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LOCAL LETTER

ポストクラファン?資金調達だけで終わらない「Web3」の可能性

MAY. 14

JAPAN

拝啓、地域プロジェクトの資金調達に悩んでいるアナタへ

※本レポートは株式会社WHEREが主催するオープンセミナー「ポストクラファン!?地域xWeb3トークンx資金調達の可能性を探る」を記事にしています。

何かを始めるとき、直面する資金集め。お金を集めるだけに留まらず、繋がりづくりにも寄与する方法としてクラウドファンディングを活用する事例は地方でも多く見られます。しかし、クラファン終了後も支援者と関係を保つのは至難の技

そこで今注目を集めているのが「Web3トークン」を活用した資金調達です。支援者は「お金を出すだけのファン」から「継続的にプロジェクトを応援し運営にも携わる仲間」へと形を変えています。

今回は、Web3トークンを活用した資金調達をサービス提供している株式会社FiNANCiEの取締役COO田中隆一さんと、実際にFiNANCiEのサービスを利用してプロジェクトを進めている株式会社VILLAGE INC 代表の橋村和徳さんにその可能性について語っていただきました。

デジタルトークンの仕組みや活用方法まで、初心者にもわかりやすく解説されています。地域を盛り上げるための新しい資金調達手段を探しているみなさんには、必見の内容です。

きっかけはビットコインの自販機だった。Web3業界に感じた可能性とは?

平林和樹氏(モデレーター、以下敬称略):このイベントは「ポストクラファン!?地域xWeb3トークンx資金調達の可能性を探る」をテーマに語っていただくオープンセミナーです。Web3業界で活躍されている専門家と実際にその技術を活かしてプロジェクトを立ち上げている方をお呼びしています。

まずご紹介するのは株式会社FiNANCiEの取締役田中隆一さんです。よろしくお願いいたします。

田中隆一氏(以下敬称略):FiNANCiEの田中です。よろしくお願いします。

田中 隆一氏 FiNANCiE 取締役COO / 外資系コンサルティング会社を経て、2002年 DeNA新規事業の立ち上げを経験する。2005年 ノッキングオンを共同創業。ゼンリンデータコム社へバイアウト後、2010年ソーシャルゲーム最大手Zynga所属。2012年 シンガポールを拠点としたUnicon にてブロックチェーン技術を研究。2019年株式会社フィナンシェを共同創業。
田中 隆一氏 FiNANCiE 取締役COO / 外資系コンサルティング会社を経て、2002年 DeNA新規事業の立ち上げを経験する。2005年 ノッキングオンを共同創業。ゼンリンデータコム社へバイアウト後、2010年ソーシャルゲーム最大手Zynga所属。2012年 シンガポールを拠点としたUnicon にてブロックチェーン技術を研究。2019年株式会社フィナンシェを共同創業。
平林 和樹 株式会社WHERE 代表取締役 / ヤフー株式会社、カナダ留学、株式会社 CRAZYを経て、株式会社WHERE創業。約2万人の会員を持つ地域コミュニティメディア「LOCAL LETTER」、産学官民の起業家70名以上が集う地域経済サミット「SHARE by WHERE」など地域、業界を超えた共創を創出。長野県根羽村で一棟貸し宿を立上げ事業譲渡など独自の事業作りで活動中。
平林 和樹 株式会社WHERE 代表取締役 / ヤフー株式会社、カナダ留学、株式会社 CRAZYを経て、株式会社WHERE創業。約2万人の会員を持つ地域コミュニティメディア「LOCAL LETTER」、産学官民の起業家70名以上が集う地域経済サミット「SHARE by WHERE」など地域、業界を超えた共創を創出。長野県根羽村で一棟貸し宿を立上げ事業譲渡など独自の事業作りで活動中。

平林:続きまして今FiNANCiEのサービスを利用してプロジェクトを実行している株式会社VILLAGE INCの橋村さんです。

橋村和徳氏(以下敬称略)橋村です。よろしくお願いします。

橋村 和徳氏 株式会社VILLAGE INC 代表取締役社長 / 船でしかいけない1日1組のキャンプ場「AQUA VILLAGE」を皮切りに日本各地でアウトドアフィールドを手掛け、『カラフェス』の舞台・波戸岬海浜公園の管理者であった株式会社VILLAGE INCの代表。カラフェス実行委員会の幹事メンバーとして今後もさらなる地域連携を担う。佐賀県唐津市出身。
橋村 和徳氏 株式会社VILLAGE INC 代表取締役社長 / 船でしかいけない1日1組のキャンプ場「AQUA VILLAGE」を皮切りに日本各地でアウトドアフィールドを手掛け、『カラフェス』の舞台・波戸岬海浜公園の管理者であった株式会社VILLAGE INCの代表。カラフェス実行委員会の幹事メンバーとして今後もさらなる地域連携を担う。佐賀県唐津市出身。

