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誰しもが一度は抱えるであろう疑問や違和感ーー。
「自分の居場所」や「他者とのつながり」について悩んだことはありませんか?
そうした生きづらさを解消する一助となるのが、人が集まり、つながる「コミュニティ」。
コワーキングスペース、中高生の居場所、地域の交流拠点など、いま、ローカルでは多様な場やコミュニティが生まれ、地域に根ざした場づくりが進んでいます。
その運営に必要なノウハウを学び、主体的に考え実践する力を身につけるのが「コミュニティマネージャー養成講座」です。
第1期では14名が受講し、その受講満足度はなんと100%を達成。
今回インタビューをしたコミュニティマネージャー養成講座の卒業生3名は、それぞれが抱いた疑問や経験を原動力に、この講座で学びを深めていました。
前編では、3名の卒業生が抱えていた疑問や違和感から講座受講までの背景を紐解き、講座を通じてどのように知見を広げたのかを振り返りました。後編では、講座で得た気付きと学びをどのように活かしているのかを紐解きます。
濵田さんは「白黒思考が強いところがある」と自身を振り返ります。明確な結論を求められる仕事柄、それが自然と身についたのだとか。
「仕事では、『この課題の解決策はこうです。その理由は3つあります』と、すぐに答えを出すことが求められるんです。資本主義社会の中で効率的な答えが優先されるのは仕方ないのかもしれません」(濵田さん)
しかし、そんなシンプルな解決が通用しないテーマも多くあります。
「たとえば、環境問題や人権の問題って、どれも簡単には解決できないですよね。なかなか改善しない現実に、『何も進んでいない』と落胆してしまうこともあって。正直もどかしさや絶望感を抱くことがありました」(濵田さん)
そんな濵田さんは、講座を通して「マインドセットが大きく変わった」と語ります。
「様々な考えを持つ人たちがいる中で、その人たちを説き伏せるのではなく、それぞれの夢や課題、要求にどうすればみんながハッピーになれる提案ができるかを一緒に考えること。そういうふうに物事を見ていくほうがいいな、と思えるようになりました。
白黒はっきりさせることが正解ではない場面も多いからこそ、共通点を見出しながら、中庸的に物事を捉える。そうすることで、人と接していくことが楽になりました。
このマインドセットの変化は、今後コミュニティ運営に活かしていくだけでなく、すでに今の仕事にも活かしていますし、これからの自分の人生そのものにも寄与していくだろうなと思います」(濵田さん)
講座を通じて得たこの気づきは、濵田さんが抱えてきた葛藤を解消するだけでなく、新たなコミュニティ運営の視点を育むきっかけとなりました。濵田さんの過去の経験と新しい学びが織り交ぜられた深い洞察が感じられます。
一方で手塚さんは、講座を通じて固有の気づきがあったと言います。
「私がこれまで経験してきたコミュニティの場は、宿泊施設が中心です。お客様へのホスピタリティやおもてなしの心が、そこでのコミュニティ運営の大前提でした」(手塚さん)
しかし、この講座を受講したことで、手塚さんは自分がこれまで捉えてきた「コミュニティ」という概念を俯瞰的に見直す機会を得ました。
「講座でさまざまな場に関わるうちに、『私がコミュニティだと思っていたものは、実はすごく限定的だったな』と気付きました。宿泊施設のホスピタリティが、私にとってのコミュニティそのものだと思っていました」(手塚さん)
その経験を通じて、手塚さんが得たのは「ホスピタリティがなくても、コミュニティは存在する」という新たな視点。
「ホスピタリティとコミュニティは別物だということに気づけたんです。でも、私にとってホスピタリティもやっぱり重要な要素で、いい意味でこの二つを切り分けられたときに、自分がつくりたい場において、これらのバランスはどうあるべきか? と問い直すことができました。
また、ホスピタリティのある場が好きなんだと自分自身でも気づいたとき、 そもそもその「ホスピタリティ」とは、私にとって一体なんなのか?と、新たな問いが生まれました。そう自らに問いかけることで、他の誰でもない私固有のこだわりを見つめることができ、私がつくりたい場がより明確になった気がします」(手塚さん)
