企業コラボ
ニューノーマルな働き方の一つとして注目を集めている “ワーケーション” 。当初は縁遠い働き方と思われていましたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、テレワークの導入率も少しずつ上昇。政府からの後押しがあったこともあり、ワーケーションを誘致しようと各自治体が趣向を凝らしています。
そんな中、選び手から挙がっているのが「どうやって候補地を選んでいいのかわからない」という悩み。「休暇を重視すべきか、はたまた仕事環境を重視すべきか…。かといって、無難じゃない場所にいきたい!」そんな悩みを抱えている方に朗報です!
今回は山梨県富士吉田市の豊かな自然の中で、「くつろぎ」と「はたらく」を繋いできた富士研修所を取材。
富士山の麓という好立地のため、四季折々の富士山をダイナミックに感じることができるロケーションだけでなく、地域と連携しながら人々のウェルビーイングを応援している施設なのだとか。
「50年もの間ワーケーションみたいなものをずっと続けてきた」と話す富士研修所・所長の渡邊正貴さんに、 “昨今のワーケーションでも発揮される富士研修所の強味” そして “地域と連携を取りながら新しい時代へアップデートし続ける想い” について伺いました。
どこにいても富士山の存在感を感じることができる、通称 “日本一富士山が近い街” 富士吉田市。そんな富士吉田市に、思わず何日も滞在したくなる「ロケーション良し!施設良し!」な宿泊研修施設があるのをご存知でしょうか。
設立は、高度経済成長真っ只中の1967年。富士研修所の利点は、長年 “研修所” として培われてきた施設設備のクオリティの高さ!「手ぶらできてもらえるように」と整えられた設備や備品はもちろんのこと、約30,000㎡もの広大な敷地には、最大人数144名の大研修室をはじめ、レイアウト自由な中研修室や小研修室が完備されています。
更に、白樺やヒノキが植えられた林や芝生の広場も使用することができるため、場所に捉われない思い思いのワークスタイルを選択することが可能です。
「宿泊室や大浴場をリニューアルしたので、多くの方に来てもらいたい!」と話す渡邊さんですが、人々を魅了し続ける富士研修所の一番の魅力は、なんといっても眼前に広がる富士山!
建設当時、土地や景観にかなりこだわったそうで、「実際に富士山の周りをぐるりと一周回って、一番綺麗に見える場所を選んだ」というお話が残っているほど。こだわりの詰まった富士研修所が生まれた背景について伺いました。
「元々は日本経営者団体連盟(略称 “日経連”。2002年に日本経済団体連合会、略称 “経団連” と合併)の15周年記念事業として設立されました。ちょうど経済成長の時期で、『日本を支える企業の幹部候補生を、日本一の富士山の麓で育てる』という志で設立されたと聞いており、今では経団連の傘下を離れ、独立した運営を行っています」(渡邊さん)
今でこそ研修施設がある会社はたくさんありますが、その当時はまだ自前の研修施設を持つ企業が少なかったのだそう。 “日本を支える企業人を育てよう” と日本経営者団体連盟でお金を集め建設したのが、富士研修所だったといいます。
「経済界で活躍されている方の中には、ここで研鑽を積まれた方もいます。この部屋はどこどこの社長さんが使っていたとか、この木はどこどこの社長さんが植えたとか。そういった歴史の重みを感じられるストーリーが多く残っている場所です」(渡邊さん)
長年企業研修を軸に人材育成のサポートを担ってきた富士研修所ですが、ここにもまた例外なく、コロナウィルスの猛威が襲い掛かります。次々と宿泊・研修の予約がキャンセルになる中、渡邊さんは富士研修所の今後について考えます。
「これまでを振り返ってまず気になったことは、『研修に参加している人って楽しそうじゃないな』ということと、『ここでの滞在は、本当に役に立っていたのか?』ということ。どうせやるなら、『もっと人々の幸せに貢献できるような施設・サービスを提供すべき』と思うようになったんです」(渡邊さん)
人の幸せを軸に “富士研修所としてできること” を突き詰めた結果、渡邊さんは “人々の幸せに寄り添った研修所のアップデート” に行き着きます。
「まずは働くことのサポートに長年従事してきたので、その在り方を見直すことにしました。柱となるのがニューノーマル時代の一つの選択肢であるワーケーションです。うちの強みは、企業研修に特化した施設なので、仕事をするには申し分のない環境ですし、宿泊施設もついているので、長期滞在にも適しています」(渡邊さん)
「今よりも滞在のワクワク感を高めつつ、仕事の生産性も上げよう」と、新たにコテージ風のコワーキング施設とトレーラーハウスによる複合オフィススペースをつくったと話す渡邊さん。
