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LOCAL LETTER

【co-ba takamatsuが誕生】オープンイノベーションで地域活性化を図るコワーキングとは

JUL. 23

Takamatsu, KAGAWA

前略
自分のアイディアから、ビジネスをつくりたいあなたへ

今まで私たちが時代の節目に差し掛かった時、各分野には必ずと言っていいほど “先駆者” と呼ばれる人たちがいました。周りに先駆けた発見や閃きを持った人、自分のこだわりを追求していたらいつの間にか時代の最先端を進んでいた人。

これから先も先駆者と呼ばれる極わずかな人たちが、世界を動かしていくのかもしれません。

しかしその一方で、これからの時代はより開かれた場に多様な人が集い、お互いのアイデアやスキルを共有し、コラボレーションするからこそイノベーションが生まれていくのではないか、という考えもあります。

そんな中2018年7月、穴吹興産株式会社が株式会社ツクルバと共に “あらゆるチャレンジを応援する” をコンセプトに、全国に広がるコワーキングネットワーク “co-ba” を高松にオープンします。co-ba takamatsu が目指すのは、分野を超えて人と人がつながることで新たなイノベーションを起こしていくような場所。

起業家、デザイナー、エンジニア、メディア、地域で活動するNPOや学生など、多様な人が集まりながら、お互いのアイデアやスキルを共有し、コラボレーションを行うことで、新しいプロジェクトが生まれ、地域が抱える課題解決を図っていく “エコノミック・ガーデン” *1 としての場になってほしいとの想いから誕生しました。

今回はそんな想いの詰まった場所が実際にどうなっていくのか、お話を聞くために co-ba takamatsu を訪ねました。

*1 エコノミック・ガーデン
地元企業が成長する環境をつくる政策のこと。co-ba takamatsu には、多様な人が “集まり・つながり・刺激し合う” ことで地域が元気になっていく場にしたいと想いが込められている。

右も左もわからないまま飛び込んだ世界

co-ba takamatsu は、香川県高松市鍛冶屋町にあるコワーキングスペース。木材とグレーの壁を基調とした内装に、落ち着いた光が差し込んでいました。

大通りに面しているとは思えないほど落ち着いたこの空間の1階には、大きなテーブルを中心とした交流が生まれそうなフリースペースがあり、2階には木製格子戸で仕切られた個人ブースがあります。

今回は1階のフリースペースの空間で co-ba takamatsu のコミュニティマネージャーを務める荒木優衣さんにお話を聞きました。


1階は大きなテーブルとやわらかい光があふれるインナーガーデンが特徴


今回 co-ba takamatsu のコミュニティマネージャーを務める荒木優衣さん

新卒から穴吹興産に入り、営業・総務・人事として8年間働いてきた荒木さん。部署を問わず多くの人を巻き込みながら仕事をしていた荒木さんは、2年ほど前から他社、総勢9社と連携して行うプロジェクトのメンバーに抜擢されます。

「その時のプロジェクトで初めて自分の会社以外の方とお仕事をしたんです。全く違う世界で働いている人たちを総勢9社もまとめるなんて、滅多にない機会でした。いろんな人を巻き込むことの面白さと大変さを経験する中で、もっと社外のことも知りたいと思うようになりました」

「社会人女性として外に出ても通用するように、もっと頑張りたい、変わりたいと強く思ったんです」

そんな時まるで荒木さんのタイミングを見計らっていたかのように、社内でco-baのコミュニティマネージャーの募集が始まります。

「募集要項に書かれていた求める人物像の欄を見た時、あまりに自分と当てはまりすぎて、これは私のことを求めているんじゃないか?と思わずにはいられませんでした(笑)」

「正直co-baで何やるのかも全然わからなかったし、コワーキングってレンタルオフィスと何が違うの? くらいの知識だったんですが、挑戦したいと思い飛び込みました」

当時、求める人物像として募集要項に記載されていたのは、明るさ・コミュニケーション能力・人を巻き込める力と、チャレンジ精神があること。多くのことを考える前にまずは挑戦してみる、そんな “チャレンジ精神” 豊富な荒木さんが co-ba takamatsu のコミュニティマネージャーを務めることは必然だったのかもしれません。

