協力隊
多様な楽しみ方が生まれ、近年はキャンプやバーベキューをはじめとするアウトドアレジャーの人気が高まっています。自然と一体になったような開放感はアウトドアならではの味わいと言えるでしょう。魅力的なアクティビティは自然の中にたくさんあります。
そんな中、雄大な自然をフルに活かしてアウトドアアクティビティによるまちの盛り上がりをつくろうとしている北海道・留萌市。現在、アウトドア特化の地域おこし協力隊を募集しています。なぜ、「アウトドア」を推進するのでしょうか?
今回は『道の駅るもい』の担当の川俣 佳昭さんに、どんな地域おこし協力隊と一緒に活動をしたいのか、留萌市の特徴も踏まえながらお聞きしました。
留萌市は北海道北西部に位置し、日本一の加工生産量を誇る「かずの子」をはじめ水産加工が基幹産業の水産資源に恵まれたまちです。ハート型をした人口約2万人の小さな港町ですが、豊かな自然環境に恵まれた暮らしができます。
「港町でもあるので人情深い気質の人が多いと思いますよ」と話してくれたのは、『道の駅るもい』の担当を担っている川俣 佳昭さんです。
川俣さんは留萌市で生まれ育ち、留萌市役所に入庁した生粋の留萌っ子。都心部での暮らしは経験していませんが、市役所ではさまざまな部署を経験されてきたのだそう。土木関係で道路管理の部署や墓地管理の部署や犬の登録をする部署、税金や観光関連の部署も経験してきました。
市役所の中でもあらゆるジャンルの部署を経験してきた川俣さんは、今、留萌市の観光において拠点となる『道の駅るもい』を担当しています。
昨年度から『道の駅るもい』を核として、地域の自然環境や風土を活かした新たな観光誘客に向けて、観光グランドデザインを検討してきた留萌市。アウトドアを推進する中で、まずはソフト面を充実させようと判断しました。
2021年に『アウトドア活動等の促進を通じた地域の活性化と市民生活の質の向上に資すること』を目的として、留萌市と大手アウトドア用品メーカーのモンベルが包括連携協定を締結し、これから連携してアウトドア観光を推進していく予定です。
さらに今年度は、留萌市観光協会が主体となって、地元のアウトドア愛好家たちと連携したネットワークを形成しながら、サップやカヤックをはじめさまざまなアクティビティの実証実験を進めている最中です。
なぜ、留萌市がアウトドア事業を推進するためモンベルと提携したのでしょうか?
「モンベルさんは企業理念に『7つのミッション』を掲げています。その中で地域活性化や地元の農林水産業の活性化、アウトドアの機会を通じた子どもたちの生きる力を育むといった理念がありまして。留萌市がアウトドアを推進する上で、モンベルさんのような理念を持つ企業と連携したいと思ったのがきっかけです」(川俣さん)
留萌市では “起業型” 地域おこし協力隊の募集を行っていますが、もう一枠、アウトドアに特化したアクティビティづくりやアウトドア拠点の整備を担う地域おこし協力隊も募集中。
留萌地域には山も海も川も、さらにはダムまでもがあり、アウトドアのフィールドが充実。アウトドア事業に特化した協力隊メンバーには、留萌市の豊かな自然環境などを中心とした観光資源を活用したアウトドアの企画や運営など行っていただく予定です。
留萌管内は自然豊かなエリア。北部には羽幌町の海鳥の楽園と称される『天売島』や天塩町の『天塩川』、南部の増毛町には国定公園の暑寒別岳をはじめ、キャンプ場なども点在しており、留萌市内は、海水浴場の『ゴールデンビーチるもい』や留萌ダムなどがあります。
その中で、留萌市でも拠点となるスポットが『道の駅るもい』。道の駅のエリア内には、アンテナショップやカフェ、管理棟のほかに広大な「船場公園」、ちゃいるもがあり、年間30万人が道の駅を訪れます。留萌市の中心街や飲食店へも徒歩10分程の立地で、イベントなどで地元住民にも親しまれている場所です。