手塚さんにとって、ホスピタリティは「ただの要素」ではなく、自分らしさを表現するための大切なエッセンス。それを講座で得た多様な経験の中で見つめ直し、整理することで、これからのコミュニティ運営に対する視野を広げることができたといいます。
服部さんは現在大学4年生で、来年から社会人生活を迎えます。この講座で学んだことをすでに実践している服部さんは、日々の活動に手応えを感じているようです。
「住んでいるところは大きな集合住宅なんですが、そこにコミュニティスペースがあって、スタッフとしてカフェやイベントの運営に携わっています。そこでの実践で、講座での学びが活かされていると感じています。
まず、講座で学んだことをスタッフ間で共有させていただきましたし、コミュニティスペースの見方も講座を受けるなかでもどんどんアップデートされていきました」(服部さん)
しかし、服部さんは近い将来、コミュニティ運営を仕事として取り組むことは考えていないと言います。その理由は、講座を通じて得た「ビジネス的な観点」の重要性に気づいたからです。
「講座を通じて思ったところは、人が集まる場をつくるには、それなりの投資や費用がかかるということです。イベントを開催するにも、人々の多様なニーズに応えるにも、ビジネス的な基盤が必要になります。だからまずはビジネスの基礎力をつけてから、またコミュニティ運営の分野に戻ってきたいと思っています。
とにもかくにも講座で学んだことは、座学で学んだ後に実際にやってみることで、初めて学びが肌感覚で落ちてくる実感がありました。それを今後も活かして、人とのつながりや組織の運営などに取り組んでいきたいですね。最終的には、多様な経験が点と点となり、いつかつながるはずだと思っています」(服部さん)
さらに手塚さんは、講義での学び以外の価値も教えてくれました。
講座を通じて出会った人や場を、「自分の価値観を広げるきっかけ」として活用していく視点です。
「ここで得た気付きや出会い、ご縁を引き続き自分の人生に活かしていきたいと思っています。この講座では、ただ知識を得るだけでなく、普段の自分の選択や生活ではなかなかクロスしない人や場と出会わせてもらえます。
それが私にとってとても大きな学びとなりました。自分にとって素敵だなと思うことだけでなく、そうではないものも含めて、すべてが自分自身に相対的に気がつくためのきっかけとなります。これからも与えられた目の前の環境へ、客観性を持ちつつも建設的に関わり、必要なことに気づき続けていきたいです」(手塚さん)
それぞれが異なる道を歩みながらも、学びや出会いを自分なりの形で未来に活かそうとしています。
「コミュニティ運営を実践されたことがあればあるほど、おすすめできる講座だなと思います」と語るのは濵田さん。
「座学で自分の行ってきたことを確かめつつ、実践で明日に活かせる知識が多く得られるので、迷っているなら受講するといいと思います。
特に、自分のやってきたことに自信があるような、ないような、という状態の方はおすすめです。講座では、学びを仲間と共有したり、運営の方からのフィードバックを受けることで、自分が取り組んでいることが確かなものだと実感できます。
参加するほど、仲間からの激励がかえってくるし、運営の方もみてくださっているというのが伝わる。もし迷われているなら、オンラインプランではなく超実践プラン*を選択するといいと思います」(濵田さん)
超実践プラン*…WHERE ACADEMYの「超実践プラン」には、現地フィールドワークなど実践の機会が設けられている。受講生同士の繋がりも、オンラインのみのプランに比べて生まれやすい。(コミュニティマネージャー養成講座詳細はこちら)
手塚さんも「実践が何よりの学び」と強調します。
「自分が実現したい世界観や譲れない価値感があって、それに対してどう進めばいいか分からない葛藤がある人は、実践を通して五感で経験することが何よりの近道です。