「3月末に完成しました。ゆくゆくは企業のサテライトオフィスとしても使ってもらったり、みなさんの働き方の幅が広がれば嬉しいです。ここでの滞在と仕事を体験してもらい、その結果として、移住や二拠点生活に繋がってもらえたら最高ですね」と渡邊さんの想いに触れました。
コワーキングスペース以外の目玉となるのが、富士研修所の広大な土地を活かしたキャンピングオフィス。全室Wi-Fi完備の富士研修所ですが、なんと芝生広場でも使用可能なのだとか。
「芝生広場で行うキャンピングオフィス(キャンプ用品を使ったオフィススペース)が好評です。さらに一歩進めて、キャンプでの滞在と研修室の利用を組み合わせた、キャンプワーケーションへと進化を続けています。
キャンプといってもお風呂は本館の大浴場を使用できますし、野外で虫が苦手という方や寝つきが悪いという方には、客室に宿泊してもらえます。雨が降ってしまったら館内でくつろいだり、仕事に励んでいただければと思います」(渡邊さん)
キャンプという枠に縛られず臨機応変な対応が可能なため、広い要望にあわせた過ごし方を提供できると話す渡邊さん。
「富士研修所の利点は約2時間という都市部からの “程よい遠さ” 。都心からある程度離れているので、仕事環境を変えて集中することができるけれど、いざとなったらいつでも都心にすぐに帰れる距離なんです。だからこそ、わざわざ来ていただいた方々には、仕事だけでない非日常の体験をしていただきたいです。希望される方には富士登山だったり、カーリングといったアクティビティをご案内します」(渡邊さん)
研修所のアップデートとして次に考えられたのが、地域を循環してもらえる仕組みづくり。今までも企業研修として地域との協力を進めてきましたが、もう一歩先の関係を築けるようなハブ機能を充実させたいと話します。
「今までは、研修を終えられるとそのまま帰られる方がほとんどだったんです。せっかく山梨県まで来てもらっているのに、すごく寂しい。
ここの場所は立地も優れていて、富士五湖エリアの中心であり、富士吉田の市街地にもほど近い。富士研修所を訪れてもらったことがきっかけで、少しでも観光してもらえたり、地域の人たちと交流が生まれるようなハブ的役割になれないかと考えました」(渡邊さん)
「富士研修所でできないことは、どんどん地域の力を借りていきたい。そうすると地域の魅力がより伝わって、結果的に富士吉田のためになると思うんです。地域の流れを生むような場所にしたいですね」と渡邊さんは笑います。
取材をする中で、「あんなこともできる、こんなこともできる!」と富士研修所の柔軟性の高さに驚かされ続けた今回。お話を伺うだけでなく、“現代版の保養所” や “リトリート” といった活用アイデアで盛り上がり、施設の自由度の高さだけでなく、渡邊さん自身の発想の柔軟性にも驚かされました。
そんな渡邊さんに、富士研修所の今後の方針について伺いました。
「ワーケーションって最終的には “地域力” がものをいうと思うんです。施設が単体で色々言っても仕方がない。今、地域との連携の一つとして、隣接する認定こども園で預かり保育ができるサービスもつくっています。これも地域の力を借りるということ。
だから『こんなことをしたい』といったアイディアは大歓迎です!うちの力だけに頼らず、一緒にアイデアを実現してくれそうな企業さんとどんどん連携をとっていきたいですね!」(渡邊さん)
地域一丸となって、みなさんの新しい働き方を応援できるような施設にしたいんです。渡邊正貴さん 富士研修所
そう語る渡邊さん。歴史の重みを大事にしながら、今の時代にあったアップデートを続ける富士研修所から目が離せない。
例年通り、代わり映えのしない企業研修に違和感を感じている、飽き飽きしている、変化を起こしたいアナタへ。この機会に、富士研修所と一緒に新しい挑戦を始めてみませんか?
地域一体と連携しながら、新しいことにどんどんとチャレンジしていきたいという富士吉田研修所さん。
「これまでとは違った研修をしたい」「新しい研修の形をつくりたい」と考えている企業・団体さんを大歓迎しております。
まだまだ具体的イメージが固まっていない状態でも、まずはお気軽に、以下問い合わせフォームよりご連絡ください!
〒403-0006 山梨県富士吉田市新屋5−1−1 (Googleマップ)
https://fujicalm.jp/
tel. /0555-22-5156
Editor's Note
50年以上「企業研修×宿泊」を担ってこられた施設だからこそ、新時代の働き方である “ワーケーション” が輝く富士研修所!
長い歴史があるのにも関わらず『「富士研修所が」ではなく、「富士吉田市」という地域を主語に考えたい』と話されたのが印象的でした。
YURIKA YOSHIMURA
芳村 百里香