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LOCAL LETTER

めざしたのは、みんなにとっての “実験場”。LivingAnywhere Commons八ヶ岳北杜が紡ぐ「挑戦できる場所・山梨」のカタチ

MAR. 16

YAMANASHI

前略、「やりたい!」と思うことをなかなか叶えられず、思い悩むアナタへ

“山梨は、挑戦と近い。未来と近い。TRY! YAMANASHI!” をテーマに、日々挑戦する人々の背中を押すプロジェクトを進めている、山梨。そんな山梨はいま、「二拠点生活」を中心に、自分らしい生き方や暮らし方をかなえる場所として、大きな注目を集めています。

今回は、挑戦できる場所・山梨の中でも、ひとりひとりの「やりたい」を、みんなで創意工夫しながら、等身大の形で叶えていく。そこへ行けば、かならず知り合いの “誰か” がいて。あたたかな人間味と、自然の豊かさが共存しているような。そんな山梨のとある場所を訪れました。

山梨県北杜市。富士山や八ヶ岳連峰がそびえ、透き通った湧水がさらさら流れる、とっても静かな場所。そんな自然豊かな土地に位置するのが、挑戦できる場所・山梨を後押しする存在でもあるLivingAnywhere Commons八ヶ岳北杜です。

『自分らしくを、もっと自由に』というテーマのもと、国内で13拠点(※2021年3月9日現在)のワークスペースやレジデンススペース(長期滞在のための場所)を運営している『LivingAnywhere Commons』。ここでは、そんなLivingAnywhere Commonsの利用者であり、株式会社TABIPPOのコミュニティマネージャーを務めているという浦川 拓也さんに、山梨や『LivingAnywhere Commons八ヶ岳北杜』の魅力を語っていただきました。

ワークスペースと娯楽を “選択できる” からこそ山梨に行く

ー本日はどうぞよろしくお願いします! 

浦川 拓也さん(以下敬称略):よろしくお願いします! 晴れてよかったですね〜!

ー快晴に恵まれて、取材日和の一日になりそうですね!

浦川:本当ですね! まさに山梨が持つ魅力のひとつに、「自然が綺麗」というのもあって。晴れた日には富士山が見えたり、空気がすっきりと澄んでいたり、都会ではあまり見られない豊かな自然に触れられるんです。

ーたしかに、東京だとあまり見られない光景ですよね。

浦川:僕自身、東京を本拠点として働いているんですが、一ヶ月のうち七日間ほどはこういった自然が豊かな場所で仕事をしているんです。仕事柄、「旅」がメインになっていて、全国を飛び回るせわしない日々ですが、自然に囲まれていると気分も体もリフレッシュできるような気がしていて。それに、『LivingAnywhere Commons八ヶ岳北杜』にはサウナもあるし、お風呂もあるし、仕事をするためだけでなくほとんどそれらのために来ていると言っても過言じゃないかも(笑)。サウナに入って頭を空っぽにすることで、アイディアが降ってくることも多いですよ。

ーなるほどなるほど、それが仕事に作用することも多い、と。

浦川:そうですね。仕事で凝り固まってしまった頭を一新したり、仕事前にすっきりしてみたり。ワークスペースとしての利便性ももちろんあるんですが、そういった「娯楽」の部分も魅力のひとつだと思っています。ワークスペースの種類も多くあるし、なおかつ娯楽も存在する。選択肢が多いという点も、全国各地にある『LivingAnywhere Commons』の施設の中からあえて、山梨を選ぶ一つの理由ですね。

「ここに来れば、誰かがいてくれる」という安心感

浦川:「近さ・あたたかさ」というのも、まさしくここの大きな魅力のひとつかなぁ、って思っています。

ー近さ、あたたかさ?

