った、株式会社WHEREを創業する時の想いや「誰もが心に豊かさを持てる世界」を実現するために行ってきたサービスについてご紹介した。後編では、同じく富山県富山県魚津市の講演会で平林が語った、1年半でここまでの飛躍をした株式会社WHEREのコアになっている「非常識」と今後の大胆な「構想」についてお届けします。(前編はこちら

プロフィール
平林 和樹(Kazuki Hirabayashi)
株式会社WHERE代表取締役
1988年生まれ。新卒で大手IT企業に入社後、フルスタックエンジニアとして全社MVPを受賞。特許も取得。その後単身カナダへ1年間渡航したのち、50社以上の中小企業のITコンサルティングを経て株式会社CRAZYにジョイン。現在は株式会社CRAZYのグループ会社である株式会社WHEREの代表取締役社長をしている。

成長し続ける株式会社WHEREが最も取り組む3つの非常識

1年半でこれだけ多くの取り組みをしてきた僕たちの背景にあるものは、いつでも前提や常識を疑って、ITというスケールするツールを生かしてきたということです。

日々どうしたらできるのかを考え尽くす姿勢は、時に自治体を動かす力もあると平林は言います。そんな中でも今回の講演会で平林が語ったは、WHEREが最も取り組んでいる非常識3つについて、簡単にご紹介します。

|非常識 No.1:本社機能は一切なし、東京も拠点・地域のひとつと考える

僕が一番大切だと思っていることは「地域に実際に足を運ぶこと」なので、ちゃんとそこに価値が置けるような仕組みづくりを行っています。

多くの作業をIT化しているからこそ本社でやる必要がある作業はほとんど存在しません。常に自由に動ける且つ、チームとしても動ける状態を大切にしながら模索を続けています。

|非常識 No.2:信頼市場重視、商品よりも信頼が大事

僕たちは商品市場重視ではなく、信頼市場重視を大切にしています。今は、商品の質も大切ですが「誰から買うか」「誰と一緒にやるか」「どれだけ多くの人に信頼されているか」というコミュニティビジネスが重要視されるようになってきました。

創業当初はまだ商品と呼べるものすらなく、あったのは「誰もが心に豊かさを持てる世界を実現したい」というビジョンのみ。それでもそのビジョンに対してお金を払ってくれる人がいたのは、そこに「信頼」があったからだと平林は言います。

僕たちは「WHEREが関わると面白い」というブランドを作っています。今、地域の人たちに一番喜ばれるのは、僕たちが地域のツアーやイベントに連れてくる人の質です。地域にとっても「誰でもいいから来てほしい」というわけではないと思うので、僕たちが信頼のハブになることで、いろんな人達を繋ぎ合わせていくことを大切にしています。

|非常識 No.3:スモールスタート、仮説検証重視

本来大事だと言われるリサーチや事業計画を「スモールスタート、仮説検証重視」にすることで、いかに小さく、早くリスクに出会うかを大切にしながら、仮説と検証を日々繰り返しながら進めています。

 

 

現在ベンチャー企業が社会に生き残ると言われている確率は10%以下。どれだけしっかりとした事業計画書を5年分立てたとしても、時代の変化が激しい中では簡単に取り残されてしまうと平林は考えます。

 

プランを練ることは大切ですが、時間をかけて立派な企画書を作れば作るほど、作り込んだ企画を実際に動かすことが難しくなる場合もあると思っています。僕らは実際に現地に足を運んで、リアルな声をいただきながら行動を重ねながらPDCAを回していきます。

 

とにかくPDCAを早く回して、トライアンドエラーを繰り返してきたことで、結果として20以上の自治体と取引することができたと思っています。

 

課題先進国日本が辿り着く未来(仮説)

少子高齢化による生産年齢人口の減少や地域の過疎化、介護サービスの需要増加などが急速に進む日本は世界における「課題先進国」。世界中の先進国が体験したことのない課題に日本が真っ先に到達すると言われています。

