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脱サラ後“ロイヤルニート”として生きる、熱燗DJつけたろうが語る。“好きなことだけ”を追求した生き方とは

JUN. 28

Kofu, YAMANASHI

前略
自分の「好きなこと」で生活していく一歩が踏み出せないあなたへ

ある穏やかな水曜日、 “ロイヤルニート” なる職業を名乗り、山梨県甲府市に移住された“ 熱燗DJつけたろう” さんという方がいる。そんな情報が舞い込んできました。

ちょっと気になる部分が多すぎませんか? ということで、早速取材をさせていただくことに。” 熱燗DJつけたろう” さんこと、KENZOさんとは一体どんな方なのだろう・・・と思っていると、おしゃれな眼鏡をつけたKENZOさんが登場。

そのインパクトにはやる気持ちを抑え一呼吸し、取材を始めました。

「好きなことだけ」を追求した生き方

KENZOさん、早速ですが “ロイヤルニート” とは何でしょうか!?

「ロイヤルニートはニートだけど、幸せだから “ロイヤルニート” と勝手に言っています。あとは、単純に語呂が良かったんです(笑)」

以前まではWeb業界でハンドメイドサービスのチーフプロデューサーとして活躍していたKENZOさん。事業の終結とともに好きなこと “だけ” をやって生きる人生を送りたいと、ロイヤルニートに転職を決めます。

KENZOさんにとっての “好きなこと” はなんですか?

「日本酒や料理が大好きなんです。日本酒はサラリーマンの時から家に100本以上あったくらい(笑)」

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「でもお酒を飲みはじめた頃は、悪酔いするためのお酒と思っていたので、日本酒に良いイメージなくて。」

日本酒好きではなかったKENZOさんが日本酒好きに変わったきっかけは、ご自身のお父様だったんだそう。大学時代に神奈川県にあるご実家から出て、友達とルームシェアを始める時、お父様が餞別でくださった日本酒の味に感動したことが始まりだったんだとか。

そこから酒屋さんに行って自分で気になった日本酒を買うように。お酒を飲んでいると欲しくなるのがお酒のつまみ。外で買ったものは、身体に悪いし、美味しくないし、コスパも低いと思い、自分で作り始めます。

「実は移住を決めたのも “好きなこと“ が影響しているんです」

「日本酒と料理にはまりすぎて、家に100本以上の日本酒と大きな調理器具ばかりになってしまい。とても東京の家では収まらなくなってしまって(笑)東京で大きい家に住むのはお金がかかるし、田舎に暮らすことを考え始めました」

そんな時、友人がある空き家を紹介してくれます。当時はまだ東京で仕事をしていたから、東京に通えて、自然が豊かで、そして何よりキッチンが広々使えるところに惚れこんで、すぐさま移住を決めました。

自分が熱狂するものを自由に伝えたかった

“熱燗DJつけたろう” として熱燗のイベントや日本酒ライター、食のプロデュースなども行っているKENZOさん。そもそも “熱燗DJつけたろう” とはどんな意味で名付けられたのでしょうか?

「自分がどんな活動をしているのかが何となくでも伝わる名前が欲しかったんです。でも唎酒師やソムリエとか、既存で存在している肩書きにはすでにイメージがついてしまっているから、限定的なイメージを持たれてしまう。僕は、自分自身がすごく日本酒が好きで、熱狂している。だからこそ、自分が心から美味しいと思えるものを自由に誰かに勧めたいと思っているんです」

「 “これってどんな味?” と聞かれたら、これは “クラスの学級委員長みたいな味だよ” とか、”小悪魔だけど本当は寂しがり屋な女の子のような味だよ” とかね(笑)小難しく味の説明をするより、楽しくて思わず “飲んでみたい!” と思ってもらえるような説明がしたいんです」

KENZOさんが週末になると各地で開催する熱燗のイベントもちょっと変わっています。

「僕のイベントは、基本参加費が決まっていません。イベント会場にボックスを置いておいて、自分が払おうと思った金額を自由に入れてもらうようにしています」

なぜそんな変わったシステムにしているのでしょうか?

「理由は主に2つあって1つ目は、熱燗をお猪口1杯分作ることって、とても難しいんです。だから注文が入ると、1本ずつ提供しているのですが、そうするとどうしても1人でたくさんの種類を飲むことが難しくなります。だから、イベントの参加者同士で、熱燗のシェアをしてもらうんです。お互いにお酌し合う光景が当たり前です。だから1人がどのくらい飲んだかを把握するのって難しんですよね」

「2つ目は、人によって飲める量や飲むスピードって違うじゃないですか。その日の気分や体調にも合わせて、飲みたい量だけを飲めばいいんです。飲みたくなければ飲まないってことだって問題ありません。金額設定がなければ、焦らず熱燗を楽しむことができます」

日本酒好きの人にはもちろんですが、日本酒に抵抗がある人でも、これなら無理なくイベントに参加することができます。KENZOさんは、日本酒の美味しさをハードル低く伝えることを目指しているのだそう。

「好きなことだけ」を追求できる理由

自分の “好き” を追求されているKENZOさんですが、サラリーマンから “ロイヤルニート” になる際、抵抗はなかったのでしょうか?

「結局、最後は “やるかやらないか” だと思っています。実はサラリーマン時代にやっていたハンドメイド事業も元々好きで始めた仕事でした。でもいつの間にか “ビジネス” になってしまったんです。会社のブランディングや、経営、社会的なイメージなどを考えれば、当たり前のことかもしれません。ただ僕にはビジネスが合わなかったんです」

「僕は昔から競争が得意ではありません。なので “好きなことだけをやっている人生の方が楽しいだろうな” と思って生き方を変えました。そんなことを言いながら、まだまだ方法は模索中で、3日前に貯金を確認したら残り1万円で、思わず自分でも笑ってしまいました(笑)」

「昔ならお金がなくて落ち込んでいたと思います。でも今は笑っていられるようになりました。だって僕はまだ生きられますからね。好きなことで生きられるように模索する猶予はまだあると思っています」

毎週、湧き水が出る神社へと車を走らせ、お参りと水汲みをしたり、週末のイベントを終えて家に帰ってみると、玄関先に置いてあったレタスとキャベツを感謝しながら食べたりしているというKENZOさん。

これからはイベントの開催数も多くなるそうなので、ぜひあなたも一度イベントに足を運んで、KENZOさんの生き方に触れてみてはいかがでしょうか?(イベントの詳細はこちら

草々

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これからも山梨県甲府市の応援をお願いします。

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