平林:そもそも基本知識としてこのweb3トークンの仕組み、FiNANCiEとはどういう会社なのかを、自己紹介も含めて田中さんにお話いただきましょう。

田中:私は長くインターネットの業界に身を置いてきました。その中で様々な変遷を経て、今はブロックチェーンという技術を用いた事業を展開しています。出身は静岡県静岡市。地方出身ということもあり、地方創生の取り組みにも興味があります。今はVILLEGE INCさんのような地域のプロジェクトにも10個ほど取り組んでいます。

田中:インターネットの技術が日本に伝来したのが1990年の半ばです。この時代はインターネットの黎明期でした。人々はPCやガラケーを使用しインターネットを活用していました。この時代の代表的なサービスといえばYahoo!や楽天などのポータルサイトです。

その後、2005年以降にスマートフォンが登場します。ここでFacebookやTwitterのようなSNSが現れ、日本でもmixiやGREEのようなSNSが出てきました。そして、昨年あたりからメタバースやブロックチェーン、生成AIといった新たな技術の潮流が起きはじめ、こういった技術を総じてWeb3と呼んでいます

私がWeb3の技術に出会い、大きな可能性を感じたのは2013年のことでした。当時、私は東南アジアで決済システムを構築する仕事をしていたんですね。

田中拠点にしていたシンガポールで見かけたのがビットコインの自動販売機でした。この機械にシンガポールドルを入れると、紙のレシートが出てきます。そこに書かれたQRコードを読みこむと、ビットコインが手に入るという仕組みです。このレシートはペーパーウォレットと呼ばれていました。

何が衝撃的だったかと言うと、スムーズな金銭の移行です当時のシンガポールはお金の流れがスムーズではありませんでした。例えばシンガポールからベトナムに送金しようとすると、1週間ぐらい時間がかかる上に手数料が15〜20%も取られていたんです。

東南アジアは出稼ぎの方も多く、こうした方のお金が中間で搾取されていました。しかしビットコイン自販機があれば、受け取ったペーパーウォレットを送ることで手数料もかけずに一瞬で送金することができます

この出会いからブロックチェーン自体に興味を持ちはじめ、今の事業を立ち上げるに至りました。

ブロックチェーンの3つの特徴とは?なぜ、デジタルトークンに価値が生まれたのか

田中:ブロックチェーンがどういった技術なのかを紹介します。端的に言うと「コミュニティや集団で運営・維持する分散型のデータベース」です。特定のコミュニティに参加している人たちがデータを共同で運営・維持・管理します。これにより従来の中央集権的なデータベースとは異なる3つの特徴が生まれます。

1つは「堅牢性(けんろうせい)」。中央集権型のデータベースの仕組みを銀行で例えましょう。銀行では集めたお金をシステムを利用して管理しています。もしシステム障害があったりデータが書き換えられたりしても、利用者の我々は気づくことができないんですね。銀行を信用して運営を託しているわけです。

一方でブロックチェーンは、利用者全員でデータを管理しているので、1人が悪さをして書き換えてしまったとしても、他の利用者が正しいデータを保持していれば、誰が改ざんしたのかがすぐ分かってしまいます。さらに、その人を弾くこともできるんです。これによりデータを改ざんされづらくなります。

田中:2つ目が「透明性」です。データの更新や変更履歴を誰でも見ることができます。

3つ目が「流動性」。データの更新が即時に反映されます。普通、利用者全員でデータを維持しようとすると非効率になりやすいですが、ブロックチェーンという技術では非効率にならないように仕組みがつくられています。

ブロックチェーンの技術が進化していくなかで、この仕組みに下支えされ、発行されているのがデジタルトークンと呼ばれるものです。ビットコインやイーサリアムなど通貨として流通しているものや、ゲームアイテムや映像、イラストのようなアートのもの。こうしたデジタルな存在に価値が生まれ、さらには資産として証明できるところまでデジタルトークンは発展しています。

