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LOCAL LETTER

【1/19 説明会開催】全て大吟醸と同じ手間暇をかける。酒造りからマーケティングまで担う挑戦者を募集!

OCT. 25

拝啓、人の手で丁寧に酒造りを営む伝統酒造で、地域との繋がりを作りたいアナタヘ

伝統と歴史ある宮城県加美町の酒蔵で、酒造りからマーケティングまで幅広い業務に挑戦できる「地域おこし協力隊(以下、協力隊)」の募集がスタート!

『株式会社中勇酒造店』は明治39年創業、普通酒から大吟醸まで全てのお酒を大吟醸と同じ手間暇をかけ醸し、完全手作り少量仕込みの酒造りにこだわる酒蔵です。

今回の協力隊募集に伴い、受け入れ先の『中勇酒造店』の専務取締役中島さんと、加美町役場の佐藤さんにお話を伺いました。先代から引き継いだ酒造りへのこだわり、そしてそんな場所で協力隊の活動を通じて得られるものとはーー。

加美町産のお米を活用した地産のお酒造りを

『中勇酒造店』は、宮城県加美町にて明治39年にお酒造りを開始した歴史ある酒蔵です。途中で戦争などの影響で廃業になりながらも、昭和32年に酒造りを再開。現在は四代目中島信也さんが代表として酒造りを引き継いでいます。

中島崇文(Takafumi Nakajima)さん 中勇酒造店 専務取締役 / 1988年(昭和63年)1月13日生まれ。宮城県加美郡加美町出身。大学を卒業後、都内の酒類卸会社にて営業職を経験後、宮城へ戻り家業である酒蔵の仕事に就く、現在、冬季は酒造りで主に麹造りと分析を担当し、春~秋にかけては営業活動のため県内外での展示会や販売会へ出店するほか、酒蔵見学の対応も行っている。
中島崇文(Takafumi Nakajima)さん 中勇酒造店 専務取締役 / 1988年(昭和63年)1月13日生まれ。宮城県加美郡加美町出身。大学を卒業後、都内の酒類卸会社にて営業職を経験後、宮城へ戻り家業である酒蔵の仕事に就く、現在、冬季は酒造りで主に麹造りと分析を担当し、春~秋にかけては営業活動のため県内外での展示会や販売会へ出店するほか、酒蔵見学の対応も行っている。

加美町は宮城県内でも有数の酒造りが盛んな地域で、1km圏内に3つの酒蔵があるほど、酒蔵が密集しているエリア。加美町はお米の主産地でもあり、地元の米を用いて酒造りをするのが特徴です。

『中勇酒造店』も酒造りに使用するお米の8割が宮城県産、そしてそのうちの2割が加美町産のお米を使用しているそう。そのほか、加美町産のはちみつを取り入れた梅酒など、地元の地産を活用して加美町全体を巻き込んだお酒造りに励んでいます

そんな地産地消の酒造りを行う『中勇酒造店』は、数々の賞も受賞。「時には隣の酒蔵と一緒に日本一になったこともあります。1つのエリアに酒蔵が多いのでライバルになるイメージもあると思いますが、三者三様のこだわりや誇りを持って酒造りを行っているからこそ、共存できていますね」と中島さん。それぞれの酒蔵が地域に根付いて愚直に酒造りに取り組んでいるからこその繋がりであると話します。

明治から続く酒造り。箱のラベルにも書かれているこだわりを改めて中島さんに伺いました。

「まず1つめのこだわりは、全行程で伏流水(湧き水)を使用していること。蔵から採掘地まで汲みに行く手間はかかるものの、軟水でおいしい水を洗米から仕込みまで一貫して使います」(中島さん)

加美町は湧き水をはじめ、水に恵まれた町。5月には鮎の稚魚を放流し、7月からは鮎釣りが解禁になります。
加美町は湧き水をはじめ、水に恵まれた町。5月には鮎の稚魚を放流し、7月からは鮎釣りが解禁になります。

「2つめは、お酒を蒸す工程で伝統的な製法を今でも守っていること。スチームで蒸す酒蔵が多い中で、『中勇酒造店』では和釜にこだわります」(中島さん)

「県内でも2つしかない、お酒造りに適した蒸し具合になる伝統的な製法を今でも守っています。なので、昔ながらの酒造りを体験したい人は基礎から学べると思いますね」(中島さん)

『中勇酒造店』でこだわりを強く感じられるところは、近代化されている蔵酒造りが行われる蔵が多い中、あえて手作りの工程を残しているということ。

「機械でできることを機械でできる前提で学ぶことと、全部基礎から学んだ後にどう効率化していくかを考えるのでは、学びがまるで違いますよね。大きな酒蔵は工程ごとに担当が決められていて1つの工程のみを担当することが多いですが、うちではアルバイトであってもほとんど全ての工程に携わってもらいます」(中島さん)

