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【求人】移住相談・企画・広報PR。震災でリセットした町の魅力・仕事とは

APR. 26

拝啓、町の変化を感じながら、町づくりや移住促進の活動にチャレンジしたいアナタへ

東日本大震災のあと、原発事故の影響で全町避難を余儀なくされた福島県富岡町。約6年間、人が住むことのできなかった町に賑わいを取り戻そうと、一般社団法人「とみおかプラス」が中心となり町づくりや移住促進の取り組みを行っています。

「とみおかプラス」では富岡町の魅力を伝え、移住希望者の相談に寄り添う移住専門員を募集しています。Webメディアの情報発信、移住相談、企画、広報PR、など幅広く活躍できるチャンスはぜひ説明会にて詳細を確認してみてください。

今回の取材では、実際にとみおかプラスで活動する香中さんと辺見さんに、仕事の内容ややりがい、富岡町での暮らしについて伺いました。

マイナスを0に、0をプラスに。富岡町の歩みとともに活動を続ける「とみおかプラス」とは

東日本大震災のあと約6年もの間、福島第一原子力発電所事故の影響で帰還困難区域に指定されていた福島県双葉郡富岡町。町民全員が町外への避難を余儀なくされました。その後2017年から徐々に避難指示が解除され、現在は約2,100人が富岡町で暮らしています。

とみおかプラス」は富岡町に人が戻り、人が住む上で欠かせない町の機能を取り戻すところから活動がスタート。

「たとえば『住人が新聞の購読をできるようにする』といった、町が機能するための基盤を整えるのが活動の初期段階でしたね。さらに、町を活性化させるために賑わいづくりの活動も行っています」(香中さん)

香中 峰秋(かなか みねあき)さん 一般社団法人とみおかプラス 事務局長 / 1961年生まれ、埼玉県出身。1984年東京の広告会社に入社し、30年間東京で勤務。企業のマーケティング、販促、宣伝、中央省庁の事業PR、博覧会などの事業開発を担当。2011年から2013年まで社内震災復興プロジェクトチームに所属。東北の震災復興、企業と被災地のマッチングを担当。その後2014年から2020年まで東北地域事業会社の経営職として郡山、盛岡、仙台での転勤生活を送る。2022年4月に富岡町役場に、内閣府地域創生人材制度の公募で入庁。一般社団法人とみおかプラスにて勤務開始。まちづくり、賑わいづくり、移住事業を担当。
香中 峰秋(かなか みねあき)さん 一般社団法人とみおかプラス 事務局長 / 1961年生まれ、埼玉県出身。1984年東京の広告会社に入社し、30年間東京で勤務。企業のマーケティング、販促、宣伝、中央省庁の事業PR、博覧会などの事業開発を担当。2011年から2013年まで社内震災復興プロジェクトチームに所属。東北の震災復興、企業と被災地のマッチングを担当。その後2014年から2020年まで東北地域事業会社の経営職として郡山、盛岡、仙台での転勤生活を送る。2022年4月に富岡町役場に、内閣府地域創生人材制度の公募で入庁。一般社団法人とみおかプラスにて勤務開始。まちづくり、賑わいづくり、移住事業を担当。

「これまでは “町の機能を戻す” というマイナスを0に、そして0からプラスにしていく動きを中心に活動してきました。2022年からは、ようやく富岡町への移住者を増やすことを目的とした動きにも力を入れていて。町づくりと賑わいづくり、さらに移住の促進や住人へのサポートなど、活動は多岐にわたっています」(香中さん)

現在富岡町では町内居住者約2,100人のうち、震災前から住んでいた人が約900人、外から移り住んできた人が約1,200人。少しずつ、町に人が戻ってきている段階です。

「最近は毎年3月11日に犠牲になられた方への追悼を込めて行われる『富あかり』というイベントも開催しています」(香中さん)