田中:デジタルトークンには大きく分けて2つあります。1つがファンジブルトークン。もう1つがノンファンジブルトークン、こちらはNFTと呼ばれています。

ファンジブルとは「代替可能」という意味です。お金で例えると分かりやすいんですが、私の持っている1万円札と皆さんが持ってる1万円札、これは同じ価値なので代替できますよね。ビットコインなどの仮想通貨も同じで、代替可能なトークンなんです。

これに対してノンファンジブルトークン(NFT)は、その1つ1つが代替できないものなんです。例えば有名なスポーツ選手のサインが書かれたユニフォームがあったとして、同じデザインのサインがないユニフォームとは同価値ではありませんよね。この唯一無二の価値をデジタル上で証明できるものがNFTです。

Web3の技術で自立分散型の社会づくりを。FiNANCiEが掲げる理念とは

田中:デジタルトークンには「流動性」があるといいましたが、人と人で売買することができます。トークンの発行数には上限があるため、トークン自体の信用が上がったり、欲しい人が増えたりすると、だんだんと価値が上昇するようになりマーケットが生まれました

ニュースでも度々報道されているように、ビットコインの価値は年々上昇しています。NFTのデジタル作品に75億円というような値段が付くこともありました。

先ほど話した通り、デジタルトークンとはブロックチェーンの上に成り立っています。ブロックチェーンにはそれを運営するコミュニティがあります。コミュニティ参加者にとってデジタルトークンは、運営維持するためのインセンティブでもあるんです。

トークンを持っている人々でコミュニティを形成し、みんなでコミュニティを大きくする。結果、トークンの価値が上がりインセンティブも増やすことができるというのが1つの特徴です。

この仕組みによりトークン所持者に「コミュニティを成長させたい」というモチベーションが生まれやすくなります。コミュニティを成長させるために、みんなで意思決定をしたり、自発的に提案をしたりなど、自立分散型のコミュニティになりやすいです。

地域のプロジェクトは、今までは中央集権型になりやすい性質がありました。しかし、Web3のテクノロジーにより協調し自立したコミュニティが形成されると、個々人が自分に適した方法や関わり方で貢献しやすくなります

私たちはこういったWeb3の技術を通じて、地域で自立分散型のコミュニティを生み出し、個人が主体的に運営に関わる社会が生まれるといいなと考えています。こうした理念をもち、2019年にFiNANCiEというサービスを開始しました。

ファンからパートナーへ。デジタルトークンの仕組みが支援の形を変える!?

田中:FiNANCiEが提供しているのは、Web3時代の新しいコミュニケーションプラットフォームです。現在、このサービスを利用して200ほどのプロジェクトが運営されています。その半分が地域活性のプロジェクトで、あとはエンターテイメントや個人クリエイター、スポーツチームにも利用いただいています。

FiNANCiEのプラットフォームでは、プロジェクトの皆さんにデジタルトークンを発行していただきます。このトークンを売るところからプロジェクトがスタートします。支援者にトークンを買っていただき、その収益がそのプロジェクトの運営資金になります

そして購入してくれた支援者たちとコミュニティを運営していただきます。例えばコミュニティでプロジェクトのアイデアを募集したり、集まったアイデアを絞る時に投票してもらったりできるようになっています。

また支援者は買ったトークンを専用の二次流通マーケットで売買することができます。この売買でトークンの需要が増えていくと、市場原理によって価格が上がるという性質もあります。

田中:今までのクラウドファンディングなどでは、どうしても支援者はお金を出すだけのファンというような存在でした。しかしFiNANCiEのサービスを利用することで、支援者は資金援助だけでなく、積極的にプロジェクトを応援し運営にも携わることができます

そうしていくうちにファンからパートナーのような存在になっていくことが、私たちの実現したいことです。

コミュニティの中で活発なやりとりが行われ、創発が起こると、プロジェクトやコミュニティの人気が高まる。そしてトークンを欲しい人が増え、トークンの価値も上がっていく。そういったプロジェクトをこのサービスを通じて実現してもらいたいです。

前編では、FiNANCiEの田中さんがデジタルトークンの仕組みから丁寧に教えてくれました。後編は、実際にこの仕組みを活用している地域の具体例や、技術のもつ可能性について現場からリアルな声を聞きます。ぜひ、後編もお見逃しなく。

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Editor's Note

編集後記

遠野市でふるさと納税にNFTを出品するプロジェクトに携わっていたことがありました。当時仕組みがよくわからず、できる範囲でお手伝いしていたのですが、このイベントを見てやっと何を目指していたのかが理解できました。田中さんの説明がわかりやすいです。

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