そんな『道の駅るもい』を「アウトドアの拠点としていろんな楽しみを増やしていきたい」と川俣さんは言います。今まさに、留萌に訪れた人が、『道の駅るもい』を起点にいろんな所に遊びに行き、再び戻ってきてもらえるような流れをつくろうとしてる真っ只中。留萌は札幌から車で2時間弱で来られるまちだからこそ、初心者でも気軽に来て、楽しむことができるアウトドアスポットとして新たな魅力を創出したいと考えているのです。
実はすでに、アウトドアアクティビティの企画や社会実験の取り組みがスタートしており、パドルスポーツを中心に海やダムでSUP(サップ)やカヤックを実施している一面も。
以前、留萌ダムでのSUP(サップ)体験会を実施した際には、ダムの一般開放は平日のみのため、アウトドア愛好家からは「落ち着いて楽しめるとてもよいフィールドだ」と反響があったのだそう。留萌はアウトドアの穴場スポットとして可能性を秘めていると川俣さんも実感しています。
留萌市の中心部からダムまで車で20分、海へ出かけるなら『道の駅るもい』から車で約10分。海も川も山もすぐ近くにあるので、移動に時間をかけずに楽しめるのも強みになりそうです。
そんなアウトドア事業に絶好な留萌市で、協力隊メンバーは、具体的にどのようにしてアウトドア事業の企画をつくっていくのでしょうか?
「地元の留萌観光協会と連携しながらアウトドアの企画を練ったり、地元アウトドア愛好家の協力を得ながら、フィールドを巡って企画のタネを探すことになると思います。」(川俣さん)
留萌市の観光は夏季集中型と言われており、夏はライトなメニューから果敢なメニューまで、さまざまな企画ができそうとのこと。
しかし、北海道には厳しい冬の時期があります。冬の誘客が課題のため、年間何本の企画をつくると言った本数の目標を持つよりも、自分自身で体験をしながら関係各所と調整を図って、季節に応じて楽しめるアクティビティをじっくりと、着実に実現させていくようなイメージです。
地域おこし協力隊の活動において、地域に関することは川俣さんをはじめ、留萌市役所の担当者が相談に乗ってくれます。事業の相談もできますが、今回は他地域でも創業支援事業を手がけるMAKOTO WILLという会社も強力なサポーターとして参画。
月1回、定例ミーティングの時間を設け、事業を進める上で、協力隊の悩みを解決する人材の紹介や、事業づくりに大切なことを学びながら進めることができます。身近に相談できる存在がいるからこそ、知らぬ土地での挑戦も心細くはないでしょう。
何かを企画すること、何かを作り出すことが、今回のアウトドアのメインテーマ。「私たちMAKOTO WILLは、これまでもアウトドア関係の事業についてご相談を受けているので、その知見などもお伝えしながら、留萌市のコンテンツ企画に活かしていただければと思います」とMAKOTO WILLの担当者である鈴木さんは言います。
先進事例などが知りたければ、MAKOTO WILLから紹介を受けることもできたり、事業の組み立て方や運営方法のアドバイスを受けることも可能。観光協会とも綿密に連絡を取り合うので、内と外からしっかりと協力隊のフォローを行う体制をつくります。
留萌観光協会が主軸となってネットワークを構築しているので、いろんな連携は可能だと思います。当然、留萌市としても定期的なミーティング等々も含めて相談に乗れる体制をつくっていきます。川俣佳昭 留萌市
協力隊がより活動しやすい方法は何か。模索をしながらも、柔軟に、前向きに変化していこうとする川俣さんの姿勢が伝わってきます。
留萌市でアウトドアメニューの開発や『道の駅るもい』を中心とした拠点整備を行っていくアウトドア特化の地域おこし協力隊の募集。魅力的な内容であるものの、いきなり協力隊として活動することにハードルを感じる人もいることでしょう。
