だれでもレター
※本記事は「だれでも送れる、LOCAL LETTER」の企画を通じて、読者の皆様から投稿いただいた記事となります。
今日お届けするのは「日本全国の子どもたちに農業・酪農への関心を持ってもらいたい!」との想いで推進している『銀の匙』寄贈プロジェクト。
既に釧路、十勝、札幌など北海道中心に350校に寄贈を完了させ、あと1年で北海道寄贈完了、2023年には東京などの都市部へも進出し、全国展開を目指している、放牧酪農家・浅野達彦さんの挑戦です。
ご自身も放牧酪農家であり、『銀の匙』の大ファンであるという浅野さん。そもそも『銀の匙』とはどんな漫画なのでしょうか。
「『銀の匙』は、寮があるという理由で大蝦夷農業高校(通称、エゾノー)に入学した主人公・八軒勇吾が、農業高校の仲間と出会い、楽しみや農業の厳しい現実にぶつかりながら成長する中で、進路を考えた結果、農業で起業を目指し奮闘していく酪農青春漫画です」(浅野さん)
少年サンデーで連載中の本作は、既に累計1,700万部を突破し、TVアニメ化もされている大人気作。
浅野さんは、そんな大人気漫画『銀の匙』を日本全国の小中学校に寄贈するプロジェクトを現在進行形で実施されています。
『銀の匙』全巻を購入し、小中学校に1セットずつ寄贈している浅野さん。資金は、クラウドファンディングと自己資金を合わせて、地域の農協青年部と協力しながら進めています。
既に釧路、十勝、札幌など北海道中心に350校に寄贈が完了し、あと1年で北海道の小中への寄贈完了、2023年からは東京など都市部へ進出して全国に広げるのが目標だと話す浅野さんですが、そもそも本プロジェクトの発端はなんだったのでしょうか?
「離農や高齢化により、日本の農業や酪農は深刻な人手不足に直面しています。現状に危機感を覚える中で、『銀の匙』を読んだことをきっかけに新規就農を目指す大学生が多いことを知り、『銀の匙』を通じて少しでも多くの方に農業への興味を持ってもらうきっかけを提供したいとはじめたんです」(浅野さん)
浅野さん自身、『銀の匙』の大ファンで、帯広農業高校を卒業している酪農家。『銀の匙』への親しみも大きかったと言います。
2022年から本プロジェクトを推進していく中で、各小中学校からのお声がけは多いものの、北海道外の認知度拡大、資金集めに苦労している状況なのだとか。
「現在はクラウドファンディングにて月額サポーターを募集しています。学校からの引き合いや、実際に寄贈した学校の生徒の変化を見ると、効果は実感する一方で、利益を見込める活動ではないので、少しずつ応援していただける方が増えると嬉しいなと思っています」(浅野さん)
実は浅野さんは、漫画を寄贈するだけでなく「漫画を読んでもらう」「農業酪農に興味を持ってもらう」ために、出前授業なども行なっており、いかに新規酪農者を増やせるかにコミットし続けています。
「 “農業酪農する人を増やす” ことが僕の目標です。やはり、若い人がどんどん入らないと、その業界は成長していかないと思うので、農村を維持していくためにも、少しでも多くの子どもたちに触れてもらい、興味を持ってもらいたいですね」(浅野さん)
日本の農業に危機感を持ちながらも、自分自身が今以上のアクションを取ることが難しい。浅野さんを応援したい。活動自体に興味がある。そんなアナタは、ぜひ浅野さんのクラファンページもチェックしてみてください。
ワンコインで応援できるコースから、校長先生コースまで。支援の方法もいろいろです。
<この記事を投稿してくれた人>
株式会社全匙プロジェクト
浅野 達彦
北海道にて放牧酪農家。1988年北海道釧路生まれ。帯広農業高校出身。農業系大学生との交流事業も展開。漫画『銀の匙』を全国の小中学校に寄贈する「全匙プロジェクト」実施中
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