マイナスを0に、0をプラスに、富岡町に賑わいを取り戻そうと「とみおかプラス」の活動はここからさらに続きます。

移住して気づいた富岡町の魅力と暮らしの変化

春には満開になる “桜のトンネル” が、住民の誇りであるともいわれる富岡町。そんな自然豊かな町に暮らす香中さんも実は移住者です。

「とみおかプラス」で現在働く7名のメンバーのうち4名は移住者という中で、今回はもう1名「繋がりが少ない中で移住を決めた」という辺見珠美さんにお話を伺いました。

とみおかプラスで移住専門員として、移住希望者の相談サポートや移住体験プログラムの企画・運営を行う辺見さん。富岡町との出会いは、震災後の東京でのボランティアがきっかけだったそう。

辺見 珠美(へんみ たまみ)さん 一般社団法人とみおかプラス 移住相談担当 / 1989年生まれ、東京都大田区出身。大学で原子力と放射線について学んだのち、2012年福島県双葉郡川内村に移住、その後いわき市を経て2020年から富岡町在住。2021年7月から富岡町のまちづくり会社「一般社団法人とみおかプラス」で勤務。自らの移住経験をもとに移住相談を担当している。その他、とみおかこども食堂実行委員会、川内盛り上げっ課事務局、障がい者ピアサロンきゃべつの葉っぱ運営など、富岡町や川内村を中心に活動中。
辺見 珠美(へんみ たまみ)さん 一般社団法人とみおかプラス 移住相談担当 / 1989年生まれ、東京都大田区出身。大学で原子力と放射線について学んだのち、2012年福島県双葉郡川内村に移住、その後いわき市を経て2020年から富岡町在住。2021年7月から富岡町のまちづくり会社「一般社団法人とみおかプラス」で勤務。自らの移住経験をもとに移住相談を担当している。その他、とみおかこども食堂実行委員会、川内盛り上げっ課事務局、障がい者ピアサロンきゃべつの葉っぱ運営など、富岡町や川内村を中心に活動中。

「震災後、大学時代に富岡町から東京に避難してきた子どもたちへ学習支援のボランティアを行っていました。その時に富岡町への移住に興味を持ちましたが、当時の富岡町は避難区域に指定されていて、住むことはできませんでした。そこで、まずは近隣の川内村に移住し、放射能関係の仕事に就きました。その後、富岡町に引っ越し今は3年になります」(辺見さん)

富岡町に住んでから、町の変化を直に感じ取っている辺見さんは「時が経つにつれて、富岡町に関わる人がポジティブに変化していった」と話します。

「最初は電気も付いていない家が多く、移り住む人よりも避難する人が多い状況でした。その中で故郷への想いを持って帰ってきた人も多くいらっしゃって。暮らされている皆さんの想いに感化されましたし、時間が経つにつれて、移住者も増えていきました。

さらに、最初は『復興に携わりたい』という目的で来る人が多かったですが、最近では『富岡町をよくしたい』『町づくりに携わりたい』とポジティブに富岡町に興味を持つ人が多くなったように思います。ボランティアの枠を越えて『富岡町で何かを試してみたい』というエネルギーを感じる機会が多くなりましたね」(辺見さん)

人が出ていくことが多かった環境で、それでも富岡町に留まる理由を、辺見さんは「人とのつながりの濃さや広がり」と話します。

「とみおかプラスは2021年から働いていますが、働くきっかけも友人の紹介がきっかけでした。『移住して長く周辺地域を知っていて、移住者目線で対応できそうだから』と、今の職場を紹介してくれたのも友人なんです。そうやって、人とのつながりが広がっていく感じが面白くて。今では東京よりも福島の友だちが多いほどです(笑)」(辺見さん)

一方で香中さんは38年間、広告会社で事業開発から復興支援、経営職まで全うしたのち、2022年に富岡町に移り住んでいます。

「移住のきっかけは、内閣府が実施する地域創生人材制度の公募に応募したこと。これまで仕事で東北エリアの震災復興に関わることはあったものの、私が東北で仕事をしていたタイミングでは、福島はまだ(原子力発電による被害もあり)広告会社があまり参入できず、復興に関わる機会がありませんでした」(香中さん)