未知なる未来に差し掛かる日本ですが、そんな中でも今後の未来について、平林が持っている仮説を語りました。

|仮説1:企業は自治体に自治体は企業に

今後、企業は自治体よりも規模が大きくなっていき、今の自治体のような役割を担うようになってくると僕は思っています。企業の時価総額が有名なアップルと日本の国家予算ってどれくらい違うと思いますか? 実はどちらも同じ約92兆円と言われています。

これは、企業が国家並みの人やインフラ、影響力を持っていることを意味しています。今後さらに、多種多様な企業が国境を越えてグローバルに影響力を持ち始め、時価総額を上げるほど、企業自体に自治体のような自治の機能が必要になってくると僕は考えています。

今でも託児所を用意している会社はあるが、今後はさらに当たり前のように各企業に託児所が設けられていたり、社員が使用する電気などのインフラを企業が用意する未来がくると仮説を立てています。

企業が自治体の役割を担っていくのと同時に、自治体は企業のような経営的な視点を持って取り組むようになると思っています。

これからの自治体は、国の予算に依存するのではなく、自分たちでお金を稼いだり、人口が減ったとしても経済が成り立つような「持続可能な財源を確保する」アプローチが重要になってくると予想しています。

すでにWHEREとして自治体と一緒に持続可能な財源の確保ができる仕組みも整えているという平林。一緒に動き始めている自治体もあるということなので、今後目が離せません。

|仮説2:これからは人材のシェアリングが重要に

東京都ですら消滅可能性都市と呼ばれる区が存在している中で、人口減少と高齢化の増加の流れを変えることはどうあがいても難しいからこそ、これからは「人材のシェアリング」が大切だと平林は仮説を立てています。

今まで各地域が各々に「いかに自分の地域に移住者を引っ張ってくるか」というアプローチをしてきたと思います。自分たちの地域にしかないノウハウがあれば、それを他言せず独自のブランドとして守ることを大切にしてきたと思います。

ですが例えば林業で大成功を収めている長野県根羽村のノウハウが日本全国に提供できるとしたら、間違いなく日本は盛り上がると思うんです。人口が減っている中、一地域という単位で捉え、一地域ごとに人口を奪い合うことが本当に重要なのでしょうか?

例えば都内在住者が遠隔で、週末に、これまでのノウハウや個性を活かして、地域の方と協力し合うことで地域に面白いアイディアやイノベイティブな活動ができるかもしれません。

この人材のシェアリングを可能にするのが、僕たちの自社メディア「LOCAL LETTER」です。今LOCAL LETTERには、どこか特定の一地域というよりも地域のまちづくりに貢献したい人や、地域に参画したいという人が集まってきています。

なので東京でプロモーションのイベントなどをやる際に、LOCAL LETTERにイベント情報など、質のよい地域と関われる接点となる機会を投げ込んで、地域に関わりたい人が集まってくるプラットフォームをイメージしていて、実際に今いろんな人たちが巻き込まれていってる状態です。

「富山県魚津市」と地域を限定するのではなく、富山県も四国も北海道も、というようにいろんな場所が一緒に使えるコミュニティの形成を考え、LOCAL LETTERで実践をしていきます。

海外展開も見据えた仲間探し

最後に僕たちがWHEREを運営する上で、最も大切にしていることをお伝えさせていただいきます。

早く行きたければ一人で行け、遠くに行きたければみんなで行け

僕自身は「日本を世界に持って行きたい」と思って、この株式会社WHEREという会社を立ち上げていますし、日本の各地域の文化やそこに住んでいる人の特性を活かしたら、日本はもっと海外からお金を稼げると思っています。海外に展開することができたら、海外にしっかりとした日本の文化が伝えられるという良い循環も生まれます。

ですが僕たちだけで「日本を世界に持っていく」ことは不可能です。僕は、どうしても遠くに行きたいので、今いろんな地域に足を運んでは少しずつ仲間集めをしている途中ですね。

今年は、さらにたくさんの地域に広げていきたいと思っていますので、まだ出会ったことのない地域の皆様、よろしくお願いします!

 

草々

富山県魚津市

これからも富山県魚津市の応援をお願いします。

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