ライフスタイル
東京からのアクセスが良く、富士五湖や青木ヶ原樹海といった豊かな自然も身近に感じられる山梨県・富士吉田市。富士山の湧き水を使って千年以上前から織物業が育まれてきた歴史があり、当時の機屋の面影を残す建物を見ることもできる。自然と共に育まれてきた文化が今なお色濃く残るこのまちは、アウトドア好きの移住者にはもちろん、地元民にも長く愛されている場所だ。
今回話を伺ったのは、富士吉田市出身、14年前に仲間とWeb制作会社「株式会社オルトスタイル」を立ち上げた角田順一さん。仕事はクリエイティブ制作やブランド戦略のコンサルティングなど多岐にわたり、日々を忙しなく過ごす一方で、休日はロードバイクや和太鼓、DIY、キャンプ……驚くほど多趣味だ。仕事も遊びも全力な角田さんの暮らしから、このまちの魅力を読み解いていく。
ご実家が「ランチャン食堂」という食堂を営んでいることから、“らんちゃん”と呼ばれている角田さん。ご両親の影響で料理好き。また、18歳の頃からキャンプにハマり北海道や四国へ出かけていたという。当時から自然の中で過ごしたり、手足を動かして何かを作り上げたりするのが好きだった角田さんは、現在も週末には早朝からロードバイクに乗り、夕方にはBBQをするなどかなりアクティブ。
「天気が良ければバイクで朝6時くらいに自宅から山中湖や河口湖へ出かけて、湖畔を一周するところから休日をスタートします。そのあと帰宅して朝食を食べるのがいつものコース。仕事が忙しい分、体を動かすことでオンとオフの切り替えをして、リフレッシュするよう心がけています。
富士五湖はロードバイクやMTB好きが集まる場所としても知られています。湖畔を周回したり、山道を走ったり、レベルや時間に合わせてさまざまな楽しみ方ができるのが魅力だと思います」(角田さん)
辺りが暗くなってきたら、自宅前で焚き火やBBQをすることも。最近はスモーカーを購入し、スモークチキンを作って家族に振る舞ったとか。富士吉田市とその周辺には「モンベル富士吉田店」や「STANDARD point」といったアウトドアショップが充実している。そのため多様なアウトドア、キャンプグッズへのアクセスが良く、そのうえそれらをすぐに試せるフィールドが身近にあるので、このまちにはアウトドアで過ごす習慣が生活に根付いている人が多い。
角田さんが数ある趣味の中でも長く親しんでいるのが和太鼓。「富士山火焔太鼓」という富士吉田市のチームに28年前に所属。毎年8月末に行われる吉田の火祭り、フランスやアメリカでもパフォーマンスしてきたとか。
「この辺りでは昔、結婚式があると余興で太鼓を演奏することがありました。会社の同僚が結婚する際に、みっちり1ヶ月間太鼓の練習をしまして。人前で発表したときの高揚が忘れられず、その後すぐに今の太鼓チームに入りました。
富士吉田市の姉妹都市であるフランスのシャモニー・モンブラン市へ1週間ほど訪れて、町中で太鼓を演奏したり、イベントへ出演したこともあります。このまちに馴染み深い太鼓を起点にいろんな人や場所に出会い、貴重な経験ができました。今はコロナの影響でイベントが中止になり発表する場が少ないのですが、再開されたらチームのみんなと演奏したいですね」(角田さん)
これだけ多くの趣味を持つ角田さん、現在は富士吉田市でWeb制作及び雑貨店を展開する「株式会社オルトスタイル」の社員。コーディングや撮影等を行い、県内外の企業ウェブサイトを制作・運営している。
「この業界は変化のスピードやトレンドの移り変わりも速いから、常にあらゆる情報をリサーチしなければならないと思っています。県内に移住して来た人や若い人たちの仕事のやり方を見て常々刺激をもらっていて、例えば、富士吉田市の定住促進センターが運営しているウェブサイト『you FUJIYOSHIDA』は、移住者に対象を絞って有益な情報をハイセンスなデザインで発信しているし、そこからコミュニティが生まれている。一企業やブランドのウェブサイトができることの幅の広さを示した好例だと思いますよ」(角田さん)
これまで仕事や趣味を通して、日本全国さまざまな地に触れて来た角田さん。それでも生まれ育った富士吉田市に住む理由はどこにあるのだろうか。
「こんなに恵まれているまちは他にないと思っています。車があれば生活に必要な物には10分以内に手が届くコンパクトシティだし、キャンプやロードバイク、MTB、登山などの趣味を充実させる環境は整っている。富士山エリアは観光地のイメージも強いけれど、好きなことで人と繋がり暮らしていく場所として、とても快適ですね」(角田さん)
09時〜12時 オフィスワーク
12時〜13時 昼食
13時〜19時 オフィスワーク
21時以降 ときどき散歩
6時 自宅から湖までロードバイクやMTB
10時頃 帰宅、朝食
13時以降 家族とショッピングなど
夕方以降 ときどき外でBBQ
Editor's Note
ロードバイクに乗って湖畔を走る角田さんの姿、とても気持ち良さそうでした。こうした心地いい場所へすぐにアクセスできるのは、やはりこのエリアならでは。オンオフの切り替えも自分の限りある時間を楽しむスキルの一つなので、こうした暮らしの中で身につけていきたいなと思いました。仕事はもちろんですが、趣味は人との繋がりを作る最大のきっかけ!
角田さんのように趣味からさまざまなコミュニティを見つけ、居場所を得られたらますますウェルビーイングに過ごせそうですね。
SAWAKO MOTEGI
SAWAKO MOTEGI