私は仲間とリアルに触れ合えることで、『志を同じくする人がいる、この領域で奮闘しているのは私一人ではない』と実感できました。その感覚があるからこそ、学んだことをそれぞれが自分の現場に持ち帰ったとき、たとえそこでは一人であっても、自分としてちゃんと立っていることができるのだと思います」(手塚さん)
コミュニティマネジメント講座に少しでも興味を持つ方は、「抽象的なことに挑戦しようとする人だと思う」と手塚さんは続けます。
「周りの人の理解が得にくい状態だとか、自分の感性を信じきれないでいる人は多いと思います。だからこそ、そこを分かち合える存在が周囲にいない場合、ふとした瞬間に倒れそうになることがあると思います。
本当に実現したい何かがあるなら、超実践プランで仲間と出会い、感覚を分かち合い、自分の活かし方を知り、活力を取り戻す場としてぜひ活用してもらいたいなと思います」(手塚さん)
同じく服部さんも、超実践プランを選んだことは大正解だったと語ります。
「講座のなかでも、直接講師の方や仲間と話せる機会をいただけたのは、実践プランを選んだ特権だと思うので、そこは自分の中でとても大きな影響を受けました。
恐らくですけど、『コミュニティマネージャー養成講座』ときいてピンとくる人というのは、同じような課題や意識を共有している人たちだと思います。だからこそ、この講座を通じて交流する人たちとは話が早いんですよね。共通の文脈を共有しているので、話も前進しますし、お互い相手のことをリスペクトした上でお互いを応援しあえる仲間がここには揃っていました」(服部さん)
濵田さんも手塚さんも頷くなかで、服部さんは「講座を受けずに一人で抱え込んでいたら、何も変わらずに終わっていたと思う」と話します。
「仲間と感じられるみなさんと出会えたことで、自分の考え方が一人ではないと思えましたし、実際の現場をみさせてもらえたことで、『コミュニティは生き物』であることを感じることができました。
実践を通して現場の雰囲気を体感することが、一番効果的だと思います」(服部さん)
前編・後編を通じて、卒業生がコミュニティマネジメント講座を受講したきっかけや、講座を通じて得た気付き・成長、そして実際の活かし方を紐解いてきました。
コミュニティマネジメント講座では、オンライン講義を通じて、現役の起業家や実践者から、コミュニティを人とともに育てるための具体的なノウハウを学ぶことができます。また、現地視察やメンターとの壁打ちなど実践プランを通じて、学びを現場で深める仕組みが整っています。
この講座は「学ぶだけ」で終わらない実践型の学びの場です。「どう進めばいいかわからないと感じているなら、まずは一歩を踏み出してみてください。学びとつながりを通じて、あなたの未来を切り拓くきっかけが、きっとここにはあります。
コミュニティマネージャー養成講座詳細はこちら
Information
地域に根づき、場を通じて人と人が交わることで個人が活躍、地域も豊かになる。
そんなコミュニティマネジメントのスキルを実践を通して身につける、「ローカルに特化したコミュニティマネージャー養成講座」を開講いたします。
コンセプトメイキングから、空間・体験設計、施設管理、イベント・共創の設計まで、全工程を講義でインプットするほか、講師陣の現場も視察して、明日から活きるスキルを身につけませんか?
<こんな人にオススメ!>
・コミュニティ運営が自己流でなんとなく自信が持てない
・交流拠点の創出をしているが相談できる相手がいない
・地域に根ざした場づくりを具体的に学び、実践したい
・全国の仲間と学びを深めたい
まずは相談会・特別公開講義へ!
参加申し込みはこちら:https://whereinc.co.jp/academy/communitymanager/
Editor's Note
この講座では、現場で生きるノウハウや人とのつながりを得られる、価値ある学びが待っています。スキルの習得にとどまらず、自分自身の価値観や未来への可能性を見つめ直す貴重な場です。受講生同士が共感し合いながら学びを深める姿に、大きな感動を覚えました。あなたも一歩を踏み出して、新たな視点とつながりを得てみませんか?
Natsumi Ishizaki
石﨑 なつみ