「自分自身が関われなかったことに心残りを感じていたところ、ちょうど内閣府で公募がありました。不思議な縁を感じて、地縁血縁まったくない状態で、ちょうど1年前に飛び込みました」(香中さん)

東京でのサラリーマン生活を経て移り住んだ富岡町での暮らし。香中さんは「自分の時間を有効に使えるようになった」と話します。

「生活のリズムが整いましたね。職住近接で家からオフィスまでも1.2㎞ほど。出勤前は近くの海へジョギングに行き、退勤後にはジムで汗を流したり自炊をしたり。自分の時間を有効的に使えているという実感があります。あとは富岡町の桜と海が大好きで、ロケーションとしても気に入っているんですよ」(香中さん)

富岡町での「のんびりとアクティブ」の両方がある生活が健康的であると話す香中さんに、辺見さんも共感します。

「私も生活が整う感覚がありました。富岡町に来て22時就寝・8時起床の生活がなじんできたら、『私、ロングスリーパーだったんだ』と気づきましたね。東京では睡眠時間を確保できていなかったので、日中眠くて仕方がなかったんです。そういう意味で、自分に合う暮らしに気づけたのは人生を豊かにする上で大きな財産だと思います」(辺見さん)

富岡町では、飲食店や娯楽施設がとても多いわけではない。都内に比べればコンビニやスーパーの閉店時間も早い。だからこそ、シンプルな暮らしの中で、自分の生活リズムを見つめ、時間を有効に使う意識が生まれるのかもしれません。

移住は「地域との結婚」。人生の選択のお手伝いができる移住専門員の仕事とやりがい

「とみおかプラス」の移住専門員として働く辺見さんの仕事は、富岡町に移住を希望する方の相談業務、相談会の出展、お試し移住住宅の管理・運営、移住体験プログラムの企画など、多岐にわたります。

中でも、移住体験プログラムは5日間の中で移住希望者に富岡町のことを深く知ってもらう絶好の機会。移住希望者が宿泊を体験できるお試し移住住宅の家具選びからプログラムの企画まで、辺見さんは2022年にはじまった移住支援事業を支える存在です。

「仕事のやりがいは、移住希望の方が実際に移住して、挨拶に来てくださったとき。人生のお手伝いをさせてもらっている感覚になりますね。移住専門員って、結婚式のプロデューサーのような存在なんじゃないかと思うんです。

移住は人生の中でも大きな選択で、地域との結婚みたいなもの。移住の相談に乗るにあたり、『相手にとっての最善の選択肢は何だろうか』を一緒に考えることを大切にしています」(辺見さん)

また移住希望者向けだけでなく、町全体の賑わいを目指す「とみおかプラス」だからこそのやりがいも教えてくれました。

「とみおかプラスで働いていると、自然と町の人たちとの繋がりが生まれます。私たちが企画したイベントにも地域の方々が来てくれるんですが、『とみおかプラスが企画したから来た』という方もいて、信頼関係が生まれていることを実感します。だからこそ、地域の方々の信頼に応えたいと思いながら仕事ができていますね」(辺見さん)

富岡町民の皆さんにも支えられながら、仕事に取り組む辺見さん。町全体でお互いを見守るという雰囲気の優しさが富岡町にはあるのかもしれません。

富岡町は発展途上。だからこそ町の新しい景色を見ることができる

震災前16,000人ほどだった人口ですが、現在は約2,100人。およそ6年もの間、人が住めなかった空白の期間がある富岡町だからこそ、「人と人を繋いで、町の幸せづくりに携われるやりがいを感じる」と香中さんは話します。

「大きな意味で『この町にいてよかった』と実感してもらうきっかけづくりをしていることがやりがいですね。もしかしたら今年移住した方が、20年後の富岡町の新しい景色を作っているかもしれない。発展途上の町だからこその面白みをとてもよく感じます。