浦川:山梨は、僕の主な拠点である東京から車で時間程度と、かなりアクセスも良くて。そういった「物理的な近さ」もそうですし、「人との近さ」もあるんじゃないかと思っています。ここの運営会社である『LIFULL』の方々もそうですし、実際にここで暮らしている方々もそう。「ここに来れば、誰かがいてくれる」という安心感や親近感があるように思えます。本当にいろんな人がいて、それぞれがそれぞれの暮らしを尊重し合って暮らしているような。そして何より、『LivingAnywhere Commons八ヶ岳北杜』で出会う方々には「あたらしいことをしよう」といった気概が共通しているように感じるんです。

ーあたらしいこと、ですか。

浦川:『LivingAnywhere Commons』を利用する方それぞれが「次はどんなあたらしいことができるだろうか?」と考えているような気がします。みんなで意見を出し合ったり、情報を交換し合ったりなんかも。これは山梨の魅力とも言えそうですよね。「挑戦する人が集まっている場所」として。

ーなるほど。自分と似たマインドの方々に出会える場所ですか。

浦川さん:そうなんです。前を向き、ポジティブな心で「何かおもしろいことや、あたらしいことをしよう!」と考えている方が多くて。そういうところが好きですね。

ー志を同じくしている方とは、やっぱり話も合いますよね。

浦川さん:きっと、僕だけでなく、メンバーの方々にとってもそのような場所なのだと思いますよ。ここ八ヶ岳北杜拠点もおなじく、みんなにとっての「目的の場所」になっているんだろうなぁ、と。みんなの挑戦を応援する山梨の、まさにみんなの挑戦を後押ししてくれる場所。だからこうして、魅力的な人たちが集まっているんでしょうね。

『LivingAnywhere Commons八ヶ岳北杜』の魅力を存分に語ってくださった浦川さん。場所としての快適さはもちろん、“人のあたたかさ” と話す彼の表情は、まるで大切な友人を懐かしみながら微笑んでいるようにも見えました。きっとそれは、山梨が誇る広大な自然と、その包み込むようなあたたかさがそうさせるのだろうなぁと。

次に続くのは、『LivingAnywhere Commons八ヶ岳北杜』のプロデューサー・コミュニティマネージャーを務める渡鳥 ジョニーさんへのインタビュー。長年のバンライフ生活のさなか、『LivingAnywhere Commons八ヶ岳北杜』の運営に携わることになった彼。静かに燃える未来への希望、信念をぜひお楽しみください。

“誰よりもまず、自分がこんな場所を求めていた”

ー次にお話を伺うのは、『LivingAnywhere Commons八ヶ岳北杜』のプロデューサー・コミュニティマネージャーを務める渡鳥 ジョニーさん。よろしくお願いします!

渡鳥 ジョニーさん(以下敬称略):よろしくお願いします。わざわざ来てくださって、ありがとうございます。

ー東京から2時間ほどかけ、車で来たんですが、本当に景色が綺麗ですよね……!

ジョニー:そうなんです。南側に富士山と南アルプス、北側に八ヶ岳がバッチリ見えます。冬は特にキレイで『LivingAnywhere Commons八ヶ岳北杜』をオープンするにあたって、山梨を選んだ甲斐があります。自然があるって、素晴らしいですよね。

ーこちらの場所を選んだのは、「景色が綺麗」という一点だったのでしょうか?

ジョニー:もちろん他の理由もありますが、そこは大きいですね。富士山を覆う雪って、本当に綺麗で。僕の父は山梨県・甲府の出身で、祖父は長野県の出身。いつも高速(中央道)を通っていて、子どもの頃ながらに「素晴らしい場所だなぁ、いつかここ八ヶ岳で暮らしたいな」と思っていたんです。水が綺麗で、空気もおいしい。そんな素敵な場所ですね。僕はお酒が大好きなのですが、山梨には「作れないお酒が無い」と言われていることを誇りに思っています(笑)。

ーなるほど。念願かなって、八ヶ岳に拠点をオープン。この建物が立ち上がった経緯や、ジョニーさんがここに携わるようになったきっかけはどういったものなのでしょうか?

