地域おこし協力隊
「副業」に注目が集まっている昨今。地域おこし協力隊としての活動を検討されている方にも、「副業もすべきかどうか」と悩む方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、地域おこし協力隊として働きながら副業をするべき理由や、おすすめの副業をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
地域おこし協力隊として働きながら、副業をすることは可能です。ただし、副業可能な自治体と、そうではない自治体があることに注意が必要です。
地域おこし協力隊の雇用形態は、公務員扱いになる会計年度任用職員として働く「雇用契約あり」と、個人事業主として働く「雇用形態なし」の2種類に分けられます。
後者の「雇用形態なし」の場合、いわゆるフリーランスとして自治体と委託契約を締結する形になるため、基本的に副業は可能です。前者の会計年度任用職員として任用される「雇用形態あり」の場合、いわゆる地方公務員と同等の扱いになるため、地方公務員法にある「営利企業への従事等の制限」によって、副業ができない場合もあります。
総務省が発表している『地域おこし協力隊の受入れに関する手引き』によると、会計年度任用職員(雇用形態あり)の副業の許可について、「公務に支障をきたさない範囲で、必要に応じて柔軟に対応が可能である」と記載されています。各地方自治体に運用を一任しているため、自治体によって副業ができるかどうかが異なります。
地域おこし協力隊が、副業を考えるべき理由は大きく2つあります。
一つ目は家計管理を考えて、収入を増やすために副業をしたほうが良いケース。地域おこし協力隊の給料は自治体ごとに異なりますが、「16万6千円~22万5千円」の範囲で設定されていることが多いです。独身1人暮らしであれば十分に生活できる金額ですが、結婚して子どもがいる世帯にとっては厳しい水準かもしれません。地域おこし協力隊の給料だけでは家計が厳しい場合、副業を探す必要があるでしょう。
地域おこし協力隊が副業を考えるもう1つの理由は、地域おこし協力隊の任期が終わった後、定住の仕事につなげるためです。任期終了後、いきなり起業するのは簡単なことではありません。任期終了後も同じ地域に定住することを想定しているなら、任期中から起業に必要な準備をしたり、起業する分野のスキルアップや人脈づくりをしておくことが大切です。
上記のように、地域おこし協力隊の副業といっても、「短期的に収入を増やすための副業」と、「起業に結び付けるための副業」に分けられます。定住するには長期的な収入源を確保することが必要不可欠。地域おこし協力隊は地域の人々と密接に関わる機会が多いため、ノウハウが学べそうな人や地域をあたって副業を探すなど、将来のビジョンを持って活動する必要があります。
本業として地域の魅力をPRするだけでなく、「地域おこし協力隊ブロガー」として個人ブログやYouTubeアカウントを運営、情報発信されている方も多くいます。「田舎暮らし」というコンテンツが関心を持ってもらいやすいところや、田舎暮らしに特化したテーマであれば「田舎暮らしの日常」や「メリット・デメリット」などネタが豊富にあるところも魅力です。
また、地域おこし協力隊はSNS発信をする機会が多く、ライティングや、情報発信などのスキルを磨けるPR系の副業は相性抜群。コツコツと発信を続けることで、ブログやYouTubeの広告収入が期待できます。
ネット環境とPCさえあれば時間や場所を問わずできる副業は、時間あたりの生産性が高いこともメリットです。動画の撮影や編集ができる方は、自治体のイベント撮影や動画の編集を依頼されることもあります。
ただし、こうした情報発信をする方は年々増えており、収入をつくっていくためには、それなりのライティング力や発信力、コンテンツ企画力が求められますので、いきなり大きな収入を見込むと危険です。まずは試してみることからはじめてみてください。
「食」に関わる分野に興味がある、または「管理栄養士」の資格など専門的な知識がある方は、特産品を使用した食品開発や販売の副業がおすすめです。販路や仕入れ先などのつながりをつくることで、飲食店の起業に繋がるケースも。
地域おこし協力隊の任期終了後は、任期中に始めた副業が本業に変わり、定住のための収入源になることも。将来の夢や目標がはっきりしている方は、得意なジャンル、強みが活かせるジャンルに関わる副業に絞って探すと良いでしょう。
地域おこし協力隊が副業をすることは、夢や目標を実現することにつながります。まずは事前に自治体に副業ができるかを確認した上で、長期的な視点で副業に取り組むことが大切です。
無計画で過ごしてしまい「気づいたら任期満了後の予定が何もない…。」という失敗を避けるためにも、定住に活かす意識を持って活動しましょう。
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