さらにとみおかプラスで働くことで、オンオフそれぞれで町のさまざまな人に出会えるのは面白い。町をよりよくしようと奮闘する人と一緒に仕事を作り上げていき、町全体が盛り上がる空気感を味わえるんです」(香中さん)

今後は「元々の町民と移住者というそれぞれの垣根をなくした交流事業をやりたい」と話す香中さん。

「昔は地区対抗運動会があったようで。そういう誰もが参加できる楽しいイベントを、元からの町民も移住者もごっちゃになって楽しんでいる姿を見られたらいいと思うんですよね」(香中さん)

移住専門員として移住希望者の背中押しをするスタッフを募集!

今回「とみおかプラス」では、移住専門員として移住希望者に寄り添うスタッフを2名募集します。「次長の家で鍋やバーベキューをすることもある」と風通しのいい職場だという「とみおかプラス」ですが、どのような方と一緒に働きたいと感じるのでしょうか。

「一緒に働きたいのは、相手の話を親身になって聞ける人。相談されることが多いので、目の前の人にとっての最善を一緒に考えられたり、人とコミュニケーションを取ることが好きだったりする方は、やりがいを感じられると思いますよ。

あとはスタッフとして来ていただく方にも、富岡町を好きになってもらって、一緒に富岡町をよりよく形作っていくことをしたいですね」(辺見さん)

好奇心があって『いろんなことをやってみよう』と思ってくれる方と一緒に働きたいですね。さらに今後は、町内の住人や企業の方への取材やSNSを通じての発信など、より積極的にメディアを活用したいと思っているので、広報的な役割として、外への発信やサイト運用などもお任せをしたいです」(香中さん)

Webサイトの運用や広報など、専門的スキルを地域で活かせるのがポイント。とはいえ、「未経験でもそれに臆さず、好奇心を持って学びながらできる方も大歓迎」と、チャレンジできる環境が整っています。

元々住んでいる町民も移住者も、一緒になって新しい景色を形作っていける、富岡町はこれからどんどん変化が起こる町。そんな町を舞台に、住民や移住者と一緒に町づくり活動を始めてみませんか?

「とみおかプラス」では、富岡町の魅力を伝え、町ににぎわいをもたらす新たなメンバーを募集しています!6月には、よりくわしく「とみおかプラス」での仕事内容や富岡町のことを知れるオンライン説明会を開催。町づくりや移住促進に関わってみたい方は、まずは説明会に参加して、イメージを深めてみてはいかがでしょうか?

オンライン説明会概要

◉日時
①6月12日(月)19:00~20:30
 *詳細&申込み先:https://tomioka0612.peatix.com

②6月17日(土)13:30~15:00
 *詳細&申込み先:https://tomioka0617.peatix.com

◉個別訪問受付フォーム
https://forms.gle/xTxHeRSmXfQ8gh6PA

◉お試し住宅
詳細&お申し込みはこちら
https://tomioka-plus.or.jp/otameshi/

※日帰りでの訪問をご希望の方は「個別訪問」、1泊以上の宿泊を希望される方は「お試し住宅」への申し込みがおすすめです

◉面接までのフロー
・書類選考(6月20日17:00応募書類必着)
 info-will@mkto.org
 ・職務経歴書
 ・履歴書
 の2点をお送りください。※形式自由
・第1次選考(6月23日~6月27日)・・・Zoom等を使用してのオンライン面接
・第2次選考(7月8日)・・・原則とみおかプラスにて現地面接

求人詳細情報

求人の詳細情報は以下リンクボタンよりご確認ください!

◉お問い合わせ先
info-will@mkto.org

Editor's Note

編集後記

「地方に移住する」ことは、人生でも大きな選択肢のひとつ。そのタイミングで、町のために活動をされている方に相談ができ、背中を押してもらえるのはとても心強い存在だと感じます。まだまだ変化を感じられる富岡という町を舞台に想いをもって取り組まれている姿に力をいただきました!

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