そんな『中勇酒造店』では、全てのお酒を大吟醸と同じ手間をかけて醸すという、昔から当たり前に行われている「手間」をかけた酒造りをしています。お米一粒ずつの小さな差に気を遣い、秒刻みで細やかに吸水具合を調整する製法は、全国でも片手に数えられるほどの酒蔵でしか行われていません。それをすべてのお酒に取り入れているというから驚きです。

一方で機械や効率化が進む現代で、あえてここまで手間暇をかける酒造りについて中島さんは「全部が全部手作りがいいとは思っていない」とも話します。

人間の感覚や集中力が必要な部分は手作りをして、機械に任せられる部分は機械に任せる、そのバランスを大切にしていますね」(中島さん)

たとえば、瓶詰めなどの人間の感覚に頼らなくても進む作業や、寝泊まりで行う麹造りなどは、あえて機械を導入することで、スタッフのよりよい働き方を実現しているそう。人の感覚が必要な部分はとことん人が向き合い、それ以外の部分は機械に任せる。そのバランスを大切にしながら酒造りができるのは、明治からじっくりと酒造りと向き合ってきた『中勇酒造店』だからこそなのかもしれません。

酒造りだけでなく「お酒を楽しむ」文化を広めるために

こだわりの酒造りだけでなく、伝統の中にも新しい風を吹かせようとお酒の広め方も模索している『中勇酒造店』。

「実は40年以上前に先代が『日本酒をオンザロックで飲めないか』と、香りを楽しめるお酒を模索しました。当時はウイスキーなどの洋酒が次々と輸入されるようになり、日本酒の立場が危うい時代で。日本で日本酒が飲まれるにはどうしたらいいか?と考えたのがきっかけのようです」(中島さん)

このように、『お酒を造る』だけでなく『お酒を広める』活動も行っている『中勇酒造店』では、今回新しい挑戦として協力隊の受け入れをはじめました。

「協力隊の方に来ていただいたら、お酒をどう広めていくのか、お客さんの声を聴いてどう商品づくりに生かしていくのか、そんなマーケティング的な視点からも酒造りに関わっていただきたいですね」と中島さん。協力隊の任期である3年間をサポートします。

「協力隊の方の受け入れは今回が初めてです。酒造りを行う冬場は人が足りず、加美町の協力隊を卒業した方が、冬場の時期だけ酒蔵で働いてくれているのですが、その方に協力隊の受け入れを提案されました。

将来的には麹造りや酒の分析などをやってもらいたいと考えています。夏場にはイベント出店や試飲販売、配達など外に出る作業も多くなりますね」(中島さん)

加美町役場の佐藤さんは加美町全体の、まさに地域をおこす活動ができるんじゃないかと期待を寄せます。

「協力隊は活動をはじめてすぐは、どうしても地域との繋がりを持つことや地域に入っていくことに苦戦する方が多いんです。

ですが、中勇酒造店さんの元で加美町の材料を使ったお酒造りや情報発信ができれば、本当の意味で地域に根ざしている活動ができるのでは、と思っています。地域の農家さんとの繋がりや、酒蔵同士の繋がりがもたらす町全体のメリットもたくさんあると思うので、協力隊の活躍が今から楽しみです」(佐藤さん)

佐藤 順子(Junko Sato)さん / 2000年入庁。町民課、議会事務局、教育総務課、総務課を経て、現在のひと・しごと推進課に勤務。移住定住推進係として、移住セミナーや定住補助金、空き家対策、地域おこし協力隊を担当している。加美町の地域おこし協力隊は現在9名。協力隊募集に携わりながら、毎年新たな隊員との出会いを楽しみにしている。
写真右> 佐藤 順子(Junko Sato)さん / 2000年入庁。町民課、議会事務局、教育総務課、総務課を経て、現在のひと・しごと推進課に勤務。移住定住推進係として、移住セミナーや定住補助金、空き家対策、地域おこし協力隊を担当している。加美町の地域おこし協力隊は現在9名。協力隊募集に携わりながら、毎年新たな隊員との出会いを楽しみにしている。

「目指しているのは、加美町の材料100%で作るお酒。たとえば、新しい品種の酒米作りにチャレンジしてみたいです。今、農業分野で就農活動されている協力隊の方とは、中島酒造店専用の酒米を作ろうと話していて、これが実現するのなら全部買取で一緒に開発を進めていきたいと思っています。農家さんの名前をラベルに掲載するのもいいですよね」(中島さん)

取材中にも目を輝かせながら、新たなお酒造りの可能性を語る中島さん。日本だけじゃなく世界にも広めていきたいと今後の展望も語ってくれました。

「今すでに海外7ヶ国へ輸出しています。コロナ禍で直接PRできなかったので、今後協力隊の方にも機会があれば、現地の展示会やイベントに出店して現地の方の声を聞くことをお願いしたいですね。海外のマーケティングに興味があったり英語が得意で海外に積極的に挑戦したかったりという方には、ぜひ海外へ中勇のお酒を広めていってほしいです」(中島さん)

中勇酒造店でお酒造りやマーケティングを学びたい協力隊を募集!