ジョニー:ちょうど一年前、2020年の1月頃に、『LivingAnywhere Commons』の八ヶ岳拠点をオープンさせたいという話を耳にしたんですね。その際、運営会社のLIFULLさんから、構想の説明があって。それが『実験場をつくりたい』というお話だったんです。

ー実験場、ですか。

ジョニー:建築であったり、さまざまな事業であったり、とにかく利用者が「実験」をおこなうことができる場所。やりたいことを、一度形にしてみることができる場所。僕自身、暮らしながら社会課題解決や新しいライフスタイルのための実験ができる場所を車を使って地方を渡り歩きながら暮らす「バンライフ」を通じて探していたんです。でも、既存にはそういった場所がなかった。「ないならつくってしまおう」ということで “Living Lab(暮らしの実験場)” というコンセプトで『LivingAnywhere Commons八ヶ岳北杜』をつくりました。バンで全国を回ってきて、魅力あふれるさまざまな場所を訪れてきた中でもやっぱりここ山梨が良いな」と思いましたね。

ー共通点があった、と。

ジョニー:バンライフの暮らしを続けていくうえで、「もっとこうだったら良いのに」や「こんな場所・プロダクトがあったら良いな」など、なんとなくこうしたいな、こうだったら良いな、と思うような機会が多かったんです。でも、僕ひとりの力ではどうすることもできない。『LivingAnywhere Commons八ヶ岳北杜』は、誰よりもまず、僕が求めていた場所でした。

いろんなことを浅く知っているからこそ、みんなに “いてほしい” と願う

ー「実験場」という言葉が出てきましたが、実際にはどのようなことが行われているのでしょうか?

ジョニー:本当にいろんなことですね、挙げればキリがないかもしれません(笑)。屋外にサウナ施設を手づくりしたり、「インスタントハウス」と呼ばれる小さな家を作ってみたり。屋内には手づくりのバーをオープンさせたり。これらはすべて、誰かの「やりたい!」という気持ちがあってのことでして。

ー「やりたい!」を叶える場所ですか。

ジョニー:たとえば、バーなんかがまさにそうです。僕はもともとお酒が大好きなのですが、バーテンダーとしてお店に立ったことはなくて。自分のふんわりとした「やりたい!」を形にして、勉強しながらなんとなく開いてみたところ、Twitter上で『僕もやりたいです! 場所、貸してください!!』というメッセージが届いたんです。

ー想いが伝播したような形で。その後はどうなったんですか?

ジョニー:彼は、もともと仕事としてバーテンダーをしていたみたいで。辞めてしまってからはライターとして文章を書きながら生活しているようだったのですが、やっぱりバーテンダーもやりたい、と。なので、『LivingAnywhere Commons八ヶ岳北杜』のバーづくりを任せることにしました。

ーすごい思い切りですよね。「やりたい!」という気持ちを無下にしない、というか。

ジョニー:バーテンダーを「仕事」としてやっていた際には、どうにも自己肯定感が上がる機会に恵まれなかったらしく。でも、こういう場所で小さく続けることによって、利用者の方々にも楽しんでもらえる。自身も好きなことができて嬉しいし、等身大に働くことで、なるべく手触りのある喜びを得ることができる。こういった動きこそが、『LivingAnywhere Commons八ヶ岳北杜』らしさ、強いては挑戦できる場所としての山梨らしさなのかもしれませんね。

ーそもそも、ジョニーさんが一人でバーを続けなかったのは、やはりそこに他の方の「やりたい!」があったからですか?

ジョニー:うーん、僕にももちろん「やりたい!」という気持ちはあるし、それを尊重しながら暮らしていきたいので、「他の人を優先しよう!」の気持ちではないですね。僕もやりたい。でも、僕は浅く知っているだけで、いわゆる “仕事” にできるレベルではなくて。だったら、知っている方の知識や経験をお借りするのが良いな、って。なんでもそうですが、ひとりでやるのは難しいです。でも、みんなで支え合えば、きっとできる。ひとりでできないことを、分散してみんなでおこなう。みんなの「やりたい!」を、みんなで叶えていくイメージです。挑戦を支え合うような。

ーうんうん。

ジョニー:僕はいま40歳なんですが、これまではWebの仕事をしていて。いろんな分野について、浅く広く知っているんです。建築も、不動産も、さっきのお酒もそう。でも、それだと「仕事」にはできないんですよね。みんなの力を借りなくては、続けていくことができない。だからこそ、『LivingAnywhere Commons八ヶ岳北杜』のメンバーが誇る多様性を嬉しく思うし、認めていきたいし、何より「そこにいてほしい」と願っています。それぞれが持つ小さな力を集めて、みんなが思う楽しいことや、やりたいと思うことを叶えていきたいな、って。

