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【前編】創業1772年の酒蔵が、お客さんを呼び戻そうと行った「取り組み」をご紹介

AUG. 06

Mino. GIFU

前略
ミネラル豊富な水と、甘く香りのいい日本酒が飲みたいあなたへ

創業1772年。岐阜県にある美濃の市街地で唯一、日本国指定重要文化財にも指定されている酒蔵「小坂酒造場」。

とことん品質にこだわり続け、偽りのない酒造りをモットーに、「約400石*1」製造している酒蔵です。

「子どもの時から酒蔵を継ごうと思っていた」と話すのは、27歳の時から小坂酒造場で働き、現在では小坂酒造場の12代目を務める小坂善紀さん。26年間、酒蔵を守り続けてきた小坂さんにお話をお伺いしてきました。

*1 石
体積の単位。お米の出来高を表す際によく用いられる。1石 = 180リットル(400石 = 72,000リットル)

持てる資源を最大限にパフォーマンスさせる

お酒の原料で一番大きな割合を占めるのが「水」。だからこそ酒蔵にとって水そのものの味が非常に重要になってくるんです。そんな水に恵まれた場所に小坂酒造場はありました。

小坂さん:小坂酒造場では昔から目の前を流れている長良川を地下からくみ上げて、源流水を使って日本酒をつくっているんです。長良川の水はミネラル多くて、甘みがあり本当に美味しいんです。

土の中の養分を十分に貯めた水は栄養分も豊富で、お店には「水を汲ませてほしい」というお客さんもよくいらっしゃるそう。

小坂さん:日本酒をつくる上では「持てる資源を最大限にパフォーマンスさせる」ことが大切だと思っています。日本酒の主な原料は米と水と麹。この3つのバランスを考えながら、素材が持つ資源の美味しさが最大限に引き出されるように試行錯誤を積み重ねて日本酒づくりをしています。

長良川の水は甘くてよく発酵する。だからお店には甘くて香りのいいお酒がたくさん並ぶのだ。

「嫌われ者」になった日本酒を売り上げ130%へ

素材が持っている資源を最大限にパフォーマンスさせるため、試行錯誤を繰り返し、丹精込めてつくられた小坂酒造の日本酒ですが、以前まで販売が低迷する時期もありました。

小坂さん:日本酒に逆風が吹いたのは、飲酒運転による死亡事故が立て続けに起こるようになってからです。飲酒運転厳罰化が行われ、世間的にお酒全体に対しての風当たりが厳しくなったんです。特に日本酒はアルコール度数が高く、日本酒を飲んで酔っ払っている人のイメージが強いからなのか、お酒の中でも槍玉に挙がりました。

 

飲食店でもお酒の売り上げが徐々に落ちていき、酒屋さんはどこも大きなダメージを受けていきます。そんな風潮の中で、小坂さんが特に気にしていたのが、小坂酒造場で働く社員の存在。日本酒が売れないことで「自分たちは、社会的に必要とされていないものを売っているのではないか」と会社全体が落ち込んでいったと言います。

そんな中、この状況を打破しようと小坂酒造場が始めた「ある取り組み」が、再びお客さんを呼び込み、売り上げを130%にまで回復させていきます。

後編では小坂酒造場が売り上げを130%にまで回復させた「ある取り組み」と、246年間の歴史を持つ小坂酒造場の「新たな挑戦」についてご紹介します。(後編はこちら

 

草々

岐阜県美濃市

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