現在、12名のスタッフが働く『中勇酒造店』では、協力隊として、お酒造りやマーケティングを通して加美町の町づくりを担ってくれる方を募集中!

実は酒造で働くのにお酒が飲める・飲めないは関係ないのだとか。

「お酒を飲まない分、繊細な香りやアルコール度数に反応できる人も多いですね。お酒造りに興味があれば飲める・飲めないは関係ありません」(中島さん)

また、酒造りならではのNG事項も。

「お酒を造る期間は納豆は食べられません。納豆菌は強い菌なので、飛沫から麹菌が全滅してしまうこともあるんです。酒造りに入る人間は(酒造りをしている期間は)納豆を一切食べません。酒造業界の願掛け的な部分もありますが…。また、香りをかいで判断する工程も多いため、香水もNGです」(中島さん) 

加美町の酒造りに入り、さまざまな活動や会話を通して、地域と外、地域と地域を繋げていく

佐藤さんは「私たちにできないことを協力隊の方々には取り組んでいただきたいので、役場の事務作業などは意味がないと思っています。加美町の人たちを尊重しつつ、地域に積極的に馴染んで欲しいですね。そのためのサポートはもちろん行います。」と協力隊に対する想いを話してくれました。

最後に中島さんは酒造りに対する揺るがない姿勢を教えてくれました。

「酒造りは毎日が一年生。同じ種類のお酒を造っていても毎年のお米の品質や状態は違うので、原料の品質や気候、冬の環境を存分に活かして酒造りをする必要があります

1日たりとも同じ条件の元で酒造りを行うことはなく、毎回初めての連続。人間のデータだけでは作れないからこそ手間暇掛けて、感覚を大切にして酒造りをしているんです。たとえば、麹を作って発酵させたときの泡の状態や表面の状態を見て判断をする場合、五感をフル活用して判断することが多いので、どうしても人間の感覚を頼りに行っていますね」(中島さん)

まずはオンライン説明会、見学ツアーへ!加美町や『中勇酒造店』を直接知れる機会に。

今後、協力隊の募集と同時に、より加美町の魅力や中勇酒造店の酒造りを知ることができるよう、オンラインでの説明会や見学ツアーを行っていく予定。

加美町という地域の空気感や実際の酒造りの工程を目にすることで、協力隊として実現したいことが見えてくるのではないでしょうか?

オンライン説明会概要

◉開催日時
1月19日(木) 19時00分~20時30分@Zoom

◉内容
中勇酒造店さんをはじめ、地域の事業者さん、加美町役場のメンバーが集い、町の様子や協力隊の仕事内容について詳しくお伝えするオンライン説明会です!

◉参加費
無料

◉申込先
開催日程により、申込先が異なります。ご希望の日付ボタンをクリックし、お申し込みをお願いします!

2泊3日ツアー概要

◉開催日時
2月11日(土)16:30~2月13日(月)12:00

◉内容
2月11日(土)

・参加者同士の自己紹介
・町の概要と今回の募集についての説明
・ツアー内容の説明
・懇談会&夕食

2月12日(日)
・町内の見学(住まいや買い物場所、観光施設等)
・着任場所の見学(フラワーパートナーズ様と中勇酒造店希望者で分かれます)
・アクティビティ体験

2月13日(月)
・想いの明確化セミナー
・志望動機のたたき台作成

送迎希望の方⇒16:00古川駅
直接訪問の方⇒16:30
※集合場所はメールにてお知らせいたします!

◉参加費
無料
※宿泊代と1日目の夕食、2日目の昼食と夕食は負担致しますのでご安心ください!
※加美町への交通費のみ自己負担となります

取材先情報

『株式会社中勇酒造店』
〒981-4241 宮城県加美郡加美郡加美町南町166
https://tenjo-mugen.co.jp/

Editor's Note

編集後記

手間暇をかける、を1つのテーマとして取り組んでいる中勇酒造店さんのお酒造りへの想いがとても強く感じられました。人の感覚を大切に丁寧に取り組む姿勢は、やはり明治から受け継がれた先代の想いや酒造りへのプライドが関わっているのでしょうか。そんな愛情込めて造られたお酒、完成するまでの工程にも想いを馳せながら味わってみたいです。

まずはオンライン説明会へ参加してみませんか?

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