東日本大震災をきっかけに場づくりのプロへ。学生で起業した堀下恭平の新しい挑戦とは|茨城県つくば市

前略
心の中にある “やりたい” を全力で応援してほしいあなたへ

最初に彼のプロフィールを見た時は驚いた。圧倒的な行動量とそれに伴う経験でプロフィール欄が埋め尽くされ、情報を把握するのにもかなりの時間がかかったのを覚えている。取材時にも思わず「最初に時系列でプロフィールをお聞きしてもいいですか?」と聞いてしまったくらいだった。

1990年生まれの27歳。「迷ったら全部やるがモットー」と語る彼こと、堀下恭平さんは、大学在学中に「人と人とをつなぐ、つくばのアイデア発信基地 spice up cafe ALDOR」を立ち上げた後、フリーランスとして商店街の活性化事業や行政コンサルを経験。

その後、株式会社しびっくぱわーを創設し、彼にとっては初めてのコワーキングスペース「Tsukuba Place Lab」を茨城県つくば市に誕生させると、創設わずか1年半で550本以上ものイベントを開催し、多くの人が巡り合う場所をつくった。

そんな彼が今回、2つ目のコワーキングスペース「up Tsukuba」を立ち上げるそう。しかも今回の舞台も「茨城県つくば市」。しびっくぱわーとは別に新たに「合同会社for here」を立ち上げて創業するというのだった。

始まりは「東日本大震災」だった

大学入学時には、浪人時代の経験から「自分がお世話になったような塾をつくりたい」と教育塾を起業する夢を持っていた彼。そんな彼の人生観を大きく変えたのは、彼が大学1年生の終わりを迎える2011年3月11日に起きた「東日本大震災」だった。

堀下さん:当時、震災の影響で食料などの供給が途絶えてしまい、いくらお金を持っていても実際にものが買えないという現実を体感しました。そんな時、知り合いの農家さんが野菜をくれたんです。この時の経験から、人と人の繋がりが大事なんじゃないかと思うようになって、大学2年生の春に人と人が繋がれる場所として spice up cafe ALDOR を立ち上げました。

spice up cafe ALDOR の立ち上げ後、フリーランスとして行っていた商店街の活性化や行政コンサルも、spice up cafe ALDORの時に出会った人たちとの繋がりで巡ってきた機会。来るもの拒まずで、やったことないことでも「やります!」と手を挙げ、必死に勉強したという。

目まぐるしいけれど、とても充実している毎日の中でいつからだろうか。「ある問い」が彼の頭から離れなくなっていった。

「僕は自分が関わったまちにどんな価値を残したのか?」

堀下さん:僕がそれまで関わっていた地域は、人口に関係なく、まちの最たる課題の1つに「プレイヤーがいないこと」を挙げていたんです。行政コンサルとして目先の問題を解決するプランナーの役割も大切だけれど、これからは少し先の未来を作るプレイヤーを育てたいと思いました。そのためにはまず自分がプレイヤーとして成長する必要があると思って、在学中に起業してコワーキングスペース「Tsukuba Place Lab」を茨城県つくば市に立ち上げました。

Tsukuba Place Labではクラウドファンディングを実施し、9回のDIYを経て誕生。オープン後には、年間350本以上のイベントを実施し、新たなプロジェクトや雇用の創出が生まれる場所となっている。

場づくりのプロとしての挑戦

そんな彼が今回新たに会社を設立し、同じ茨城県つくば市にコワーキングスペースを立ち上げるという。そこには彼が当初から計画していた「構想」と、ある一人の女性との「出会い」がありました。

|より多くの人を応援したい

堀下さん:Tsukuba Place Labを立ち上げてから、日々起業したいという方たちの支援をはじめとして誰かの”やりたい”を応援し続けてきたつもりです。だからこそ、誰よりも僕自身が自分の“やりたい”に素直であり続けたいと考えていました。

つくば市は、300を超える研究所と約20,000人もの研究者がいる地域であり、140ヶ国約9,000人の外国人がいて、筑波大学は県外出身者が8割という新しい風土のある地域。筑波大学発ベンチャーや研究所発ベンチャーも立ち上がっており、誰かの“やりたい”を全力で応援できる場所だと彼は言います。

堀下さん:一方でつくばの駅前は今、大手スーパーも撤退するほど衰退してきているのが現状です。多くの研究者や学生、会社員が行き来するつくば駅だからこそ、みんなを応援するための場を駅前につくりたいと思いました。

|江本珠理さんとの出会い

2017年11月に念願のつくば駅前コワーキングの話が立ち上がると、すぐに彼は一人の女性に出会うことになる。彼女こと江本珠理さんは、当時池袋にあるコワーキングスペース「co-ba ikebukuro」でコミュニティマネージャーとして活躍していた。当時のことを振り返りながら彼は、彼女の能力と視座、さらには感覚に惚れ込み、一瞬にして「一緒に何かしたい」と強く思ったのだった。

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堀下さん:第一印象が強烈だったんです。彼女は例え自分が打ち合わせをしている状況であっても co-ba ikebukuro にやってくるそれぞれの人に対して、個人が「気持ちいいな」と感じるタイミング、言葉、テンションで接していたんです。ここまでコミュニティに影響を与えずに価値を出せる人がいるのかと思いました。

彼も彼女もコミュニティマネージャーとしてコワーキングを運営してきたが、二人のコミュニティへのアプローチは全く違った。彼は「場を盛り上げるためには?」という問いを常に持ち「場」に焦点を当てているのに対し、彼女は「目の前の人にとっての最適なサポートとは?」と常に「人」に焦点を当てていたのだ。

堀下さん:お互いにコミュニティマネージャーとして、場に来てくれた人を支援する仕事をしていましたが、彼女は僕にはできないアプローチ方法で支援をしていました。嗅覚も鋭く、物怖じせずにはっきりと想いを述べられる彼女と「一緒に働きたい」すぐにそう思うようになりました。

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堀下さん:まちづくりコンサル会社としてTsukuba Place Labを運営してきた僕が、今度は彼女と共に本気で “場づくりのプロ” として、一から場づくりにチャレンジしたいと思い彼女と「合同会社for here」を立ち上げ、つくば駅前にコワーキングスペース「up Tsukuba」をつくることにしました。

合同会社for hereはコミュニティがある領域すべてで仕事をする会社。全ての領域・職種・業界・プロジェクトで必要な人と人との関係をスムーズにし、プロジェクトを加速させるための働き全般を扱うことができる。

これまで数多くの取り組みを行ってきた彼だが、やりたいことは一貫して変わっていない。

堀下さん:いろんな人と人とが出会って繋がり、刺激し合うことでイベントや会社が立ち上がるような挑戦を応援する文化をつくりたいと思っています。だからこそ、「何かやりたい!」と思っている方に気軽にきてほしいんです。

現在年間350本以上のイベントを企画運営し、全国各地で登壇もされているという彼。現在は「up Tsukuba」をつくるためにクラウドファンディングにも力を入れている。(詳細はこちら

そんな彼がここまで走り続ける原動力は一体なんなのだろうか。次回は、彼の自身の価値観や彼が体験した過去を詳しくご紹介する。

続きはこちらをどうぞ:
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Writer:高山奈々

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