HOUSEではなく、HOMEをつくっていくということ

ーあらためて、ここ『LivingAnywhere Commons八ヶ岳北杜』は、みんなの「やりたい!」が叶えられる場所なのだと実感します。

ジョニー:ここのテーマとして、“Be Outsiders.(お外から、はじめよう。)” というものがあるんです。そもそも “Outsider” って、あまり良い言葉ではなくて。「疎外される者」であったり、「外部の人」であったり。僕自身バンライフを続けてきた実感として、この一年で新型コロナウイルスが流行したこともあり、その意味をあらためて考え直していたんですね。なんとなく、生きづらさがあるような。

ー生きづらさ、ですか。

ジョニー:あまり使いたくない言葉ですが、「正しい/正しくない」の基準がそもそも間違っていた、ということだってあると思うんです。たとえば働き方もそう。このような時世になってはじめて、「あれ? リモートワークも機能するよな……?」と社会が気づけた。今まで正しいとされていた「出社」の概念が、また新たな正しさとしての「リモートワーク」に取って代わった。それまでは “Outsider” だったことが、正しいものとして認識されるようになった。

ーうんうん、確かにそうですね。

ジョニー:それはきっと、暮らし方も同じなのだと思っていて。家賃をたくさん払って都心に住むだけが「正しい」訳ではないですよね。もちろんその良さもあるんですが。都心から離れて、地方で新たに居場所を設けて暮らす、というのも、新しい「正しさ」なんじゃないかな、と思います。選択肢のひとつとして。だからこそ、ここを “HOUSE” にはしたくないな、って。機能としての「家」ではなく、いつでも帰ってこられる「居場所」としての “HOME” にしていきたいな、と思っているんです。それが、ここ八ヶ岳だけでなく、全国に多々展開されているような感じ。その選択肢として、山梨もあるんだよと伝えていきたいな、って。

ーいろんな場所に、帰れる場所がある。

ジョニー:そうですね。『LivingAnywhere Commons』は、「住む」ではなく「暮らす」なんだなぁと思います。「家」を、いわば “持たないもの” として捉えること。そうすることで、なんとなく心に余裕ができるような気がしています。

それは、スキルも同じ。“持たない” という選択・決断をするからこそ、持つ人々からの協力を得て、自らの「やりたい!」を形にできるんじゃないかな、って。そういった意味で、挑戦できる山梨につくった『LivingAnywhere Commons八ヶ岳北杜』は「気軽な実験場」にしていきたいなと思っていますね。気軽な気持ちで来てもらって、気軽に「やりたい!」を叶えてもらう。そんな場所にできたら良いな、と考えています。まずは山梨に来てもらって、一緒にお酒でも飲みながら話せたら良いですね。きっとこの場所を存分に気に入ってもらえると思います。

Editor's Note

編集後記

淡々と、一歩一歩を踏みしめるようにして思いを語ってくださったジョニーさん。現在は、北杜市に住む一般の方々に『LivingAnywhere Commons八ヶ岳北杜』を開放し、街との交流も深めていきたいと話してくれました。それに加えて、「法人向けの実験場」としての動きも活発に行っていくとのこと。みんなの「やりたい!」を叶える場所として、また、『LivingAnywhere Commons八ヶ岳北杜』の「やりたい!」も同時に叶えていける場所として。これからはじまるであろういくつもの “実験” に、心躍るようなワクワク感を覚えました。そして同時に、山梨が掲げる “TRY! YAMANASHI!” のテーマを改めて実感できたようにも思えます。人と人が「挑戦」をキーワードに、明るい未来を見つめられる場所。その背中を、力強く押してくれる場所。山梨のこれからに大きな期待を感じます。

ぜひ山梨県へ足を運んでみてくださいね!

ぜひ山梨県へ足を運んでみてくださいね!

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