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【後編】音楽・ファッション業界から地域活性化へ。異分野でも活躍し続ける経営者の秘訣とは

AUG. 22

前略
挑戦したい未来へ足を踏み出せていないあなたへ

学生時代に起業して以来、7法人・20以上の事業を立ち上げ、音楽・ファッション・場づくりなど幅広い分野で多くの肩書きを持つ異色の経営者、近藤威志さん。分野を問わず、出会った人たちの理想を形にしようと走り続けた彼が、今特に夢中になっているのは空き家の利活用や地域コミュニティの再構築だった。

今回は、空き家の利活用・地域コミュニティの再構築でもすでに実績と人脈を持っている彼の新しい空き家の利活用構想について詳しくお届けする。

 

プロフィール
近藤威志(Takeshi Kondo)
GTGP JAPAN Corporation 代表取締役 / HATCH 代表 / 株式会社WHERE 地域プロデューサー
この数年はまちづくり、空き家の利活用、地域の事業再生など、「人・暮らし・地域・コミュニティ」をテーマに活動。現在、横須賀を皮切りに、湯河原町、真鶴町の空き家の利活用、地域のコミュニティ再構築を軸とした集落の再生を実現することで、今後更なる社会問題となる全国の空き家空き地を顕在化し、移住定住によらないこれまでにない利活用モデルを目指して奮闘中。なお6月より関係人口創出のプロデュースを行う株式会社WHEREへも参画。

近藤威志が目指す「地域100LDK構想」

空き家の利活用を始めた頃は、小さな集落の空き家をどう使っていこうかと「点」で考えていた。でも自治体の方や地方創生に関わる方に相談していく中で「点」ではなく「面」で考えるべきだと思い直した。パラダイムシフトが起こるように仕掛けをつくった方が、日本にある全ての空き家の利活用に繋げられるのではないかと思ったのだ。

そんな時、思いついたのが「地域100LDK構想」だった。これは地域全体が家族みたいに支え合い、地域内外の人が混ざり合うことで生まれる「世代や文化を超えた」関わり合いのあるコミュニティ。(前回記載:こちら

それと同時に、このコミュニティに属する人たちは100万戸の空き家を100万人で共同所有する。これは家を個人で所有するというこれまでの既存概念を覆し、100万人で100万戸の空き家を共同所有することで、その時々の気分に合わせて自由に自分の滞在場所を選ぶことができる環境を生み出す。

時代の「多様化」が数年前から話題に上がり、その中でも一際目立っているのが「リモートワーク」や「ワーケーション」という言葉に代表されるような働き方。今後さらにテクノロジーや自動運転が発達し、場所を選ばない働き方を選択する人が増えていくだろう。もしかするとAIの発達によって近い将来、人間が仕事をしないという未来も訪れるかもしれない。

今人間がやらなきゃいけないと思っている経済活動としての仕事が人間の手から離れ、物理的な移動手段のハードルが無くなった時、人間の意識はより一層「誰とどこでどうやって生きていくか」にフォーカスするだろう。そんな時、気分に合わせて自分の暮らしを決められる環境があれば、楽しいなと思った。

思い入れのある地域や、旅先でたまたま出会って好きになった地域に定住する人もいれば、1週間ごとに泊まる場所を変える人や、中には1時間しか滞在しない人もいるかもしれない。

100万人で100万戸の空き家を共同所有し、みんなが100万戸の家から自由に滞在場所を選ぶ。ショートステイなのか、ロングステイなのか、時間の違いはあってもそれも気分の変化と捉えれば、「住む・泊まる」という概念すらも怪しくなるかもしれないのだ。

トライ & エラーを繰り返し続ける

例えば、人間が100人いたら100人全員が理想とする世界を叶えられたら、それ以上に素敵な未来はないと思っている。できるとかできないとかではなく、欲張りだけど、全員の理想を取り入れて、叶えたい。地域100LDK構想はそんな彼の想いから、出来上がっているのかもしれない。

100人100通りの理想がある中で、100個の理想を両立させられる未来を模索し続ける彼は、自身の変化を惜しまない。彼は人一倍多くの人と関わり、たくさんの刺激や声をもらいながら、常に全員の理想を目指して挑み続けている。

それは大学生で起業した頃から変わらない。むしろ、目の前にやらなければならない環境だけがあって、誰も教えてくれる人がいない状況にいた彼は、自分の頭で物事を考えて、とにかく行動してトライ&エラーを繰り返す以外に選択肢がなかった。だからこそ、今も昔も彼の原点にあるものは「自分の頭で考えて行動する」、これだけなのだ。

行動すると自分の周りに変化が起きていく。いくら頭で考えていても行動しなければ、絶対に周りに変化を起こすことはできない。けれど自分が行動した瞬間、周りも変化していく。その変化を受け取って、次のトライに活かす。そうすると、自分の中にあった仮説が本物になっていく。

圧倒的に多くの分野でひたすらにトライ&エラーを繰り返すと、仮説の制度や本物にたどり着くまでのスピードが上がっていく。そして例え全く違う分野に触れたとしても、本物にたどり着くまでの道筋を正確に描くことができるようになる。「トライ&エラーを繰り返し続ける」ことが、彼自身が自分で証明したビジネスにおける成功法なのだろう。

彼は大学生の頃からこのトライ&エラーを繰り返し、今もなお繰り返し続けている。音楽・ファッション・場づくりなど幅広い分野で活躍してきた彼は今、空き家の利活用を通じた地域コミュニティの再構築「地域100LDK構想」を思い描いているという。さて、彼はあと何年で本物を形にするのだろうか。今後の活躍に目が離せない。

 

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