そこで、今回は2泊3日の留萌市ツアーを開催(定員が満員になったため募集を終了しました。現在は、個別相談会を実施しています)!同じく留萌市で募集中の“起業型”地域おこし協力隊の応募者と一緒に巡る留萌市のツアーで、道の駅をはじめアウトドアスポットになるような場所を見学し、市役所や地元住民たちと触れ合える内容盛りだくさんの2泊3日を過ごします。
また、協力隊となった場合に連携をする留萌観光協会の事務局長も参加予定。事務局長は元留萌市地域おこし協力隊だった方なので、観光視点で留萌のことを聞けるだけでなく、地域おこし協力隊として活動する上での苦労や乗り越え方、まちの暮らしの楽しみ方などを聞けるチャンスでもあります。
「いきなり留萌市に行って、本当にアウトドアメニューの開発ができるのだろうか?」「どんな暮らしなのだろう?」と気になる方は、ぜひ一度ツアーに参加してみることがおすすめ。百聞は一見にしかず。実際に見る景色、体験、話すことはきっとアナタに何かきっかけを与えてくれるでしょう。
取材の最後に、川俣さんが地元の人と親しくなるコツも教えてくれました。
「留萌には浜焼きという文化があって、休日などには天気が良いと火を起こして肉だけじゃなく留萌のホタテやエビなんかを焼いて食べるんです。当然ビールもセットで(笑)。なので、一家に一台は必ず、浜焼きセットがあって。もちろん私も持っています(笑)。最初は慣れない土地に緊張するかもしれませんが、まずは一緒に浜焼きからスタートしたらいいと思いますよ」(川俣さん)
何気ないまちの文化も知ることで、生活や仕事のイメージも湧いてくるはず。
「ぜひ留萌市のこれからの観光を考える事業に一緒に携わっていただけたら嬉しいです!」(川俣さん)
留萌の雄大な自然をフィールドに、さまざまなアウトドア企画に携わり、交流人口を増加させられるような商品の提案・実践をしていく地域おこし協力隊。ぜひアナタも留萌市でチャレンジしてみませんか?
直接担当者に相談できる「個別相談会」を実施しています。協力隊募集の詳細を聞いてみたい!まちにどんな人がいるか知りたい!そんなアナタは、ぜひお気軽にご連絡ください。
※今回は同時募集している「起業型地域おこし協力隊」と、同じツアーを開催しております!ツアーに参加してみてから、ご自身にあった雇用方法を選ぶことも可能!まずはぜひ現地に足を運んでみてくださいね!
■日時
9月10日(土)15:00~9月12日(月)12:00
※月曜は仕事などで出られないなど途中で帰宅しなければいけないという方は事前にご連絡ください。また定員は10名程を想定しております。定員を超えた場合は選考作業を行わせて頂きますのでご了承のほどよろしくお願い致します。
■場所
北海道留萌市
※定員を10名程に想定しておりますので定員を超える場合は人数を選定させて頂きます。
現地ツアーは協力隊応募への絶対条件ではなく、選考にも関係致しませんのでご参加できなかった方も是非ご応募ください!!
■ツアー内容
・プロジェクトの全体像のご説明
・着任場所、業務の説明
・留萌市の観光場所や資源の確認
・ワークショップ
■参加費
移動費は実費となります。(※交通費1万円まで支給)
宿泊費、1日目夕食、2日目昼食、夕食はこちらで負担致します。
Editor's Note
世間は空前のアウトドアブーム。自然に触れる楽しさを実感できるアクティビティは、年齢問わず多くの人たちを魅了しています。留萌の雄大な自然をフィールドに、アウトドアを核としたプランナー的な立ち位置で挑戦できる地域おこし協力隊は、非常にやりがいのある活動になりそうです。どんなアクティビティや拠点ができあがっていくのか楽しみです。
ASUKA KUSANO
草野 明日香