“居心地の良さ” を追求した空間づくり

続いて、今回 co-ba takamatsu の設計を担当された岡昇平さんにもお話を伺います。

岡さんは仏生山温泉をはじめ、地元で数多くの有名建築を設計されている設計事務所岡昇平の代表。荒木さんによると、ご自身に信念に従ってこだわり抜くことができる方なのだとか。


co-ba takamatsu の設計を担当された岡昇平さん

今回の co-ba takamatsu ではどんなこだわりをお持ちだったのでしょうか?「 “居心地” ですね。ここは仕事をする場所ですから、気持ちのいい場所で気持ちよく仕事をしてほしい、という想いを込めました」確かにこの場所はお洒落ですが、背筋が伸びる空間というよりも “安心して仕事に集中できる空間” という表現の方がしっくりきます。


2階には個室を用意。木製格子戸で仕切ることで、人と人がゆるく繋がることができます。

「居心地っていろんな要素の組み合わせで変わってくるんですが “外を感じられる” というのが一つのポイントかもしれません。今回で言うと、木の机や椅子、日の光などの “自然” や、天井の高さみたいな “開放感” 、あとは外が見えるような “視覚” 的要素も意識してつくりました」

今回の co-ba takamatsu のようにリノベーション物件の場合、もともと建物が持っている魅力を引き出した上で、さらに魅力を重ねていくことを大切にしている岡さん。さらに外の空間を意識したもう一つのこだわりを教えていただきました。

「co-ba takamatsu にはスタートアップの方々も多く集まります。これからの未来をつくっていく人たちが、この “co-ba” という場所からどうやって外に視点を向けていくかが重要になっていくと思っています。だからこそ、いつでも外に視点を向けられるようにという想いを込めて、外と繋がった空間作りを意識しました」

単に街の中にあるコワーキングスペースではなく、街を一つの家とした時、家を構成する一部屋が co-ba takamatsu になるようにと想いを込められたこの場所が、今後どんな場所になっていくのか楽しみしかありません。

「こういう場所が今後よくなっていくためには、どれだけ質の高い出来事がここから生まれていくのかがとても大切だと思っています」

そういった意味でも荒木さんが務めるコミュニティマネージャーというポジションは、とても重要になってきますね。岡さんから見て荒木さんはどんな方でしょうか?

「荒木さんはいつもニコニコしているんです(笑)笑顔でいることは、最初のきっかけづくりにおいて、重要な要素だと思っているので、荒木さんとなら安心してご一緒できるなと思っています」

高松に眠っている新たな働き方とビジネスの創出

ここで再び荒木さん。

これからの co-ba takamatsu についてお聞きしました。

「いつか co-ba takamatsu 出身のスタートアップ企業が誕生してくれたら嬉しいです。 co-ba takamatsu にくれば co-ba takamatsu の卒業生や支援をしてくださる方がいるのもいいですよね」

今回 co-ba takamatsu を運営する穴吹興産では co-ba takamatsu の利用者に対して、場所や人、機材など幅広い支援を行っていく予定ですが、将来的には穴吹興産以外でも支援の輪が広がったらいいと話す荒木さん。直近の目標についてもお話してくださいました。

「高松という場所は “コワーキング” や “起業” という言葉とは少し縁遠い場所だと感じています。まずはみんなにこの場所を知っていただいたり、ここに集まって新しいアイディアを出しあったりする文化をつくっていくことが大切だと思っています」

都内にいると目新しさを感じないコワーキングですが、高松にはそういった場所がほとんどありません。だからこそ浸透するまでに時間がかかるだろうと多くの人が口にします。

「高松にも個々人で活動されている方はいらっしゃいます。ただ集まる場がほとんどなかったというだけなんです。これからは、今まで個々人でやっていた方々が co-ba takamatsu に集まり、いろんなアイディアを出し合うことで、さらに新しいものが生み出せると思っています」

持ち前の明るさとチャレンジ精神で今を楽しんでいる荒木さんが、今後コミュニケーション能力で人と人を繋げ、巻き込み力で場を活性化させていく日は、近い未来になるかもしれません。

草々

香川県高松市

これからも香川県高松市の応援をお願いします。

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